西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

オーストリーのグラーツの景観政策

2010-06-05 | 地域居住学
今朝、NHKTVで「世界遺産」としてオーストリーのグラーツ(GRAZ)の歴史的町並み保全政策を聞いて、実態を見て「それもそうだな」と思った。

グラーツは昔のハップスブルグ帝国(神聖ローマ帝国)の東端に位置し、東方のオスマン帝国の圧力を絶えず受けていた。ためにイタリアのミケランジェロから当時の最新鋭の「星型要塞都市」を学んで対応しようとしたように、新しいいいことは取り入れる風潮がある。

そこで、現在の町並み政策と言うか景観政策はユニークと思った。とにかくイタリアルネッサンスの頃やゴチックの頃やバロックの頃の最新建築の並びに現在新しい建築を造る場合も「世界最新鋭」の建築を造る精神で臨む、とのことだ。

それが未来に向って活力を得ることに通じるという。例えば「クンスト」という現代美術館の建物は、周りと全然傾向の違う現代建築だが、市民は皆「回りに合っている」と言っている。良く見ると、形は奇妙なのだが高さは周囲にあわせている、窓も一定の方向に向いているなどの配慮をしていて、それが市民にも受け入れられているのだ。

私も、違う時代の「力ある建築群」が並ぶならば、それもいい町並みと思うのである。