生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信553 ・新政権の本質は「普天間」に現れる

2010-06-08 07:08:41 | 日記
お早うございます。「ざわわ ざわわ ざわわ 広いさとうきび畑は……風が通りぬけるだけ」
生き生き箕面通信553(100608)をお届けします。

・新政権の本質は「普天間」に現れる
 菅新政権への世論調査はいずれも「60%前後」と高い支持率を回復、民主党はホッと一息です。高支持率は”お祝儀”ではあっても、参院選を控えありがたいものです。鳩山さんの「稚拙」とも見えた政権運営と、「オザワの顔を見るのもいや」という”嫌悪感”の両面から解放され、「民主党らしさ」にもう少し賭けてみようということでしょうか。

 となると、新政権が何をめざしているのか、が大事になります。菅さんは「強い経済、強い財政、強い社会保障」というキャッチフレーズを繰り返しています。詳しくは今週金曜日の所信表明演説を待ちましょう。

 しかし、はっきりしてきていることがあります。菅さんは普天間基地問題について、「鳩山さんが決定した日米合意は重い」と発言しました。つまり、辺野古新基地を推進するという”決断”です。そのために、鳩山さんの「最低でも県外」を封じ込め、「辺野古への回帰」を主導した4人組大臣のうち、3人を留任させました。

 一国の首相の”悲願”を覆すのは、実質的にクーデターですが、このクーデター4人組は、岡田外相、北村防衛省、前原国交相、平野官房長官です。岡田、北村の両相は、アメリカのゲーツ国防長官とクリントン国務長官に「今後、重要な情報も流さないし、日本からの要請には応じないよ」と脅され、「日本の安全保障のために」という理屈づけで、鳩山案つぶしを決意しました。

 前原氏は、外交問題を自分の守備範囲と公言していますが、中身はアメリカと同一の安全保障観です。対米外交最重視の立場であり、現役の沖縄担当相です。平野氏は、辺野古がある名護市長選で、「辺野古基地建設反対」の稲嶺氏が当選しても「影響されない」と素っ気なく言ってのけました。

 さらに、折り紙つきのアメリカ寄りが、防衛政務官の長嶋昭久氏。アメリカの代理人の立場です。もちろん、外務省、防衛省は、がっちりと親米派のアメリカン・スクールで固めています。

 菅さんは、がんじがらめ。これからは、辺野古での新基地建設に向けて懸命に動き出さざるを得ません。

 しかし、普天間問題は、日本が「真の独立」を果たすかどうかの試金石です。「真の独立」が、この国の形を再建する本質です。辺野古推進は、対米従属の証となります。アメリカの札付きである「産軍複合体」、その手の平で踊らされ続けることを意味します。政権交代という絶好のチャンスを、みすみす逃す。

 新聞は、こうした歴史的な転換点に対して、どんな役割を果たすべきなのでしょうか。「新聞の使命をみずから放棄する」、もしそうならそのことの重大な結果が分かっているのでしょうか。朝日新聞や読売新聞には、そのことが問われ続けています。






生き生き箕面通信552 ・「なぜ一緒にやれないのか」

2010-06-07 06:44:20 | 日記
お早うございます。
生き生き箕面通信552(100607)をお届けします。

・「なぜ一緒にやれないのか?」
 評論家の佐高信氏が「なぜ一緒にやれないのか?」というコラムを自分が発行人となっている「週間金曜日」の今週号(801号)に書いています。

 長崎で「いま長崎で憲法を考える」という講演会が開かれ、澤地久枝さんと佐高氏が対談講演をしたときのこと。受付では、分裂してしまった原水禁(原水爆禁止国民会議)と原水協(原水爆禁止協議会)の活動家が仲良く並んでいてほほえましかったそうです。

 ところが、終わってから、「九条の会」の人が会いに来て、「改めて澤地さんに講演をしてもらいたい」という。佐高氏は「なぜ一緒にやれないのか?」と、思わず声を荒げたそうです。

 「九条の会」の呼びかけ人でいまは亡き小田実も加藤周一も、「せめて護憲の運動だけでも一緒にやろうと努力してきた」。小田が、ベトナム反戦の「べ平連」を党派を越えた運動としてやっていたとき、某政党からは連日のように機関紙で叩かれた。それでも、いわば”恩讐を越えて”「九条の会」を続けてきた。それに、「澤地は心臓に疾患を抱えつつ、護憲のために全国をかけめぐっている。傍で見ていても、それは限界を超えているのではないかと思う」

 某政党の機関紙とは、ご推察の通り「共産党の赤旗」です。

 原水爆禁止運動も、1962年にソ連(当時)が行った核実験をめぐって評価が割れ、日本社会党・総評系が「ソ連に抗議せよ」と主張したのに対し、共産党は反対の立場、つまり「ソ連の核実験は”正義の核実験”」といわんばかりの立場で分裂のきっかけをつくったのでした。

 共産党の党派主義、「自分だけが正しい」とする狭いセクト主義がどれほど大衆運動のエネルギー結集を損ない、結果として体制側を利してきたか。

 いまもそうです。「沖縄からの米軍基地撤去」の要求エネルギーが広く存在するにもかかわらず、結集し得ていません。共産系はあいかわらず排他的党派色を濃くしています。選挙が近づいてくればますます「共産党候補への投票に結びつけよう」と、大衆運動のエネルギーを露骨に選挙に利用しようとします。つまり「選挙目当ての大衆運動」から脱しえていません。だから、非共産党の人々からは「共産党は信用できない」という共産党アレルギーがいつまでもつきまとうのです。

 フランスやイタリアには、幅広い抵抗運動、人民戦線の実績があり、連帯の伝統が受け継がれています。

 日本では「なぜ一緒にやれないのか?」
    







生き生き箕面通信551 ・菅新政権に期待すること

2010-06-06 07:39:35 | 日記
お早うございます。「沖縄の夏空を突き上げるこぶし雲」
生き生き箕面通信551(100606)をお届けします。

・菅新政権に期待すること
 「この国の形」として、「日本は世界の平和実現に貢献する国である」と世界に向かって宣言し、これを「国是」として国の総力をあげて取り組んでいただきたい、と望みます。

 そのために、経済力を回復する必要があります。しかし、なによりこの「国是」を、まず「国是」とすることについて国民に説明し、了承してもらう粘り強い説得活動からはじめてもらいたい。

 もちろん国民の生活が第一です。いまは多くの企業が厳しい経営を迫られ、国民生活の根幹をなす「雇用」が不安定になり、社会全体に不安が広がっています。だから、経済に活気を取り戻す施策が猶予のない課題であることはいうまでもありません。

 社会の基盤を安定させるために、雇用を確保することが欠かせません。そのためには、日本の雇用を支えている中小企業が元気に経営を続けられる施策を最重要政策として早急に実施する。そうした元気な日本をめざすためは、平和が続くことが大前提です。日本の平和が続くためには、東アジアの平和と安定が不可欠であり、世界の平和を実現する必要があります。

 21世紀は、世界に平和をもたらす努力を傾ける世紀。あと90年の間に、時間はかかるけれども「地球を平和な星に」しましょう。

 日本にアメリカの軍事基地はいりません。沖縄から、普天間からアメリカの軍事基地は撤退していただきましょう。望まれた政権交代の真の意味は、「この国の形」として日本の安全保障をどう考え、実現するかを、根本から考え直すことのはずです。あさって発足する菅政権には、課せられた真の歴史的使命を認識してもらいたいと期待しています。

 もっとも、伝えられる岡田外相、北沢防衛相の留任は、「辺野古への移設に突き進む」という新内閣の意思表示なのでしょう。

 マスメディアが伝えるのは、7月の参院選、9月の民主党代表選、11月には沖縄の県知事選とオバマ大統領来日が予定される日程に中で、政府はどうしても辺野古へアメリカのための新しい基地を日本人の税金で建設する、それが菅さんの基本方針だ、ということです。私たちは、何を考え何をすべきでしょうか。






生き生き箕面通信550 ・検察とアメリカの高笑い

2010-06-05 06:26:00 | 日記
お早うございます。
生き生き箕面通信550(100605)をお届けします。

・検察とアメリカが高笑い
 「小沢降ろし」の死闘を演じてきた検察は、あっけないほど簡単に小沢氏が辞任したことで、当面は大勝利です。これで「検察天国」は磐石になったと、笑いが止まらないことでしょう。

 「検察がこの国を仕切る」という彼らのプライドは保たれ、改めて自信を深めています。一方、永田町の議員、先生方は「検察おそるべし」の感をいまさらながら思い知ったというところでしょうか。検察にとっては、今後検察に立ち向かうものはすべてつぶすという格好の事例を見せつけることができたのです。

 日本に大きな権益を持つアメリカのグループも、「これで当分、日本はいいなりにできる」と高笑いです。なにしろ菅・新首相は就任の記者会見で「沖縄は日米合意を尊重する」と明言したのですから。「おもいやり予算も確保できるし、こんなおいしい国はない」と、攻勢を強めるでしょう。次はいよいよ、たっぷり貯まっている郵貯です。

 アメリカの心配のタネは、日本がアメリカから距離を置き、アジア諸国との連携を強める自主路線をとるのではないか、ということでした。「小沢は、胸のうちに自主路線を秘めている。危険だ」と最も警戒する相手であり、田中角栄と同じように葬り去りたい人物でした。

 小沢氏が今後、9月の代表選へ向けてどんな手を打つか。たとえば田中真紀子氏を立てて、菅氏と真っ向勝負をするのか。

 そうなれば、民主党は真っ二つ。秋から年末にかけてかなり大きな政界再編成が進まざるを得ない。いずれにせよ、アメリカの属国路線でいくのか、真の独立を果たすのか、「この国の形」が問われています。小沢氏が影響力を維持できるか、7月の参院選は大変重要な意味をもつことになります。

 


生き生き箕面通信549 ・日本の有権者は韓国の有権者に学びましょう

2010-06-04 06:57:13 | 日記
お早うございます。今日は、中国の天安門事件から21年目。現在の胡錦涛政権は事件の再評価には厳しく、中国の民主化は道遠しです。
生き生き箕面通信549(100604)をお届けします。

・日本の有権者は韓国の有権者に学びましょう
 昨6月3日に確定した韓国の統一地方選挙は、与党ハンナラ党の予想外の大敗となりました。韓国の有権者は、朝鮮半島での「緊張激化に反対」という意思表示をしたことを意味します。

 選挙直前に起きた韓国の哨戒艇沈没事件に対し、与党ハンナラ党はこれを北朝鮮の仕業として大々的なキャンペーンを繰り広げ、外交断絶、戦争をも辞さずという強硬路線を打ち出しました。多数の兵士が犠牲になっただけに、世論調査では与党の政策が圧倒的な支持を受け、選挙でも圧勝する見込みでした。それがフタをあけると、意外にも与党の惨敗。(沈没事件調査団のなかには、北の攻撃によるものではなく、座礁沈没を指摘する意見もあるようです)

 実際に投票する段で、有権者は「待てよ。このまま戦争の方向へ進んでいいのか」と冷静さを取り戻したのでしょうか。前大統領の盧武鉉政権は「太陽政策」で北朝鮮との宥和政策を推し進めましたが、現政権は一転して対決姿勢になりました。

 紛争は、武力で解決できるということでしょうか。韓国の有権者は、そう考えないことを選挙で示しました。

 日本では、哨戒艇沈没事件などに対し、「やはりアメリカ軍の”抑止力”が欠かせない」という風向きとなり、普天間基地問題は「辺野古への移設」で決着させようという力が強まりました。

 きょう、日本の民主党は新しい代表として菅直人氏を選出し、直ちに開かれる衆参両院の首班指名選挙で「菅首相」を誕生させる段取りです。その菅氏は「日本外交の基軸が日米関係にあるという大原則はその通りだが、米国との信頼関係を維持しながら、中国との関係も重視することが日本の将来にとっての正しい方向だ」と、きわめてバランスの取れた姿勢を示しました。

 ちなみに樽床伸二候補は「日米合意の内容は守っていく」と、辺野古推進の立場です。

 国の安全は、「最悪のシナリオ」、つまり武力行使の事態に備えつつも、最大限の力をそそぐべきは、紛争の平和的な解決、話し合いによる妥協点を見出す努力のはずです。

 菅政権が、普天間に関しては「撤去」の方向へ進むよう世論を強めることが、私たちの課題だと思います。私たち一人ひとりの力で、基地を撤去できます。かつて砂川をはじめとする基地反対闘争では実際に多くの基地を撤去させてきました。