おはようございます。野田首相は政府・与党が増税方針を決めた日も記者会見を逃げました。記者団の「ぶら下がり」取材も拒否、正規の記者会見もほとんどしない(就任時と訪米時の2回だけ)。それで国民と心を通わせながらの政治ができていると思っているのでしょうか。
生き生き箕面通信1026(110929)をお届けします。
・復興増税額は「11.2兆円なの?」、「9.2兆円なの?」
本日の朝日新聞朝刊は1面トップで、「復興増税 一転11.2兆円」と大々的に伝えました。これに対し、読売新聞は2面に3段見出しで「復興増税 9.2兆円で決着」としました。どちらが誤報なのでしょうか。
副見出しは、朝日が「政権迷走、2兆円増」。読売は「迷走の末2兆円圧縮」。朝日は「総額を9.2兆円とした27日の発表を事実上修正した」と書きました。読売は「増税規模は政府が当初示した11.2兆円から2兆円圧縮し、9.2兆円で合意した」と書きました。政権も迷走しているようですが、新聞の迷走ぶりも相当に見応えがあります。
この間の事情は、毎日新聞が明確に伝えてくれました。どうやら、安住淳・財務大臣と前原誠司・民主党政調会長との「オレがオレが」争いの結果、折衷案にしたようです。増税したい財務省のいいなりの安住氏は「11.2兆円」に固執、増税額を低くする”主導権”を発揮して存在感を見せつけたい前原氏が「9.2兆円」で譲らず、昨日、急きょ国会内ですり合わせ。その結果、「当初は大きい増税額で制度設計を行い、その後税外収入の上積みが実現した段階で『増税圧縮』を強調する」という折衷案になったのだそうです。勃発した”前原・安住戦争”は、政権与党の民主党と財務省の争いとして、今後に尾を引きそうです。
新聞で見ると、朝日は安住氏(財務省)寄り、読売は結果的に前原氏寄りになりました。
僕は、増税の前にまだ絞り出すべき財源がある。さらに経済活性化の手を打つ方が先決という立場です。いずれ増税が避けられないとしても、まず政治がやるべきことをとことんやってからにしてもらわないと、役人にまた無駄遣いされるだけと思っています。