おはようございます。玄葉外相が、「米軍軍属に対して日本側にも裁判権が認められたのは重要な一歩」と胸を張って発表しました。しかし、第一次裁判権が米側にある原則になんの変更もありません。今回の措置は、一時的な便法、まやかしです。日本政府は本来、地位協定の見直しを米側ときちんと交渉する義務があるにもかかわらず、米側に遠慮して言い出せずにいるのが実情です。外務大臣がしゃしゃり出て胸を張るのは、笑止千万。見苦しいだけです。もっとしっかり地位協定の見直しに取り組んでもらわなければ困ります。
生き生き箕面通信1082(111125)をお届けします。
・火急の案件「女性宮家の創設を」――皇位継承制の変更へ
本日11月25日付の読売新聞朝刊が「『女性宮家』の創設検討」(一面トップ)とスクープしました。「天皇陛下が退院」と抱き合わせの紙面です。
つまり、天皇に「万一のことがあるかもしれない」と連想させた今回の入院。必然的に、皇位継承問題を再燃させることになります。
読売新聞は、「宮内庁が、皇族女子による『女性宮家」創設の検討を『火急の案件』として野田首相に要請した」と報じました。「併せて安定的な皇位継承制度の実現も求めている」としました。
皇室典範では、女性皇族が一般の人と結婚すると皇族の身分を離れることになっています。
現在の皇室構成は、天皇と皇族方22人。男性皇族は7人ですが、4人が60歳以上。未婚の皇族女子は8人で、うち6人が成人だそうです。現天皇の孫の世代で皇位継承資格者はご存じのようにただ一人、秋篠宮ご夫妻の長男、悠仁(ひさひと)さま(5)のみです。
つまり、現在の皇位継承制度は不安定で、しかも先細りという実態です。特定の皇族に大きなプレッシャーがかかっているわけです。天皇は、なぜ男系の「胤(タネ)」でなければならないのか。千数百年、続いてきたからといわれます。しかし、過去に女性天皇が存在したことも歴史上の事実です。
「万世一系」を定義したのは伊藤博文です。その際、皇胤で男系に限るとしました。しかし、男系を必然とし、しかもそれを現実可能とするためには、江戸時代の「大奥」のような側室制度を設け、天皇にはいわば2号、3号さんを特認することを要します。そうした制度を、現在の日本社会が受け入れるでしょうか。
そもそも、天皇制とは何か。日本社会にとって、どのような意義を持つものなのでしょうか。今回は思考停止を起こさずに、議論を逃げずに、きちんと結論を出す必要があります。
ぼくは、女性天皇を認める立場です。天皇は、憲法に規定されているように「象徴」です。戦後、マッカーサーに押し付けられた「象徴天皇」は日本社会に定着しました。戦前、戦中のような「現人神」(あらひとがみ)を望むのは、故三島由紀夫のように少数派です。僕は、天皇は日本を統治する「機関」として、「象徴」の役割を果たす、あるいは機能を果たす存在だと考えています。
真の民主主義をめざしつつも、途中経過としての「立憲君主制」は方便として認める立場です。