生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

・「『原発と憲法』を論じる必要がある」と原発を問う民衆法廷の決定

2012-04-16 06:54:30 | 日記



 おはようございます。

 生き生き箕面通信1225(120416)をお届けします。



・「『原発と憲法』を論じる必要がある」と原発を問う民衆法廷の決定



 

 市民団体が企画した「原発を問う民衆法廷」が東京に続き昨日4月15日、

大阪市内の城東区民会館で開かれました。法定の最後に即日出された決

定(判決)は、「関電の大飯原発をはじめ日本の原発はすべて再稼働して

はならない」と再稼働禁止でした。「原発再稼働は犯罪だ」と主張する市民

による”模擬裁判”です。



 「決定」の中では、まず「3・11後に問われていること」として、「国策として

の原発政策そのものの妥当性、社会的許容性である」と指摘しました。そ

のうえで真摯な検討が求められるべき点として2点をあげました。第1が

福島原発事故の原因解明、第2が科学、自然、人間の関係をめぐる議

論――原発の人的コントロール可能性、地震や津波などの自然現象へ

の人間の対処の可能性、電気エネルギーの不可欠性と生活の質を巡る

問題など――が不可欠である、としました。



 とりわけ強調したのが、「原発と憲法」を正面から論じる必要がある、

という点でした。しかし、この日は6点の問題点の指摘にとどめ、次回以

降の課題になりました。問題点は

 1)原発と平和的生存権(憲法前文)および平和主義(9条)との関係

   ――原発は(プルトニウム産出などを通じて)核兵器保有という

  戦争潜在力を保持することになる。

 2)生存権、幸福追求権、個人の尊重(13条)との関係

 3)生存権(25条)は単に「原発事故」との関連だけではなく、「原発」

  そのものと生存権の関連を問い直す必要がある。

 4)高橋哲哉証人が証言した「犠牲のシステム」論から見るならば、

  人権侵害となるような差別を必然的に内包したシステムとしての

  原発を維持できるかが問われなければならない。

 5)「この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない

  永久の権利として、現在および将来の国民に与えられる」(11条第2)、

  「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類多年にわたる

  自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去生田の試練

  に耐え、現在および将来の国民に対し、犯すことのできない永久の権

  利として信託されたものである」(97条)という日本国憲法の射程を充

  分に踏まえる必要がある。この点はこれまでの憲法学が見逃してきた

  論点として、今後、問い直されなければならないだろう。

 6)国際人権法との関連も検討の余地がある。近年、国連人権理事会

  では、21世紀における国連平和への権利宣言の作成を審議中であり、

  その宣言草案には平和への権利として環境権なども含まれている。



 以上のように「原発と憲法」をめぐっては、充分な議論がなされること

のないままに原発政策が導入され、3・11以後もやhり充分な議論がな

されていないのである。



 次回、大阪法廷パート2は、6月17日(日)に大阪市立平野区民セン

ターで開かれます。