水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「迷解剣客商売・50」

2011-06-19 19:26:13 | Weblog



この小説はいろいろな要素が含まれている。
人間を語る池波氏は、食と性も大切にしている。
大切というのは、生きる愉しみに通じるモノでもある。
食の愉しみは、いたるところで表現されている。
質素な料理だが、一工夫で、とても美味しそうなのだ。
愉しみ方が幾つもあり、とても素敵なのだ。
食だけで、一冊の本が出来ているのだ。
(別冊「剣客商売・包丁ごよみ」)

池波氏は男だから、女の不思議さを上手く、優しく表現する。
「この歳になっても、女のことはちっともわからぬ」
だから、こはるや、三冬の可愛らしさが引き立つ。
そして、女の嘘は女の本音だから、と優しく認める。
大人の表現で、サラリと男と女の交情を描く。
食と同じように、交情を愉しもう、という気にさせる。

そして、不思議な話も幾つか描かれている。
白狐の霊が、恩返しをする話だ。
小兵衛は、何とはわからぬが、気配を感じる。
名人は、常人には感じられる気配や、勘に目覚める。
だが「そういった感覚に頼りすぎてもいけない」
平常心を崩さぬ姿勢が大切だと説く。
人の意識の脆さを知っているから名人なのだ。


        
(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
治療・若返り・悩み相談受付中。日本中出張します)
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