水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・227」

2014-06-01 19:14:54 | Weblog



カルテ番号 つ・9(1)

津山雅仁の変わり目は8年前だった。
母親が他界した。
頑張り屋だったが無理が重なったのだろう。
最後は心臓が持たなかった。70歳の手前だった。
毎日弱っていく母親を見ながら、奇跡が起こるのを祈っていた。
細くなった手を握り、自分の生命が母に流れ込めばいいと思っていた。

暴力を振るう父親と離婚したのは、津山雅仁が高校卒業と同時だった。
そこまで我慢していたのだろう。
一人っ子の雅仁と相談して、逃げるように他県に引っ越した。
雅仁は東京に就職した。
時々は母のアパートに顔を出すが、以来、父親には会おうともしなかった。
父親は雅仁にも暴力を振るうような人だったからだ。
後年になり、父親のようなタイプは家庭を持ってはいけないと解る。

自分も家庭を不幸にする父親の血が半分流れている。
そのこだわりから結婚をする踏ん切りがつかなかった。
若い頃、恋人と結婚を意識すると怖気づいて破綻になる。
その分仕事に熱中し、やがて独立して、小さいながらも会社を経営している。
郊外だが家も建て、一人頑張っていた母親を呼び寄せた矢先の出来事だった。
母が入院して、これまで恩返しをしていない事に気がついた。
家庭が不幸だったから、母親孝行は常に意識していたが、実際には何もしなかった。

(登場する人物・組織・その他はフィックションです)


(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
治療・若返り・悩み相談受付中。日本中出張します。
ブログ読者は、facebookの友達承認をしますよ。コメント付きで申請して
18年間封印していた本物の「氣入れパワーストーン」を販売開始 「笑顔の雑貨屋Yakkoo」)
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「風間陽水の依頼簿(カルテ... | トップ | 「風間陽水の依頼簿(カルテ... »

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事