要旨
現代の女性は「~てよ」、「~だわ」などの女性専用の文末表現を使わない傾向があるが、明治時代の女性はどのような文末表現を用いていたのか疑問に思い、明治期の女性の文末表現について調べることにした。 夏目漱石は一生の多くを東京で過ごし、明治期の東京語が確立したとされる時代に活躍した作家である。この調査では、漱石の小説に登場する女性の話し言葉における文末表現の特徴と、登場人物の性格との関連について調べた。「三四郎」、「それから」、「門」の前期三部作をテキストとして調査した結果、登場人物の性格と文末表現には関連性があることが分かった。 精神面、経済面において男性から独立している女性ほど女性らしい文末表現を用いず、そうでない女性ほど女性らしい文末表現を使っていることが分かった。
現代の女性は「~てよ」、「~だわ」などの女性専用の文末表現を使わない傾向があるが、明治時代の女性はどのような文末表現を用いていたのか疑問に思い、明治期の女性の文末表現について調べることにした。 夏目漱石は一生の多くを東京で過ごし、明治期の東京語が確立したとされる時代に活躍した作家である。この調査では、漱石の小説に登場する女性の話し言葉における文末表現の特徴と、登場人物の性格との関連について調べた。「三四郎」、「それから」、「門」の前期三部作をテキストとして調査した結果、登場人物の性格と文末表現には関連性があることが分かった。 精神面、経済面において男性から独立している女性ほど女性らしい文末表現を用いず、そうでない女性ほど女性らしい文末表現を使っていることが分かった。