おはようございます。
生き生き箕面通信1214(120405)をお届けします。
・日米両政府合作で進む普天間基地の固定化
消費増税問題に注意が集まっている影で、アメリカ政府が主導する風を
装いながら、普天間基地の固定化が着々と進められようとしています。
本日4月5日付けの朝日新聞朝刊によると、「米政府は米軍普天間飛行場
の補修費として来年度(2013年度)から8年間で約250億円を負担するよう
日本政府に要求している」(3面)そうです。「向こう8年間は普天間は動か
ないぞ」というアメリカ政府の正式な意思伝達です。
記事では、「日本側は、長期の大規模補修に応じれば普天間の固定
化につながるとして、難色を示している」とあります。しかし、難色は表
向きの国民向けジェスチャーにすぎず、すんなりとは受け取れません。
実態は、日米両政府の暗黙の了解のもとに、「普天間基地を当分使い
続ける。つまり、固定化とならざるを得ないでしょう」というものです。筋書
きは簡単です。日本政府は、できもしない辺野古への移設を、「辺野古し
かない。辺野古だ、辺野古だ。あくまでも辺野古への移設だ」と、辺野古
を口実に移設努力のポーズをとり続ける。しかし、現実は移設が困難だ
から、普天間基地は使い続けざるを得ない。老朽化が進んでいるから、
補修しなければならない。しかし、アメリカは予算を削っているから、日本
政府へ負担してもらわなければならない。野田政権も、アメリカからの要
求だから「仕方がない」と、渋々の形をとって補修費を負担する。これで
普天間は使い続けることができる。野田政権はアメリカから「愛いヤツ
じゃ」と認められ、日米両政府ともに「ハッピー」というシナリオです。
アメリカ側の要求は、前半で下士官兵舎や飛行場正門の補修を先行
させ、後半では滑走路の整備を含んでいます。日本側は日米安保条約
では本来、米軍基地については用地だけを提供するはずでした。しかし、
アメリカ政府は、いまやなにもかも日本のカネでやってしまおう、と要求
はエスカレートするばかり。まさにアメリカさまのおっしゃる通り「お財布
がかり」を担当させていただくありがたい役回りです。基地周辺では日々、
軍用機の大爆音に悩まされる小中学校の生徒や病院の患者がおり、
「一日も早く出ていってほしい」と望んでいます。また、本土では、食事も
満足に取れずに、衰弱して孤立死する人が絶えない、というのにです。
万一、普天間基地周辺でオスプレイの墜落事故が起きても、「それはそ
の時、なんとかなるさ」。むしろ、惨事が起きた時に普段は取れない手段
を講じるショック・ドクトリンの発動すら懸念されます。
すでに、田中直紀防衛相は、「設置から50年以上経過して安全面の
配慮は必要だ」と負担を認める方針です。さらに、玄葉光一郎外相は
記者会見で、嘉手納基地以南の返還についても、「そう簡単ではない」
と、早期返還は難しいことを認めています。つまり、アメリカ側はやりた
い放題。日本は大臣ずらした面々が、「御意。まことにおっしゃる通りに
ござりまする」と平伏してアメリカさまのご意向をうけたまわる姿勢です。
独立国としての面目などさらさらありません。世界一、アメリカ政府に従
順な、従属国の名誉ある野田政権です。