alternativeway

パリ、カフェ、子育て、サードプレイス、
新たな時代を感じるものなどに関して
徒然なるままに自分の想いを綴っています。

自己の力量を超えること

2011年12月22日 | パリのカフェ的空間で


 「人が呼ぶところの天才と同じように
才能は授けられたものではないのです。
それは勝ちとられたものなのです。つまり、
もしあなたが困難に立ち向かうとき、そして
それに打ち勝つ努力をするとき、あなたは自己を
乗り越えたことになり、もしあなたが安易な
領域にとどまっているとすれば、あなたは安易な水準に
とどまっているということです。(中略)

 力量を示すということ、
それは常に自己の力量を少し超えることです。」

(ボーヴォワール 『女性と知的創造』p.43)


 この言葉 は 私の頭の中にずっと残っていたけれど
専業主婦をして悶々としていたころは 少し
自分の本を開くたび に 引用していたこの言葉が
グサグサささって痛かった。だから痛かったし
怖かったから 長いこと私は自分の書いたあの熱い本が
読めないでいた。だけど 今なら 私にはこの言葉の意味がよくわかる。

 「力量を示すということ
それは常に自己の力量を少し超えることなのです、、、」


 この夏 いや 秋になっても 私は不安の固まりだった。
壁は壁にしか見えなかったし 高すぎる壁に全て囲まれていると思ってた。
だけどツアーの最中に何かが私の中で変わったようで
壁に見えていたものたちは 力量を示せるかどうかを
試されているんだ そして「壁は乗り越えられる人の前にしか
現れない」というのがもし本当なら できるから現れた と
思えばいいんだ そう思うだけですごく物事が変化する、、、

 これは私にとってはかなりコペルニクス的転換だった。


 そっか できるんだ できるから神様が与えてくれたのか。

 今日はこれを乗り越えなさい できるから

 そんなくらいに考えられたら なんだか全てが変わってく。



 私は「できない」「無理」の固まりだった。

 だけど今 よくわかるけど 毎日自分の限界を乗り越えている
毎日大きくなってきている。フランス語 に関して言えば
家族と話す意外に使ってる言語(少なくとも半分くらい?)が
フランス語になりつつあるような気がする。


 そう 私 は Paris-Bistroの仕事をやらせてください!と言った時も
今関わっている仕事全ても そういえば「やります!私に
やらせてください!」そう言って それらにとりかかり
後になって うわーこりゃかなり限界値だな、、、というのに
気づかされながら でももうやるしかない!とツアーの時のように
がむしゃらに走っていたら 道ができてた そんな感じになっている。


 フランス語 を 上達させるには?仕事で使ってみることだ!
そうせざるを得ない状況 逃げることが許されない状況というのは
人をかなり強くさせ そして成長させるんだなあ。 


 最近はフランス人とのメールでのやり取りも活発になり
彼女がすごい勢いでメールをするので 私もすごい勢いに
対応出来るように 息子が何かをしている横で バババと打って
返してみたり。そうしてメールやワードのチェック機能に助けられ
赤線が引かれたおかしな単語を ん?こうかな?アクセント?
それともこうかしらと 引いたり足したりしているうちに
なんとなくさまになってきて それを繰り返しているうちに
もしや仏検一級も受かるんじゃないか、、、そんな気がしてきたり。
上達するには?そう 学校に行くんじゃなくって 実地で必死で
使うこと。。。


 1月からはとても興味深いプロジェクトに関わらせてもらうことになり
大変だけどきっとすごい経験になるのだろうなとどきどきしてる。
フランス人のジャーナリストと一緒に仕事をしてみる経験。
そして私が?通訳をするのだろうか そう そういうことなのだ
責任はとても重大だけど きっとなんとかやれるだろう
きっと素晴らしい経験になる そうあの時のツアーのように
なんだかそんな気がするんだな。



 一体どこで 何がどう転換したのかはよくわからないけれど

 私はツアーの最中に 最大の贈り物である 「自信と勇気」を
手に入れたようであり それは私が日本で不安の中でもがいていても
決して手には入らなかった。今はそれがあり なんだか守られているような
気がしてるから うわーどうしよう!!と思っても
なんだか乗り越えられる気がする。私の人生がどうなって
どんな波に乗って行くのかは 想像があまりつかないけれど
来年はきっともっと面白くなっていくのだろう
そして私は 少しだけれど 使命がなんだかあるように思えるようになってきた
そのために は 日本とフランス 両方の視点を知ること
そしてそれを説明できるようになること
母であることも 女性であることも それゆえの苦しみを
感じて来たことも きっと糧になるのだろう


 どんな世界がこれから待っているのだろう

 まだ私にはわからないけど 私にもやるべきことがあり
道が待っているのなら そこに向かって進んで行きたい
そして私も 他の人たちも もっと幸せに生きられる そんな道を探りたい。

パリ カフェツアー vol.9 エティエンヌ・マルセルとサンマルタン運河

2011年12月19日 | パリカフェツアー


 だいぶ間が空きました、が ツアー最終日の報告です。

 前日の帰りが1時を過ぎていたからだったか
夜な夜な街に繰り出していた私たちの
疲労もピークに達していたからか
最終日 の 集合時間はいつになく遅く
確か9時とか9時半だった。この日は
当初にたてた予定は大幅にかけ離れ
予定表より記憶をもとにたどるしかない。
さて、どんな日だったかな?


 朝いつもより遅く集合してみると
あれ?なんだか パンがない。そういえば
コーヒーもない。どうやら朝食の時間を
過ぎてしまったらしい。疲れやら帰国前の
混乱やらで、時間がたっても皆が集まる気配がない。
じゃあこんなところにいてもちょっと何だから
というか 本当は私が朝のコーヒーを
飲みたいだけかもしれないけれど
「ちょっと支度が出来てる人は角の
カフェで朝カフェしましょう。で、
カフェで打合せしてみましょう」ということにして
すぐちかくのカフェに入って6人でカウンターで
エスプレッソを注文する。

 すぐにみんな来るだろう と思って
カウンターにしたのだけれど いつまで経っても
みんなはこない。どうやらEチケットをなくした人たちがいるらしく
その対応に追われているらしい。Eチケットとかインターネットは
家にいたら便利だけれど 旅先に来るとプリント1つできなくて
けっこう困る時代なんだな、、、意外とネットも使えなかったり
外国は行く前に周到な準備がやっぱり必要だ。


 今日は自由時間があるからどこに行こうかなーなんて
一人一人ガイドを眺めて空想にふける朝時間。
エッフェル塔?凱旋門?そう 申し訳ないのだけれど
どちらにも行ってなければ見てもいない。最後まで
かすらなかった人だっていたことだろう。 それが
今回のツアーの変なとこ。でも次回組むなら
1日は自由行動にしよう。やっぱり見たいもの あるもんね。


 さて、みなさんが集合してから一行はエティエンヌ・マルセルへ。
ここには出発前にキャトルセゾンの社長さんに教えてもらった
ビストロ、レストラン関係の卸の店があるらしい。ツアーの
前に下見をしたら、このあたりの再開発地区はとても素敵
だったので これはぜひとも組み込みたい!と予定を
変更させてもらうことに。朝11時ごろのこのあたりのカフェは
まだ賑わっていなかったけど、チョコレート屋さんをみたり
有名なお菓子屋さんを覗いてみたり、4つのチーズがかなり
大きな固まりでパックに入ってたった6ユーロのチーズやさんを
物色したり(ここは本当にお得だと思います!)


 この日はとにかく寒かったけど、みんなで買い食いをしたりしながら
次にいつ味わえるかわからないフランスの味を楽しんで
寒い!カフェ行きたい、、、と思えどもあまり時間もないので
カフェにも行けず、道に迷った人たちを案内しながら卸のお店へと向かう。




 エティエンヌ・マルセルの卸の店は、日本にあるような
卸問屋な感じとはだいぶ違って高級だったけど それでも
見応えはあるしグラスとか カフェで使われている黒板だとか
ちょっとした飾りなんかもかわいくて たまたま見つけてもらった
お菓子の卸の店には山ほど専門用品があり クリスマスグッズもあって
お菓子好きの乙女たちはしばし時を忘れてしまう、、、いかんいかん、
今日はあんまり時間がないのだ。お昼を食べたら自由時間に
そういっていたではないか。


 さて、この辺には山ほどカフェがあるのですが
味の保証がされてる店に行くか それともどこでもいいから試してみますか?
と尋ねた所 やっぱり美味しいのが保証されている方がいいそうで
私が気に入っているカフェまでぐるっと戻ってもらって行った。
そこはかつてこのあたりを歩きながら「どこが美味しいだろう?」
と真剣なまなざしでカフェ探しをしていたときに見つけた店で
他の店ではみんなビールとか飲み物を飲んでいるのに
この店ではなんとまあ美味しそうなものをみなさん
こぞって食べている!しかも前菜とメインまたはメインとデザートで
13ユーロ!これはない、、、!というわけで入ってみたら大当たり。


 ただ この店、ちょっと待ち時間が長いんです、、、

 というのは確証がないので言わなかったけど
やっぱり今回も長かった。時間がないのにすみません。
だけど食べるとやっぱり美味しい!サラダでも美味しくて
みんな舌鼓を打っていた。そしてこの店に来る人も
店員さんも何故かみんなカッコいい、、、


 私たちのテーブルの係の店員さんがかっこいいよねという
話をしていたら女子たちはだんだんと気恥ずかしくなり
私も意識をしはじめたらオーダーの時に目を合わせられなく
なってしまったりしておもしろかった。それにしても
フランスは男女ともにかっこいい、きれいな人が多いんだなあ
自分の魅力を存分にわかってそれを自分で引き出しているというか
ギャルソンたちにも自然体で素敵でカッコいい!という人が多く
意識しはじめるとドキドキです(笑)


 私がこの店で食べた鶏のタジン、クスクス煮込みはとても
柔らかくて今でも記憶に残るほどの優しい味だった。デザートの
クランブルも絶品で、いただいた梨のホットチョコレートがけも
めちゃくちゃ美味しい。




 さて、ワインで身体を温めコースを食べるともう3時前?
フランスではゆっくりご飯を食べるとあっという間に時が過ぎる。
じゃあ各自自由行動!でもパッサージュに行きたい人は一緒に
来てください、ということで、急遽予定に入ったパッサージュへ向けて歩く。


 パッサージュというのは19世紀ごろにつくられた
日本で言う商店街のアーケードで、ガラス屋根で覆われた
通りの両側に、時代の面影を感じさせるお店がいくつも並ぶ場所。
この時がとまったような空間がたまらない人にはたまらない!


 さて、エティエンヌ・マルセルから一番近そうなパッサージュは
パッサージュ・ヴィヴィエンヌということで、そこに向かって
歩いていると、私が広尾の図書館で学んだフランス式広場で
一番名前の知られていない、ヴィクトワール広場に出会う。
どこにあるのかわからなかっただけに感動もひとしお。
ここは円形の広場に合わせて建物のファザードも円を描くように
つくられていて、駐車場っぽくなってはいたけど、なかなか
素敵なとこだった。


 パッサージュ・ヴィヴィエンヌの前にはキラキラ感のただよう
素敵なビストロがあり、入りたい、、、!と思うものの
今日は時間がない、また今度にしよう と思って通り過ぎ
ツアー後にまた発見したけど その時(夜)は
値段が高すぎた。カフェは朝行くのが一番かしら?




 こんなキラキラ感のあるパッサージュ、なんて素晴らしいんだろう
ときめいてしまう、、、としばしボーッとしてしまう私。
一行は先に進んで行く。と、パリで一番有名な(?)サロンドテの
アプリオリ・テがあり、一番有名でいいとこですよ、と言ってみるけど
サロンドテなんて時間がないよー。あー ちょっともったいない。。。



 その先には古びた神保町のような古本屋、それからかなり
時間をつぶしてしまいそうなかわいい子供のおもちゃ屋さんがある。
時代物のポストカードを扱っているお店も通り越し、証券取引所の駅へ。
ここでもマルシェがやっていたけど「マルシェも見なくて大丈夫ですか?」
「大丈夫、先を急ぎましょう」了解です。やっぱり5日はけっこう短い
(そりゃエッフェル塔も行けないくらいですから、、、)


 さて、今日の目的はサンマルタン。ここがなんだか駅からが
ややこしいんだよね。駅を降りて勘をたよりに「おそらくこっち!」と
歩きはじめ、かわいいブティックの横を通って先の方に車の通りを
感知して、はて?おかしい?運河の上を車が通るわけがない と
思ったけれども合っていた。よかった、、、ちなみにこのあたりで
東京っぽいインテリアのカフェみたいなお店があり え?パリにも
こんな東京カフェみたいなのできたの?これ なんの店?と
思っていたらインテリアショップでした。パリはやっぱり
パリ風のカフェを保ちつづけていくのかな。


 運河がみえたとなれば隣にあるのはシェ・プリュンヌ。
トイレに行きたい人もいたので早速入り、大人数の席をあけてもらって
お茶をする。これが最後のカフェだったのかな おそらくそうです。
シェ・プリュンヌはサンマルタン界隈をひっぱっているような
すごく愛されているカフェで、美味しいし雰囲気もいいし
気楽だけどとってもお洒落でまさにパリ。このテラスもかなりいいそうです。
各自思い思いの飲み物を注文して店内を眺め回して最後のカフェを堪能です。




 それからサンマルタン運河沿いの本屋さんに何軒か行ってるうちに
あたりは暗くなってきて そう もう 夜が やってきて
ということは もうすぐ宿に帰って出発なのだ。
サンマルタンは なんだかちょっと切ない香りがするような
それは私だけなのだろうか いろんな想いがつまっているから?
この日も 一年半前も 蓮太郎と3ヶ月いた最後の日も
何故か最終日にはサンマルタンに寄っていた。なんだか不思議
そして何かがあるようで 実はあんまりなんにもないような
でもなんだか行きたくなってしまう魅力がある ぽっかりした
サンマルタンは もっと奥が深いのだろうか
私にはまだわからない。


 宿に戻ってみんながいることを確認し 荷物をもう一度つめ
ではさらば!と宿を後にし メトロの駅へ。混乱しないように
先にお金を集めて券を買っておいたので けっこうスムーズだったけど
意外と北駅に行くまで時間がかかってしまった。今日の飛行機は23時発と
いうことで 申し訳ないけれど 私は北駅までの見送りということにさせてもらってた。

 ドキドキしながら電車の到着を待ち、みなさんとの
パリ最後の言葉を交し、電車が乗る直前に次々とハグをして
笑顔のみんなを送り出す。ピーッとドアがしまったあと
残されたのは私とお財布をすられた男の子。
なんだか急に淋しくなるけどまあ仕方ない。
いきなり一人になってしまったわけじゃないし と
今度は彼のバルセロナ行きの列車のチケットを買いに
北駅をぐるぐるしながらチケットを買い 宿に戻って私たちのツアーはおしまい。


 いろんなことがあったけど まるで夢だったみたいに
あっという間に過ぎ去って だけど私が見ていた視点で
みんなもあれらのカフェや街にいったはず で
それがどういうことなのか この先何をもたらすのかは
私にはまだわからない。忙しい日本の日常で 忘れさられてしまうのか
それとも刻印のようにのこってじわじわと何かを訴えかけて行くのか
私にはわからない。でもできれば後者であってほしくて
一人一人の中に何かが残ってほしいから 私もけっこうがんばった。
あれ が どういうことだったのか そういうことは
一年だとか 二年してからわかるもの なのかもしれない。


 来年 そしてこの先に クルミドコーヒーにパリの影響は
出るのでしょうか?そして西国分寺がパリになる日は?
きっと来るのだと思います その頃私はどこにいるのか?
わからないけど もっとツアーができるといいです。
パリカフェツアー 体験してみたい 興味あるという方は
ぜひalternativeway@mac.com 飯田までご一報ください。
ご要望に応じて組めると思います。 そして来年には私も
パリに住めるでしょうか?パリでわくわくできたらいいけど。


 長い長い報告をここまで読んでくださったみなさん
ありがとうございました!!

美味しい仕事 その2

2011年12月19日 | フランスの食文化


 今日はようやく先日行かせてもらった
ワインのテイスティング会の記事を書きあげ
そういえばこのワインは日本では買えるのかな?と
調べたところ なかなか購入は難かしかったり
高級だったりするようで ネットによれば
どれも相当価値のある銘柄で質はお墨付きらしい。
ものによってはワインの有名評論家ロバート・パーカーが
五つ星をつけたというのもあるらしく
(これが私の今の超お気に入りのワイン、、、)
なんだかとっても嬉しくなった。

 だってそれらは テイスティング会場で
20以上ものワインを生まれてはじめてテイスティングして
ふらふらになりながらも どうしてもこればっかりは
吐き出したくない!もっと飲んでいたい
倒れても構わないから、、、と思ったワインなんだもん。

 私はその日 あまりに美味しすぎるシャンパーニュと
ロックフォールチーズとのマリアージュを堪能したあと
「もう明日死んでもいい」と思ってしまった。
天にも昇る心地だったおいしいものたち
そう フランスには快楽の味が存在する、、、


 それって一体何なのだろう?

 日本であんまり経験したことないけど
マクロビオティックをやってる友達がつくってくれたご飯は
食べたら身体がむくっと元気になるような味わいで
フランスで感じるとろけてしまいそうな快楽を感じる
味のものたちも 調べてみると生産者たちが
昔ながらの製法でがんばってたりとか 有機栽培を
してたりだとか そういうものが多いらしい。
ということは やっぱり細胞に訴えかけてるってことなのかなあ?
そういったものを食べると私の細胞は活き活きしはじめ
とっても嬉しい!幸せ!と喜んでいるのを感じてしまう
頭より身体が感じて そこから幸せオーラが
全体を包んでいって 踊りだしたくなる感じ?


 フランスではそんな味に出会う頻度が日本よりとても高い。
それは甘さのせいかと思っていたけど どうも質の問題でもあるのだろう
私はなんでこんなに地方の生産物の翻訳ばっかりやってるんだ、、、
とちょっと嫌になることも沢山あるけど(まだ終わらない)
Paris-Bistro.com,の仕事は あとになって
「はーそういうことだったのか!」と意味がわかることが多い。


 おそらくつまり 代表の求める「本当に美味しいもの」は
フランスでは昔ながらの こだわりのある製法で
つくられていて それらがAOCだとかIGPだとか 赤ラベルだとか
こっちからしたらわけのわからないいろんな品質表示を獲得していて
それらは本当に1からこだわってつくられてるから
食べてみると身体がとろけてしまうような
忙しくっても つい文章を打ち込んでしまいたくなるような
そんな味があるのだろう。


 私は今回本当によくわかったけど 世の中には
この人が「美味しい」といったらめちゃくちゃ美味しいという人がいる。
で、Paris-Bistroのローランが美味しいといったらそれはめちゃくちゃ
美味しいんだわ。彼のお陰で私ははずれたことがない。
10年間、私はフランスの美味しさというのを知らないでいた。
だけど最近よーくわかった フランスは美味しい。
だけどそれらに近づくのは簡単なことじゃない
だってあたりはずれが山ほどあるから。
だから店やものを知っていること 舌を信頼できる人が
まわりにいるということ それがとっても大切なんだ。


 私も今回嬉しかったのは 私が美味しいといったワインは
結構おいしく フランス人にもちゃんと勧められるということで
20何種類か飲んだ中で これはやばい、、、!!と思ったワインは
本当にお墨付きだった。それを私も舌でわかった。
そういう舌をもっててよかった。お母さん、そう育ててくれてありがとう。


 我が息子は先日ヒサダさんのチーズ王国で大好きな
チーズを試食させてもらったとき 食べる前にまず
匂いをかいでて「どういう3歳児?!」と店員さんに驚かれてた。
彼は私がワインを飲むときも自分は飲めないことはわかってるけど
「匂いかがせて!」と言ってくる。将来ソムリエになれるかなあ?

 フランスには沢山の美味しいものがある。本当にありがたいことに
私はそんな世界に関わらせてもらえている
(なんと先日試飲しためちゃおいしかったシャンパーニュは
日本では1万6千円もするそうです)

 そんな美味しいワインやチーズ、もっと日本でも伝えたい。
少人数でもいいから ねえフランスには本当はこんなに
美味しいものがあるんだよ って目を見開いてもらいたい。
フランスワイン?苦くてあんまりおいしくない?
頭が痛くなる?お高くって嫌みな感じ?そんなんじゃない
違う世界が存在している それはただ 美味しいものを楽しく愛でる
そしてそんな時間を愛おしむ それがフランスが大事にしてきた食文化。


 今は沢山吸収をして どんな形で還元できるかわからないけど
いつの日かもっと フランス?はあ?と思っている人たちに
フランスの素敵な魅力を伝えたい。

パリのおすすめカフェ10 

2011年12月18日 | おすすめカフェ

 最近ちょこまか聞かれる「飯田さん
パリに行ったらどのカフェに行ったらいいですか?」
という声にお応えして 簡単ですが私の
おすすめカフェを紹介してみようと思います。


その1 カフェドフロール café de Flore



 いわずと知れた歴史的カフェ、ですが。
私はやっぱりここが好きだし独特の神聖さが
いまでもただよっている気がします。


 フロールは1911年に詩人のアポリネールたちが
雑誌の編集部として選んだことから栄光の歴史を
歩みはじめました。彼がアトラクターとなって沢山の
人たちをひきつけ、彼に憧れた若者たちが出会って
のちのシュールレアリスムをつくっていったり。
1940年代には映画監督のジャックプレヴェール一派が
中心となって映画、舞台関係者たちが集って
そんな雰囲気がいいと思ったボーヴォワールたちも
やってきました。そして戦後は実存主義哲学者、
サルトルやボーヴォワールが集ったカフェとして
名を知られるようになりました。


 私が一番好きなのは何と言ってもテラスです。
フロールの朝の光はとても美しいし、そこで飲む
カフェクレーム(エスプレッソに泡立てたミルクを
加えたもの)と、大きめのクロワッサンがおすすめです。



 なんとなく何かが起こりそうな雰囲気がまだ
ただよっているフロール。がさがさしてるけど
私はここにこないではパリに来た様な気がしません。

メトロ 4番線 サンジェルマンデプレ
172 boulevard Saint-Germain 75006


 その2 ヴューコロンビエ Aux vieux colombier

 留学時代に行きつけにしていたカフェ。
ここのインテリアはアールヌーヴォー調で、とても
美しいです。サンジェルマンデプレだけど気取らないし
値段もそんなに高くない。ご飯もそれなりに美味しいし
カフェだけ頼んで手紙を書いたりするのもできる
人間観察をするのも出来る
私はここでいろんな出会いを経験したので
とても思い出深いカフェです。
亜鉛のカウンターもとても美しいです。


メトロ4番線 サンシュルピス駅目の前
65, Rue de Rennes, 75006


 その3 カフェシャルボン café charbon



 ここは昔はダンスホールだったとか。
年代物な感じのカウンター いつきても
全く変わらない雰囲気の店内は何だか安心感があります。
くすんだダンスホールの絵の感じとか、埃をかぶった
カクテルのメニューとか とても味わい深いです。
シャルボンは特に美味しい!というわけでもないし
夜は音がうるさいですが、何故かここでなされた
会話はいつも熱くて私の人生に大きな刻印を
残す様なものばっかりです。だから
とても思い出深いし なんとなく
オペルカンフで誰かと語りたいなら
他のカフェではなく やっぱりここを選んでしまいます。

メトロ ペルメンティエ、リュ・サンモー
109 Rue Oberkampf, 75011


 その4 シェプリュンヌ chez Prune



サンマルタン運河の横にある、なんとも素敵なカフェ。
気取らない感じの店員さん。人々の話し声でざわめく店内。
決して広くない店内はいつもほとんど満員です。
ご飯もとてもおいしくてリーズナブル。
ここのミントティーは2ユーロでとてもお得でおいしいです。
ここにいる人たちを見ているとああ パリって
活気があって やりたいことやりたいようにやってて
楽しそうだなあ!私もそんな風になりたいなあ と
つい思わされてしまいます。



メトロ5番線 Jacques Bonsergent
36, rue Beaurepaire 75010


 その5 ドーム Le Dôme



モンパルナスの歴史的カフェ ドーム。
モンパルナス大通りはバスが通ったりして
けっこううるさい大通りですが、何故か
ここのテラスにはいるとシーンとしている!
絶対的な静けさというか、目の前ががやがやしているのに
しっかりとガラスで仕切られた温かいテラスの中で
別世界に浸ることができるというのはなんとも
嬉しい気分です。ここのカフェクレーム、
本当に美味しいし、なんと3ユーロ台なのです。
パリの素敵なところはそんな小額で、すごく
素敵で特権的な雰囲気を味わってしまえることだと思います。
いつまでもいたくなる、時間を忘れてしまうようなテラスです。

 ツアーの感想でもドームのテラスが一番印象に
残ったという方がいました。そしてここのカフェクレームが
一番美味しかったという方も!同感です!!



 メトロ4番線 ヴァヴァン駅目の前
108 Boulevard Montparnasse 75014


 その6 ウェプレール Wepler



 ここは前まではお茶しかしたことがありませんでしたが
パリカフェツアーの時に行ってみたら、なんと夜でも21ユーロくらいの
コースがありました。信じられない!!しかも
めっちゃくちゃ美味しい。生ガキは絶品!火を加えた料理は
全て焼き加減が絶妙だったし、デザートのウフアラネージュ
という卵白をつかったお菓子はふわふわで天にも昇る心地でした。。



ギャルソンも今まで出会った中で一番素敵な人でした。
ここは絶対食べてみるべき!軽食をつまんだりお茶をするより
布ナフキンの席に座ってちゃんと食べるほうがおすすめです。

 メトロ2番線 プラスドクリシー 駅目の前
14, Place de Clichy 75018



 その7 ラパレット La Palette



パレットは高いし味もたいしたことはありませんが
ちょっと奥に入った席の雰囲気は格別です。
ここは国立美術学校ボザールのすぐ近くにあるので
画家たちの絵がたくさん飾ってあるので有名です。
パレットの奥の席に座ってぼーっとしていると
はて、私は今どこの時代にいるのだろう、、、と
とても不思議な感覚になってきます。



メトロ 4番線 サンジェルマンデプレ、オデオン
43, Rue de Seine, 75006


 その8 カフェゾイド café zoide



 ここはパリの子育てカフェの先進的存在らしくて
ここからいろんな子育てカフェができたそうです。
もともとは子供がお茶をするためのカフェだったそうですが
今では大人も子供も独身の人も老人もアフリカ人乳母も
老若男女はげしい多様性をもった人たちがやってきます。
朝には音楽の時間があって、うちの息子はここのピアノやら
いろんな演奏のおかげでフランスの童謡を学びました。
2ユーロ払うと子供はそのアトリエに参加でき、
好きなおもちゃでいつまでも遊んでよく、かつ
お昼ご飯が食べられる!大人は4、5ユーロかな。
このお昼がオリエンタルでクスクスとか、みたことのない
国の料理とか、たまにくたくたのパスタとか、基本的に美味しいです。
1階のカウンターではカフェも手作りのお菓子も食べれます。
本当に素敵なカフェです!また行きたいなー!!





メトロ 5番線 ロミエール、7番線 クリメ
92 bis Quai de la Loire, 75019


その9 カフェダンダストリー café d'industrie



バスチーユのマルシェの近くにあるとても素敵なカフェ。
何が素敵かというとまず内装。奥行きのある店内には
あちこちに緑の観葉植物が置かれ、黄色みがかった
時の流れを感じさせる壁には、古びた絵が沢山かけられています。
数々の間接照明。蚤の市で買って来たような沢山のオブジェや
バラバラだけど統一感のある木製の椅子などなど、、、
気負わないけどすごくセンスのいい空間なのです!!

 向かい合って3軒くらい店があるので、混んでいても
奥の奥の席などがあり、団体でも座れます。しかも美味しくて安い!
鴨のコンフィはけっこう高いものですが、ここでは13ユーロかな。
たいていのものはけっこう美味しいです。デザートもとろけるような
味わいでした。店員さんも気楽な雰囲気で、なんだか誰かの
家にいるみたい。つい長居したくなるお店です。

メトロ 5番線 Bréguet-Sabin
17 Rue St Sabin,75011


その10 ロマンティック美術館のカフェ
café de la vie romantique



 パリにはいくつか入場無料で入れる美術館がありますが
ここもその1つ。わかりにくい場所ですが、ごみごみした
パリの中でオアシス的なカフェ!しかもわかりにくい場所なので
そんなに混んでない。。。大きな木があり、鳥たちもいて
おいしい手作りのケーキに舌鼓をうちながらまったりしてると
人生は美しい、、、La vie est belle...という気分になります。
ここのレモンケーキの味は今でも忘れません。ホロホロっとした
生地でとても美味しかったです。モンマルトルの喧噪に疲れたらぜひ!

16,rue Chaptal


その他おすすめのカフェについては
キャトル・セゾンさんのホームページに書かせていただいた
「パリのカフェから広がる世界」や、カフェ文化に関するホームページ、Comptoirを是非ご覧ください。









 

パリ カフェツアー vol.8 シャルティエからオベルカンフのカフェへ

2011年12月14日 | パリカフェツアー




 パソコンの調子が悪くて尻切れとんぼに
なってしまいましたが、5日目の続きをお伝えします。



 「お菓子を沢山つくったあとはフランス流のティータイム。」
そういうわけでみんなでつくったタルトタタンにマドレーヌ、
ヘーゼルナッツのケーキに牛乳のジャムを塗ったタルティーヌ、
そしてフランス風の濃いショコラを人数分用意してもらい
席について試食開始。


「タルトタタンはね、見た目はどうしてもお店みたいには
きれいにできないけど、でも食べると本当に美味しいんだから!」
たしかに見た目はなんだかちょっと残念な感じだったけど
ファリーダが大事にしている「家庭の味」というのは
日本に帰ってから私が作った餃子のようなものなのだろう。
確かにひっくりかえしてお皿に盛ろうとしても
お店のようにはうまくいかない。だけど食べるとめちゃくちゃおいしい!
そう タルトタタンも アイスに合わせ、生クリームに合わせ
うーん ほっぺがおちそうな味。


 あまりにさらっと食べてしまえて どうしてあのとき
リンゴをもっと投入しなかったんだー  とちょっと後悔。
リンゴは10個以上あったというのに 多すぎるという判断になり
私たちはみんなして生のリンゴをかじって食べた。でもここに
その分のリンゴが入っていたなら2倍の時間美味しかったのに。。。
それくらい「もっと食べたい!!」という美味しさのタルトタタン。



 さて、フランス流ティータイム というからには会話がつきもの。
だってフランスは会話があってなんぼの国だから。
そして好奇心旺盛なファリーダは質問開始。
その質問を訳しつつ でも私も質問に答えたくなりつつ
そうしてそのうち議論がはじまり 日本におけるカフェでの
子連れのありようとか どうしたらいいものかとか
フランスと日本は子育て観がどう違うかとか
カフェで子供が騒いでいたらしかってもいいものかとか
(結局日本ではしかれないし泣き終わるもしくは
彼らが帰るまでだまって耐え忍ぶ というのが一般的ですよねえ?)
そういう話を 通訳しつつ 私も意見を言いたくなったり
ファリーダに言ったあと今度は日本語で説明をして
誰かが何かをいったら通訳 そこですかさず影山さんが英語で議論
私も英語で応じたいけど やっぱり無理なのでフランス語 という
頭がぐわんぐわんになりながら それでもなんとか?
フランス語で議論するような雰囲気をつくりだすことはできるのだ
ということがわかって実りある時間でした。つい自分の意見もいいたく
なってしまうのがたまにキズだったかも、、、でも
そうやって何かをつっつくことが議論の醍醐味な気もするのだけど、、、



 そうして「フランス流ティータイム」という なんとなく
お茶を飲んでほっとして終わりではなく 会話、議論の時間を過し
時計をみるともう7時近い。4時間をとうに超えている!!
彼女の息子も帰って来たのでじゃあそろそろおいとまします、と
お別れの挨拶をして、次の場所へ行くことに。さて 次はどこへ行こう?



 この時には私は人生初の同時通訳4時間にへろへろになっていて
疲れがピークに達してきていた。どこかでちょっと休みたい、、、と
思う間もなく、一行はシャルティエに行くことに。ほ 本当?
本当に行くの?と内心思いながらもみんなはかなり楽しみに。


 シャルティエはシャンパーニュの失敗のために行けなくなってしまっていた
有名なブラッセリーで、ギャルソンたちの動きが面白くって
とても躍動感とざわめきのあるブラッセリー。パリのエスプリが
凝縮しているシャルティエの話はParis-Bistro.comの事務所でも
ファリーダの家でも出て来ていたから 「やっぱり行ってみたい!」ということになり
こんなにもお菓子を食べたあとに本当にフランス料理なんて
食べれるんですか??と真顔できいたらみんな「別腹!」とのことだった。
なんという食いしん坊(こういうのをフランス語ではグルマンという)!



 普段はかなり並ばされるというこの店だけけど 運良く9人?
もしくは間違えて8人?のテーブルがあり、通されてみると
店員さんたちがなにやら言い合っている「ここは9人じゃないだろう
他の場所だよ」うんたらかんたら、、 どうみても9人がけでは
ないけれど これでもか!!というぐらい隙間をつめられ
無理矢理入れられた席で すさまじい喧噪の中メニューをもらい
メニューを説明。大きい駅の構内のような店内は 文字通り
ギャルソンは走り 人々は大声で語り合い 声と声とが
ぶつかりあってて小声では何も聞こえない。仕方がないので
私も大声を出してメニューを説明。疲れてたって仕方ない!





 さて、この店のギャルソンは愛想がいいんだか悪いんだか
もってきたワイングラスは何故か小さいグラス。「ちょっと
もう普通のサイズがないんだよ。どうせいいだろう みんなで
わけたらちょっとしか飲めないんだから」とかなんとか言って
私たちを納得させる。注文をしはじめると ぎょっとするのが
この店は白い紙のテーブルクロスのはじっこに注文をなぐり書きしていくのだ!

 それをみて影山さんは「それって効率的なの?」という
それからのギャルソンの姿をみてるとどう考えても
効率的なわけはなく それなら日本のファミレスみたいに
ピッピッと押して注文が即厨房に届く仕組みの方がいい。
でも影山さんの指摘曰く、この店には「話しかけさせようとする
仕組みがいたるところにある」んだそうな 別に
話しかけないでもいいのだけれど(なんせ彼らは恐ろしく
忙しそうだ!)誰しもがこの紙になぐりがきするという行為に
驚き つい言葉を発しないわけにはいかない。しかも
最後はそれをびりっと、つまりテーブルクロスの端っこを
べりべりやぶってそれをレシート代わりに手渡す。
そんな仕組みがこの21世紀にあるなんて!!




 そうしてつい言葉をかわして ギャルソンとも
隣の人とも目配せをしてなんとなく仲良くなっていく。
そんなコミュニケーションを楽しんでしまう
それがフランスのエスプリなんだ。

 私は以前来た時驚いたけど 4人がけのテーブルに
4人座っていて 最後に1人だけ残されていた。
あれ?どういうことだろう?と不思議に思っていたけれど
なんと彼らは3人と1人の相席だったのだ!!
そしてなんとなく一緒にしゃべってしまう
うーんそれは美味しそうとか すごいボリューム!
こんなの食べられるかしら?とか
このギャルソンの対応はちょっとねえとか
そういってクスクス笑う それがフランスの楽しいところ。



 さて、意外にも早いスピードで運ばれて来たご飯はどれも
みんな美味しい!!そしてバカ安。前菜とか3ユーロもしなかったり
メインも10ユーロ前後だったり。私ははじめてきた時
この店は値段の単位が何か違うのかと思って目を疑ったのを覚えてる。


 さて、こんなざわざわした雰囲気でギャルソンと
楽しみながら会話をかわし、美味しい料理とワインを
飲んだりしてると 嫌がおうにも疲れもふっとび
元気になってしまう。環境の力って
こんなにも人間を作用してしまうのか!と本当に
おそれいりまいた。シャルティエにはみんな身体で驚いたらしく
「本当にこれてよかった!!」という人続出の素晴らしい店でした。




 それからは夜のオベルカンフへ。といってももう確か
22時ごろ?パリの夜は長い。。。


 さて、ガイドの話がはじまったカフェ、シャルボンの前を通って
でも振り返りをしたいということなので、比較的穏やかなカフェ、
ロートルカフェに行くことに。こちらは夜でもゆったりしていて
ハーブティとかを飲んでいても平気な感じ。広々として素敵です。




 ここでしばらく影山さんの提案のもと、みんなでツアーの振り返り。



 私はお話をききながら、わーみんな1日目と表情が全然違うし
日本でパリの話をしていた時とは積極性が全然違う、、、それに
お店で働いているこの人たちが自分の肌で感じて自分で
「カフェにおけるギャルソンの役割 意味合い」を感じてくれて本当に嬉しくなった。

 それは日本でいままで目にしてきたものとは全く違うタイプのものだけど
だけどこのパリのギャルソンたちの振る舞いこそが
パリのカフェという空間を彩っていて 彼らがお客さんの
気分をもっと心地よくというかちょっとアップビートにさせて
活気があって あたたかな 居心地のよい空間をつくってしまうことに
ちゃーんと貢献しているんだなあ っていうことを
みんなが自分で体得できた それがすごいことだと思った。


 私も今回こうしてツアーをするまでは ギャルソンの意味合いが
正直よくわかってなかった。日本的観点からすると「ぶっきらぼうで
ちょっとやな感じでサービスが悪い」ようにみえてしまう
パリのギャルソン達は また別の観点からみると
とても魅力的に見えて来て 私も今回は彼らと相当コミュニケーションを
したおかげで コミュニケーションをとろうとしてこそ
楽しいんだなあというのがよくわかった。

 そう フランスは受け身でいては楽しくないし辛くなるだけ。
積極的に 自分からコミュニケーションをとりはじめたら
知らなかった世界の扉を開いてくれる そんな国がフランスなんだ
だから会話と会話力 コミュニケーション力が大事で
それが日本ではかなり欠けるものだから パリ症候群にもなるのだろう。



 オベルカンフをぐるぐるしながら最後ロートルカフェの前 で自分で納得しながら 
私は言った。「だからつまり カフェから時代は創られる っていうのは
人と人とのコミュニケーションだったってことですね!」

 そう コミュニケーションから何かが生まれる 積極的な出会いから
一歩進む出会いから 何かが生み出されて行くわけだ。

 

 カフェは予期せぬ出会いに満ちてる。パリのカフェでも
西国分寺のクルミドコーヒーの店内だって 予期せぬ出会いで
満ちている。そんなこと が起こりうる場所 そうして人生が
前より上向きになっていく場所 そんな場所がカフェなんだ。
ひとつだけ 一歩だけ前にすすむこと ほんの少しの勇気をもつこと
そこから扉が開かれていく 目の前にあったけれども
気がついてなかった扉が。


 フランスは私に勇気をくれた。フランスで得た経験や自信を
ちゃんと日本で活かしたならば きっともっと 前に進んで行けるんだ
私たち には あんまりなくて だけどきっとあったらいいもの
きっとあったら もっと人生が素敵にキラキラしそうなものが
フランスには一杯あるように思う それはファリーダのような
素敵な暮らしだったり 個性的で居心地の良いカフェであったり
コミュニケーションに満ちたビストロだったり
そんな出会いのある暮らし それってやっぱり素敵だなあ。

ーー追記ーー

 クルミドスタップの北村さんがシャルティエの感想を
クルミドのブログに書いてくれています。「空気」よかったら読んでみてくださいね!

 

東京で哲学カフェ

2011年12月12日 | 哲学カフェ



 「ミキの話でいくとねえ それはつまり
フランスで言ったら友達がいないっていうことになるけどね?」


 フランスで泊まらせてもらった友人宅で 色んな話
日本での苦しさやいろんな想いを吐き出していたら
そんなことを言われてしまった。こういう話の経緯もあるのか
次の日に一緒にいった哲学カフェで彼が投げかけたテーマは
「友情というのは一体どう判断できるものなのか?」
なんだか昨日の夜の会話の延長のように私には聞こえ
そんな話がこうして50人くらいの頭で考えられて
また1つの文脈をつくるかもしれない
会話や疑問を投げかけること そしてそれをどこかでまた
つなげていくことの面白さを 個人的に感じた哲学カフェだった。


 さて、私に友達はいないのだろうか、、、と
ちょっとショックを受けていたけど そんなことない!
いたいた、よかったー と思えたのが今日の夜 で
3年ぶりに集まった早稲田のセオリゼミの集まりだった。


 ゼミの子の一人がもうすぐ結婚するというので集まろうという
その会は6時半からで渋谷で予約したと書いてあったので
セオリゼミといえどもさすがに居酒屋に行くのだろうと思っていたら
なんと会場は喫茶店!しかも長いこと入ってみたいと思っていたけど
高級そうで入れなかったいわゆる高価な雰囲気の喫茶店。
そこを予約したなんて!ってか喫茶店って予約できるの??
(ちなみにクルミドコーヒーも平日は予約できます)


 通されてみるとクラシックな雰囲気でロイヤルコペンハーゲンやら
高級なお皿の飾られたその喫茶店はコーヒー1杯900円。
お値段はするけどなかなか素敵。高いといっても飲み会に来たと
考えたら安くも思える。そこで我等は語り合い なんだか
とてもいい会で 閉店間際?おそらく過ぎても語り合ってしまってた。


 これだよこれ これが哲学カフェなんだ、、、
テーマなんか設定しなくても 各自が思い思いの
テーマを即座に投げかけて みんなが受け止め
それについて返せる人が返して行って それから
また別の話題に移ってく。こーいうのが頻繁にあったら
どんなに毎日楽しいだろう。インプットしたことを
こうしてカフェで共有しあって 考え合ってどこかへ進む
思いもよらない誰かの意見が場をはっとさせ
そこに誰かがいいヒントを与えてくれる
そんな場 が あったらなあ
そういう時が 日本のカフェでも起こって来たのは
大きなテーブルがあるカフェで コーヒーを飲み
5人以上の人たちが ある程度共通の興味を持ってた時かなあ


 そういえばかつて京都の進々堂で朝カフェをして
8時半くらいに集合して語り合った2時間はとても熱くて有意義だった。
今日も4時間以上いたけれど 話題は尽きることなく
アイパッドの話になったり 電子書籍の話になったり
連合赤軍の話をしたり 日本人の自信のなさとか
美が果たす役割だとか 自分を美しく大切にすることの意味あいだとか
問いを投げかけることの大切さだとか 日本ではまっとうなことを
言っている人が狂人扱いされやすいのは何でだろうとか
占いがイギリスでは価値が低いことだとか
最近読んだ本の話だったり いろんな話があっちから
こっちからやってきて ようやく私も
日本で議論できる人たちを見つけた!!!と
思えて嬉しくなった。そしてみんなも嬉しそうだった。


 フランスではね こんな場が 週に1回くらいあるんだよ
そしたらすごい楽しいと思わない?3年にたった1回じゃなくって
こうやって意見や情報を交換しあうの。 何人かで夕飯を共にしたり
それで政治の話をしたり 社会が今どうなっていて
これからどうなっていくのだろうかという話をしたり
私はどうなってしまうのかわからない2012年に向けて
一人きりでいるよりも こうして人と意見を交す
そうして時を共有している それがすごく大切なんだと思うんだ。


 こんな時 が 無理矢理「哲学カフェです」といわなくっても
設定できる 自然に議論になっていく それが本当は一番素敵。
だって昔のカフェに集った彼らがやっていたのは
まさにそういうことだから。議論というのは言葉さえできれば
できるというものではないけれど それなりの共有知とか
漠然と見ている世界が似ているときこそ 面白くなると思うのだけれど
そんなことが もっと頻繁になったなら
そりゃあブルトンが楽しんだように 思想の共有はとても楽しい。


 私はフランスで見聞きして来たことを日本語で伝え
たっぷりと日本人と議論をしていろんなことが見えて来たら
またそれをフランスで伝えたい。そしてどんどん書いていきたい。
それでみんなと議論がしたい。どうしてこうなっていったか
これからどうなっていったらいいと思うか
いいところもあれば悪いところもあるなかで どういう風に
なっていったらもっと幸せを感じて生きてられるか
個人的には 私の場合はカフェやなんかで飲み物や
食べ物を食しながら議論をしている ただそれだけで
それ自体がとても楽しいです。


 そうしてそれが何かをつむぎ 

 そうしてそれが何かをつなぎ

 そうしてそれが何かを生み出すかもしれない



 私があのとき衝撃を受けた映画が
誰かが発したその一言が 誰かの頭や心に残って
誰かがそれをもっと掘り下げ それが誰かにまた響くかもしれない
その一言はね あのときあの場から出て来たんだよ
あの時まではなかったんだよ
そう思うだけで面白い そうして何かが紡ぎだされる
それが議論と 考えることの面白さ
誰かが何かに影響をあたえ バタフライの羽ばたきのように
それがどこかに響いてく 世界ではそんなことが起こりうる
議論はそれを促進していく 



 そうして何故か不思議なことに


 そんな議論はカフェで起こる。


 「8人とかじゃさ 居酒屋では一緒に会話することが不可能だよね」と
友人の一人が言った。たしかにそうだ。居酒屋では
盛り上がっても4人までが限度のような気がするけれど
フランスでのディネでの議論や こういったカフェでの議論は
8人くらいでもいけるんだなあ そして議論は一対一より
4人以上が面白い。一対一だとちょっと喧嘩っぽくなってしまったり
話も尽きやすくなるけれど 4人を超えると話は適度に
抽象的になってくれるし面白い。
ワールドカフェも 哲学カフェ的な「場づくり」なんて
ほんとはいらないカフェでの会話。
こんな場が ぴょこぴょこ頻繁に生まれていったらいいのにな
クルミドコーヒーでも来年から哲学カフェ的な場を開催するらしい
それはどんな場になるのだろう 60人規模でやるより
かつてマルクソーテがやっていたように8人や11人の少人数で
1つのテーブルを囲んで話す それが本当はいいのだろう。


 「カフェに入った後と前とでは4倍頭が良くなっている」
モンテスキューがそういったのは カフェには議論があるからです。
それは一人で本を読むからでもおいしいハーブティを飲むからでもなく
誰かとの議論で高みに向かって行くからなんだ。そんな経験を
できるカフェ が もっともっともっとあったなら
それは絶対面白い。あーもっと そんな場がほしい!!


パリ カフェツアー vol.7 Paris-Bistro質問会とパリジェンヌ宅の料理教室

2011年12月10日 | パリカフェツアー


 ツアーが終わってほっと一息、ようやく
Paris-Bistro.comの事務所を訪れた日に
事務所の前で美人に声をかけられた。
「ああ、ミキじゃない!」「? ああ、ファリーダ!
誰かと思った!なんだかいつもと違うねえ」
「今日は撮影があってね それで化粧をしっかりしてるの」


 ファリーダは何の偶然か運命か 私が
事務所の帰りに息子を遊ばせていた公園で
出会ったまばゆいほど素敵なフランス人で
こんな人と出会えるんだったらママでよかった!!と
心底ママであることを感謝してしまった素敵な人だった。
彼女はよく旦那さんとも公園に来ていてものすごく素敵な
カップルで 私は彼らを見る度に憧れていたのだけれど
そんな彼らは日本が大好きとのことで 私たちにも
興味を示し 最後には食事に誘ってくれたほどだった
(時間がなくて実現されなかったけど、、、)




 さて、そんなファリーダは料理研究家でテレビにも
出ていたという情熱の人らしく、彼女といろいろやりとりをして
今回のツアーで料理教室を開催してもらうことにした。
それで事務所の前で感想をちょっときいたら
「まあ本当に素晴らしかったわ!日本人って本当に素敵ね
彼らはみんなモチベーションが高くて吸収しようという気があって!
フランス人むけにもアトリエをやったことがあるけど
彼らったらね お金払ってやってくるのに「うちでは
こんな風にしないな」とか「まあこれはこういうものだよね」とか
なんか知ったかぶりしてちょっと嫌な感じなのよね!
そんなんだったら家にいたらっていってやりたいわ!」と
面白い会話がはじまって あーこういうフランス人っぽいところ
楽しいなあ 好きだなあと思いながら聞いていた。



ファリーダとは何故かやたら話があって 同じ母であり
自分の道を追求しようとして本を書いたりもがいている
彼女は私にものすごく勇気をくれた。
これからも 彼女から学ぶことはものすごく多そうだ。


 「あのね偶然っていうのはないのよ 私達が出会ったのも
きっと何かの運命なのよ、、、」そう言ってくれたファリーダ。
不思議なことに 彼女の話す言葉は一言一句としてわからないことは
ないくらい そして話す度に「ミキは会う度にフランス語は上達している!」と
言われるくらい 彼女とはウマが合うのか話がしやすく いつまでも話していたくなる。
そんな人に出会えてよかった 彼女が勇気を与えてくれて
それで私も強くなったと最後にお礼を言ったら彼女は涙ぐんでくれいていた。
そんなファリーダの料理教室 そして5日目のお話です。


 

 「パリに行ったら朝のセーヌ川を散歩してこいって言われてるんです」
という影山さんの一言で なんとかセーヌ川を予定に組み込み
5日目は小雨のセーヌ川でスタート。サンミッシェルから少し歩いて
かなり寒いしもう上がりましょうかといって、Maison Kayserのある通りへ向かう。
kayserで盛り上がりながら みんなパンやらフィナンシェやらお菓子を買って
うう寒い!ということで 早速一軒カフェに入った。とにかく
この日は寒かった。ここのカフェは私がまあまあ好きなカフェで
テラスは普段は喫煙なのに、禁煙にしてあげてもいいよと言ってもらって
12人で入れてもらった。おいしいリシャール社のカフェクレームには
ビスケットも一枚ついていて これがカリカリしていて美味しい。
同じものを日本で食べるとなんだかあんまりおいしくなくって
湿気ているのは気候の違いのせいなのだろうか?
私はこのコーヒーにビスケットがただでついてくる店というのが
お得感があって大好きなので そんなのどうですか?と
影山さんにすすめてみたり。あのカフェには一枚のクッキーが
とても似合いそうな気がするのだけど。




 さて、それから常設マルシェで賑わいがあるかな と
思われていたムフタール通りに行ってみたけど
月曜日なのにけっこうお店がしまってた。日曜があいているのかな?
私が以前みたときの活気とはだいぶ違って人通りも少なくて
あれ、これはあんまり面白くない、、、と時間もないので
どこかで食べて先を急ごうと思っていたら 途中で
信じられない値段のキッシュ屋さんを発見!
なんとイートインで飲み物ついて5ユーロだって。
しかもキッシュとタルトは全て手作り。ありえない。
みんなで賛成!ということで さっそくこの店でお昼ご飯。




 こぢんまりとした学生街らしいこの店は 手作りの
ジンジャードリンクもあるらしく たいていの人は
それを頼んで 大振りのキッシュをほおばり満足げ。
パリでは意外とキッシュをイートインで食べれるところはないし
ここは本当に種類も多くて美味しかったのでおすすめです。
お腹に余裕さえあったのならば 甘いタルトも食べたかった!
でも今日は料理教室で甘いものがたっぷり待っているのです。


 さて、お腹がほっとした後は急いでメトロにのって
Paris-Bistro.comの事務所へ向かう。ここで代表に
いろいろとパリのカフェに関する素朴な疑問を
ぶつけてみようというわけですいうわけです。
着いてみると代表はびっくり。「こんなにいるの!!
2人なのかと思ってた。」彼は私の発音が悪かったために
12人を2人と聞き間違えていたらしい。「まあでも
入って入って」と驚きの12人を迎え入れ
「うーん12人分のコップはないな でも
お茶をいれよう」とか言いながら 質問会がはじまった。


 ここで私は急遽通訳をすることになったので
あんまり質問の内容を具体的に覚えていませんが
でたものは確か「パリのカフェの家賃はどれくらい?」とか
「パリのカフェのギャルソンの給料はどれくらい?」とか
あと、、、なんだったかなあ こればっかりは
他の人のメモがみたいです(泣)

 質問をして答えをきいて みんなかなり興味深いげで
一旦は代表の答えに「そんなに安いの!」とか「そんなに
高いの!」とか驚いたりもしたりしながら でも
フランスのしくみを彼が説明していくと あーまあ
日本とあんまりかわりはないのかな とか フランスでも
個人経営のカフェはどんどん減ってるんだなあとか
そいうことがわかったそうです。(ちなみにパリ市内で
今個人経営の小さなビストロ、カフェは6000軒なんだそうな
意外と少ないですよね!チェーン化に入ったもの(クーポールとかも)
は含みません。)


 あとみんなが印象に残ったらしいのは フランス人にとっての
ビストロ、カフェの使い方かな?彼らにとってはビストロは
伝統があってくつろげる場で、老若男女誰でも行ける。
リラックスできるからこそ、契約を結びたい時に使われたりも
するそうな。相手もこちらもリラックスしていい関係を結びたい時
ビストロはレストランよりいいそうです。いつでも行けて
だいたい知ってる安心したメニューがあって 気軽で気楽な
街のカフェ そしてビストロ それらは誰かとのいい出会いの場。
そんな場所 まさにサードプレイス!なそんな場所 のある暮らしって
本当にいいですよねえ、、、日本に帰って何週間かして
ものすごく恋しくなるのはこういうビストロ的フランスの
コミュニケーションなのかもしれません
(代表はビストロにいくとものすごいコミュニケーションしまくってる
もちろんジャーナリストで仕事を兼ねてというのもあるだろうけど)



 さて、急いでまた事務所を後にして 今度は今日のハイライト
ファリーダの家の料理教室。事務所の前の公園で出会っただけあり
事務所から5分もかかりません(ちなみに17区 なかなかいい地区です)


 さて、ファリーダに迎え入れてもらい 今度は私は同時通訳!
人生初の試みでしたが、彼女とならやれるかもしれない、と
思ったらなんとかできました!


 今日のメニューはプルーストのマドレーヌ、ハシバミの実と
オリーブオイルを使ったケーキ、タルトタタンに自家製ココア、
牛乳のジャム。それでフランス風Tea Timeを楽しもうということでした。




 料理を作るごとにその料理の説明をして、それから調理に
入っていきます。プルーストやらタルトタタン、知っててよかった、、、
本当に今回はParis-Bistroの仕事に多いに助けられました。
なんでこんなの訳すんだろう?どういう意味?と思っていた様な
ことの多くが フランス人にとってはかなり大切なものだったんだと
今回の旅で思い知ることができました。あそこであれだけ
訳して勉強してなかったらこりゃ説明はできなかった
そうタルトタタンはタタン姉妹が失敗してつくったお菓子なんだよね、、、


 とはいえ本当のタルトタタンを見ると日本でタルトを
見慣れている私たちからすると?という感じ。これがタルト?
だって生地が上にきているんだもん なんだかとても変な感じ。
「タルトタタンはね 家でつくるとどうしたって見た目は悪いの
お菓子屋さんと同じようにはできないわ。でもすっごく美味しいんだから!!」
無農薬のリンゴをたっぷりつかってキャラメル化させてつくった
タルトタタンはとっても美味しかったです。


 それからハシバミの実とオリーブオイルをつかったケーキは
ほどよい甘さで口当たりもとても軽やか。フランスで重いものに
慣れてしまった私の胃はとても喜んでおりました。これは
また息子と作りたい!のでハシバミの実(noisette)が
手に入ったらやってみようと思います。


 プルーストのマドレーヌは、マルセル・プルーストの『失われた時を
求めて』の中で、主人公があるマドレーヌを口にしたとき、少年時代の
多くの出来事が眼前にぐわっとよみがえってきたという話で有名で、
今ではフランス語のひとつの表現として、「子供時代を想起させるもの」
としてつかわれているそう。このマドレーヌもふんわりとした口当たりで
とても美味しかったです。




 to be continued...


パリ カフェツアー vol.6 哲学カフェとマレ地区

2011年12月09日 | パリカフェツアー



 さて、いよいよツアーも終わりの方に近づきました。
それでもやっぱり毎日がハイライト。11月27日、この
日曜日のメインはなんといっても哲学カフェ。
ここに影山さんと来たかったのです!!


 その前の週に哲学カフェに参加して、この人数と
熱気の中では4人くらいが限度かなあと思わされ
(いつも60人くらい来ていて席取り合戦になっている)
哲学カフェはどうしても行きたい人だけ!あとはみなさんヴァンブで
蚤の市を楽しんでください、と言ってみたけど
フタをあけてみると参加者は六人くらい。つまり半分が哲学カフェ。


 ちょっと大丈夫かな?と思ったけれど早く行けば
席は見つかるものなようでなんとか入れてほっと一息。


 この日はカフェに詳しい友人のすすめもあって、
朝バスチーユのマルシェの横にあるカフェで朝カフェを
してみるのがおすすめだよ、と言われ 急遽それも
組み込んでみた。私の大好きなバスチーユのマルシェの横には
本当に素敵な一角があり、そのカフェにはじまり、
イタリアのお惣菜屋さん、こだわりセレクトのワイン屋さん、
とてもかわいいパン屋さんに、奥にはカフェダンダストリーが
立ち並ぶという なんだかそこにいるだけで幸せな道があるわけです。




 朝ご飯はこの日ばかりは宿でとらずに
(でもかなり素敵な朝ご飯がでるんですよ!)
ここまで待って、みんなで朝食セットやらタルティーヌ
(バゲットにバターやジャムを塗ったもの)やら
クロワッサンやエスプレッソなんかをたのんでほっと一息。
憧れてた割に 入ってみると特にどってことないカフェだったけど
ここでマルシェ帰りの人や売り子の人たちがちょっと
一杯やりにきている そんな姿が本当に素敵なんだなあ。
影山さんは朝カフェに感銘を受けてたらしく
クルミドでもぜひ朝時間を!と盛り上がってきたそうです。


 さて、10時半に間に合うように急いで歩いて
バスティーユの哲学カフェ、カフェデファールにご到着。
うわっ やっぱり席がない!と思ったものの、トイレに行こうと
席を立って奥に行ったら奥の方は空いている。一度も
行ったことはないけど、みんなで寄って固まっていられるのなら
そっちに行こう!とダッシュで席替え。それから
哲学カフェはだいたいこんな流れで、と説明をして
数分もすると始まってった。さて、通訳は可能なのでしょうか、、、




 はじまってみると今回のテーマは相当難解!!
いつもだったら1時間もすればだいたい話の流れが
みえてくるけど 今回はそうとう「理解しなければ」という
付加がかかっていたにも関わらず難かしかった。
テーマは「秩序と正義」についてで、哲学的には
クラシックな問いらしいけど、正義のもとでの戦争だとか
秩序をもたせるためにはそれなりの大義名分が必要だけど
どこまでだったら統制しても構わないのかとか
でも統制力のない社会では不正義ばかりがまかり通ることになるとか
かなり抽象的な議論があっちにいったりこっちにいったり
言葉をとらえなおしたり 言葉をさかさまにおいてみたり
もうこうなるとフランス語の詩の授業のようで
そうとう何を言っているのかわからない。

 私はフランス語が理解できなかったのだろうか?と
かなりへこんでしまいましたが、その後出会ったマダムとは
普通に会話ができたので、やっぱり哲学的な問いや
話をするときに使う言葉の用法というのは独特なんだなあと
思いました。フランス的洗練さの最たるものというか、、、


 だからこそ 哲学カフェは フランスを理解する上で
すごく面白いとは思うのだけど。ちなみに前回「哲学が
現代に果たしうる役割はあるのかどうか」みたいな問いで
哲学する、思索する とはどういう意味かを知ったのですが
それは「通常そうだと思われている価値観に、そうじゃないと
言う、疑う」ことなのだそうです。それってまさに
フランス的価値観で、だからオルタナティブがありうるというか
少なくともそれを模索することを良しとしている
だからそれが発見される可能性も大いにある、そんな国が
フランスなのかなと思いました。




 そう だから 私がやったこのツアーも
言って見れば「哲学する 「フィロゾフェ」する旅」だとも
言えるのだなあと思って感慨深くなりしました。
だって日本で当たり前だと思っている価値観だけが
当たり前なわけじゃないって それを見てもらいたいわけだから
そこに揺らぎが生じて何かがぐらりときて崩れて行く時に
それは危険なことなのだけども 何かが生まれることもある、、、
(複数の生がひょっこりと顔をのぞかせるところから
創造がはじまる、、、それは通常の日常に混乱をきたすかもしれないけれど)
そんなことを 10年前の留学で 価値観をどっさりと崩された
私は身体で学んだ気がします。(あまりに痛かったのは事実ですが)


 さて、そんな哲学カフェが終わって、私なりに
一生懸命わかったこととか、フランス的価値観と
日本との違いとかを説明し、なんとなくみんなも
わかってくれたようなのでちょっと一息。それから
参加者の男の子が愛用のポラロイドで店員さんの姿を
撮ってみたり。私だけでなくこの店にくるけっこう
多くの人はこの店の店員さんの対応のやな感じさに
腹を立てているようですが、意外と人間だったんだ!と
温かい一面をみたりしました(でも次の週一人で来たら
やっぱり冷たかった。団体でくると何か対応がいい)




 その後は蚤の市組と待ち合わせ、バスチーユの
マルシェでぶらぶら歩き。お昼ご飯を買ってみたり
誰かと一緒にだべってみたり 私はなんだかやたら
熱く語ってしまってお昼を買うのも忘れてました。




 それからおすすめのカフェ、カフェダンダストリーに
全員で入る。このカフェは向かいあって3店舗くらいあって
中に入るとやたらいろんな空間が広がっていて 今回も
奥に案内されて へーこんな空間あったの!と驚きました。
それでも店内はほぼ満員。それもそのはず、ここは
インテリアのセンスもすごくよく、照明は間接照明が
そこかしこにあってかっこいいし、植物もたくさんあって
ちょっとオリエンタルな感じだし、これでもか!と飾られている
古びた肖像画も、黄色みがかった壁も全てが心地いいのです。
お洒落なんだけど気取らない、自然体な自分でいられる、
まさにパリの良さを体現しているような現代のカフェ。



 しかも値段が安くておいしい!私は鴨のコンフィを
注文しましたが たしか13ユーロくらい。他の
メインも11ユーロくらいでいくつか選べて驚きでした。
それに団体でわんさか注文したにもかかわらず
でてきたのもすごく早かった。みんなどれもこれも
美味しい!これも食べてみて!!といって
たくさんまわし食べしてました。


 心地よくってつい時を忘れてしまえるカフェダンダストリーの
後はお待ちかねのマレ地区へ。マレでは自由行動を
沢山しようと思っていたものの、結局みんなの
行きたいところがだいたいかぶっていたりしたので
自由行動はちょとだけになってしまいました。


 バスチーユを抜け、石造りの美しいヴォージュ広場に行って
「そういえばここで素晴らしい経験をしたんです。この
空間でオペラを歌っている人がいて、、それが石造りの
壁に響いてものすごく感動的だったんです!」と話していたら
そのまさに2分後くらいにその人がそこにいた!!なんとまあ!




 あまりの感動に彼に話しかけてみると喜んで歌ってくれる。
私はといえば、ガイドをしないといけないというのに
この時ばかりは我を忘れて感動にふけり どうしても立ち去れませんでした。
本当に素敵な時を過させていただきました。ありがとうございました!!


 パリってね こういうのが街角にありうるからいいんですよ、、、と
感動しならがら話していると、今度は街角のジャズ隊発見。ここでも
みんなで立ち止まる。ジャズのグループのおばあちゃんはみんなの前で
踊ってて「これが夜だと一緒に踊りだす人もいるんですよー」と話す。
そういうパリの雰囲気がたまらなく私は好きなのです。夜のシテ島、
サンジェルマンデプレなんかで 音楽に合わせてつい男女が
踊りだす。そう ここは音楽で満ちている街。先日なんか
サンミッシェルの噴水の前に本物のでっかいピアノを持ち出して
生演奏をしている人がいた。彼らのレベルのよさといったら!!
さんざん私も日本の街路で足をとめてきたけれど やっぱり
全然違うんだなあ、、、


 ウィンドーショッピングをしながらようやくカフェの立ち並ぶ
(といってもどこもかしこもカフェだけど!)ヴィエイユ・ド・タンプル通りに
行って、自由行動にしたらこのあたりのカフェに入ってみてくださいねと言う。
それからクルミドの人たちが見たがっていた、カフェマメヒコの
モデルになったというパンコーティディアンの前まで行って
じゃあ解散!と自由行動。私は女性陣3人についていって
ポンピドゥセンターをちらっと見たり、またその前でやっていた
マイケルジャクソンの踊りをやっている人に釘付けになって
あーここに蓮太郎がいたら!!と思ってしまったり
レペットというバレエ用品屋さんに行ったりしてたらもう時間がない。


 それでフランス人が大好きなカフェ、フェールアシュバルという
カウンターが有名が古き良き感じのカフェに行ってみんなで
カウンター初体験!これがまた、良かったですねえ、、、!
時間がなくても 3分しか残されてなくても ちょっと一杯
カフェに入れる そんな一瞬の気分転換を 雰囲気のいい店でやれる
それがパリのカフェの素敵なところ。
眠気覚ましにたったの150円くらいで入れる それで
5分で出て行ける そんなカフェが日本にもあったらいいのに
と思って今日探してみたら 日本ではそれが缶コーヒーだという
事実に気づいてちょっと衝撃的。




 さて、急いでパンコーティディアンに戻り、のんびりと
お茶をしながら、影山さんと、もう一人パリツアー企画で
盛り上がってた人と一緒にこれからどうしてったらいいかなあという
話をしていて、旅行代理店?とか何をすべきかの話をしていたまさに
その時、本日の壁がやってきました。「T君がお財布をすられました!!」


 ・・・。。。 


 ついに来たか、、、、


 ここは冷静にならなきゃいけない。影山さんのガイドをかりて
とりあえず大使館に電話してみる。ハイ日曜だからお休みです。
警察は?日曜の夜のパリ、最悪だ、、、やっているのか、、、
知人たちにかたっぱしから電話をかけて近そうな警察の場所を教わり
すられたT君を連れてそこまで行ってみることに。
それから我等は3時間くらい警察コースになりました。


 誰もが言う通りパリはスリの多い街。口をすっぱくして
気をつけてくださいねと言ってたものの、彼はかなりの現金をお財布にいれていて
それがそのまますられてしまった。もうそうなったら戻ってこない。
諦めるほかにないとフランス人はみんな言うけど 
一応警察で届け出だけは出しておこう。
警察で待ちに待たされ、ちょっと文句をいったら何故か
上にあげてもらって(どうしていつも交渉をすると余地があるのだろう?)
調書を書いてもらって一見落着?でもないけれど、、、


 夜のサンミッシェルを2人で通り すられたらしき
現場へ戻り 何と言ったらいいものか カフェでお茶でも
するのがいいのか それとも早く宿へ戻るべき?でも
どうしてこんなこととになったのだろう、、、と言葉少なになる2人。


 宿の直前まで来てみて「でももしかして 今は全て失ったかのように
見えるけど 本当は何かと出会う 人生が変わり始めるサインなのかも
しれないよ。そういえば私も全てを失ったと思った時に何かが
はじまっていっていたことがある、、、」と急にそんな言葉がでてきて
彼もなんだかそうかも!と思ったらしく 2人は急に前向きになり
じゃあ門出かもしれないから祝おう、とワインをごちそうすることにして
近所の店でワインを買って宿に帰ったらなんとごちそうが待っていた!!


 そこにはワインに美味しそうなごはんの数々 そして
あたたかいみんなの笑顔が待っていて 私もハッピーバースデーを
歌ってもらい(ツアーの直前に誕生日を迎えたのです)「今夜は
お腹が減っても何も食べるものがない、、、」と暗くなってた
2人の気持をみんなが吹き飛ばしてくれました。本当にありがとう
ございました。もともと生きる力の強そうなT君はその後一人で
パリに残り、バルセロナに渡り、無事日本についたそう。
そして後日私たちは偶然にもクルミドで再会し、パリに残った者同士の
お土産話に花をさかせることができました。。
旅にはいろんなことがあるけど 人生にはいろんな壁があるけど
それは神様が私たちをちょっと試しているだけなのかもしれなくて


 壁は乗り越えられない人の前には現れない、、、


 このツアーを通してそういうことが実感としてわかったような気がします。
私は警察で淡々と手続きをこなすことができ、お財布をなくした彼はそれでも
目的のバルセロナまで行って日本に帰って来れた、、、


 「壁っていうのは 
 その人を強くしてくれるためにあるのかもしれませんね」


 その日の夜に 私は宿のキッチンでちょっと感無量になりながら
そんなことを語ってた。不安なんてくそくらえ!きっとできるから
与えられてる なんだか見守られてる そんな気がする
そんな温かい気分になれた なんだか不思議な夜でした。


追記、、、

 クルミドコーヒーで遂に1月から哲学カフェ的なとりくみ
「クルミドの朝」が開催されることになったそうです。
テーマはその場に参加したひとたちの中からきめられるそう。
普段より営業時間を早めての、日曜の朝のひとときです。
よかったらいってみてくださいね!
「クルミドの朝、はじめます!」



パリ カフェツアー vol.5 シャンパーニュメゾン見学

2011年12月08日 | パリカフェツアー



 エペルネーからランスに着くと、駅を降りて右手に観光案内所。
そこで地図を入手して、3時に予約したポメリーに行くには
どうしたらいいか考えます。1時間あるし、案内所の人は
ポメリーまでは徒歩30分だと言ってるし、余裕で行けるかな と
思ったらそれもまた大間違い。




 フランス的なスケールの大きな素敵な公園でのんびりしたり
ランスの素敵なクリスマスマーケットを見ているうちに
あっという間に時間が経過。こうなったらバス?ポメリーには
4番のバスで行けるというのを聞いていましたが間に合わず。
仕方がないので全員また駅に戻ってタクシー3台でポメリーへ。
(タクシーで10ユーロ程度です)「歩いて30分」と言われたものの
タクシーで車窓をみてると これは徒歩は無理だろう!!と
思わされました。


 さて、ようやくポメリーに着いて急いで予約を確認すると
早口の受付嬢は「3時の予約?違うんじゃないですか?14時何分のは
もう過ぎましたけどそれじゃないですか?16時半まで待ったら英語の回で
8人なら行けますが、、、」はあ?何を言ってるんだこの人は!
16時まで待てるかよ?だいたい予約はちゃんとしたんだと
負けるものかとねばっていると、どういう風の吹き回しなのか
「わかりましたよ 3時で12人ですね。じゃあとにかく急いでください!」
とのことになる。一体どうなっているんだか、、、

 ポメリーは見学と試飲つきで、Brutだと12ユーロ、ミレジメだと
14ユーロのコースになっていて(それ以上もあります)
前回のミレジメがかなり美味しかったので、今回はミレジメにする人続出。
いそいでお金を払って急いで中に入ってこんどはなんだか待ちぼうけ。
メゾンによって いや 行く先々で フランスは対応が本当に違う、、、


 さて、シャンパーニュの試飲はおそらく入場時に2杯頼むとそう
高くはないのですが、どうやら見学でうまくもうける仕組みらしくて
見学後に「やっぱりせっかくだしもう一杯試飲したい」と
思ってみると、ここはパリ?と思うほど高い。シャンパーニュにきて
テイスティングで一杯6ユーロとかするんです!何杯か楽しみたい人は
入場料を払う前に決めておくことをおすすめします。
(ちなみにシャンパーニュのテイスティングをしまくりたい人には
私はワインのサロンに行くことをおすすめします。入場料さえ払えば
テイスティングし放題です。)




 さて、なんとか見学窓口に行かせてもらうとなんだかごみごみした感じ。
案内の人もあまり親切なかんじじゃありません。ポメリーは旦那さんの
死後、ポメリー夫人が切り盛りして大いに成長をとげた大手の
シャンパーニュメゾン。地下深くに入り、芸術を深く愛した
彼女の想いを受け継いだこのメゾンの貯蔵庫には、現代アートも
いくつかあって、地下の暗闇から聞こえてきた犬の泣き声に
本気で驚いた人もおりました。そう なんかポメリーのエスプリは
フランスの貴族的というか、案内係の人も「あなたたちがちゃんと
いい子にしてたらシャンパーニュを飲ませてあげるからね」なんて
言ってましたが、そういう上から目線のからかいが入ったエスプリを
感じさせる気がします。


 その最たるものは「ポメリゼ」なのでしょうか?参加者の一人が
「貯蔵庫にあった京都とかマドリッドとか書かれていた青い看板は
何なんですか?」と質問したところ、小悪魔的な雰囲気の案内嬢は
ちょっと笑って「あれはいわゆるポメリゼの証なの」と言いました。
ポメリゼ?ピクニックすることをピクニケといってしまうかわいい
動詞のあるこの国、ポメリゼとは何なのでしょう?「ポメリゼっていうのは
いってみればポメリー化するってことで 夫人がそこを征服した
証なの。その地でポメリーのシャンパーニュが飲まれるように
なったってことね。そうやってあそこはOK あそこもOKと
印をつけていったのよ」こりゃポメリー夫人の野望じゃないか。。。
この夫人、サロンの女主人たちとなんだか似た様な
野望と征服欲を感じさせる夫人だなあ。それにしても19世紀に
京都でもシャンパーニュが飲まれていたとは!誰が?どんな風に?
ちょっと気になりますよねえ。。。





 ポメリーでフランス的気高さの在る、つまり迎合を許さないような
フォアグラのようなフランス料理にこそバシッと合いそうなシャンパーニュを
試飲したあと、一行はまたしても酔っ払い、田舎的のどかさも
重なって、開放感でいっぱいになり、クルミドソングを歌ったりしながら
歩いてのんびりやっていました。途中見つけた素朴なパティスリーで
相当おいしい手作りタルトをほおばったりしながらランスの大聖堂に
着いたときにはもう時間が押し気味に。




 だけどこれを見ないでは帰れない!だってランスの大聖堂は
フランスが誇るゴシック建築の最たるものだから。
フランスの王様になる人はここで戴冠式をしないと王として
認められなかったそうなのです。


 非常に装飾性に富んだ、ちょっとやりすぎな気もする正面の
飾り気のすごさとは裏腹に、堂内に入ってみるとパリとは
違って観光客も少ないせいか、とても神聖な雰囲気でシーンとしています。
私もいくつも教会には行きましたが、ランスの大聖堂、これほどまでに
神聖で神々しい雰囲気のある教会ははじめてでした。
時間さえ気にしないでよければ本当にいつまででも座っていたい、、、
とにかく本当に入れてよかった いままで見た中で一番穏やかで
ありがたい気分になれる教会でした。



 さて、ここからが危険な時間に。私たちが
TGVを予約していたシャンパーニュアルデンヌ駅までは、
トラムや電車がありますよとは言われてたものの、ここはランス。
そう パリではないのです。しかも土曜日の今日は
予想以上にトラムの本数が少なく私はちょっとパニックに。。
間に合わなかったらどうしよう、、、

 TGVは18時19分発。このトラムの駅をトラムが出るのが
18時前。駅迄は約15分から20分かかるという。
果たして間に合うのだろうか?だけど他に方法は?
駅に戻っても電車はおそらくないだろう。
タクシーも駅前までいかないと拾えないしかなり遠そうだ。
これはもう まって賭けてみるしかない、、、



 なんとかトラムに乗ってみたものの、後は祈るしかありません。
意外と早い?あと何分?いや けっこう遅い?
とにかくみんな全力でダッシュしよう!ということを決め
ドアが開いた瞬間に一行はクモの子をちらすように猛スピードで
駆け上がりました。誰一人後ろを振り向くものはいません。
こんな風に走ったのは一体何年ぶりでしょう、、、、


 一番早かった男の人たちは一目散に電車のあるところへ
向かいましたがどうもあやしい どうもTGVではなさそうです。
時計をみると2分経ってる。もういってしまったのでしょうか
上にもどって掲示板をみると表示はありません。
目の前では必死の眼で「TGVは?!」と探している人たちが他にもいます。
ゼエゼエいいながら窓口にいってみるとやっぱり行ってしまったらしい。
こういうときは時間に正確なんだねえ、、、


 とにかくどうにかするしかない。パリに戻らないわけにはいかない
一体いくらかかるのだろう?とにかく必死で話をすると
まだ電車はあるし なんと一人追加で16ユーロで帰れるとの
ことだった!!よかった、、、 私にはいまだによくわからないけど
どうして16ユーロですんだのでしょう??券をみると30ユーロと
刻印されていたし、行きのチケットをみると「出発前までは
払い戻し可能」と書いてありましたが、、、保険に入ってみたから?
とにかく全員復路のチケットがあったおかげで、一人一人名前の入った
チケットを新しくいただくことができました。本当に
みなさんすみませんでした!!!


 この後しばらく私は呆然としていましたが、ここでシャンパーニュ
アルデンヌ駅から眺めたランスの夜景がすごく美しくて心に響いた人も
いたそうです。私にはまったく余裕がなかったために、となりで「わあきれい!」
と言えるその人がすごいなと関心してしまいましたが。。。





 さて、みなさんの協力のおかげで再びトラムにのって
「これはクリスマスマーケットを見るためだったのかな」とか
なんとか言って、夜のまばゆいばかりの楽しげなクリスマスマーケットを
各自堪能し、絶対に時間厳守で駅集合になりました。



 ランスのクリスマスマーケットはパリのとは違い とても温かみが
あって規模も大きく、家族連れでにぎわっていて それだけでも
地方まで来た甲斐があったのかな?と思わされました。
ランスはなんだかディズニーランドが現実になったような街でした。






 最後の電車は走ることもなく余裕をもってしっかり集まり
温かいTGVに乗った途端疲れが出たのかついコックリ、、、
気がつけばもうパリでした。シャンパーニュに行かれるみなさん
ぜひとも時間には余裕をもって行動してくださいね!!



パリ カフェツアー vol.4 シャンパーニュへの行き方

2011年12月08日 | パリカフェツアー


「飯田さん、できたらフランスの田舎にも行ってみたいんです。
パリだけじゃなくて・・・」「そうですよね せっかく 
ヨーロッパに行くんだから 他も行けたらいいですよねえ。
イタリアとか・・・でも現実的に考えるとあんまり時間もないし、
あ、そうだ、シャンパーニュとかどうですか?
パリから1時間くらいで行けるみたいですよ」


 クルミドでのちょっとぽっかりした時間。
カウンターの奥でのそんな会話から 
シャンパーニュ行きは始まった。




 何故シャンパーニュ?それはただ私が以前Paris-Bistro.com
代表に連れて行ってもらったから?パリからけっこう近いから?
なんとなく響きがいいから?半分冗談めかしていった
この計画も 影山さんの「いいですね。行きましょう!」の一言で
現実化することになる。さて、行くのはいいけど、
どうやって行ったらいいのでしょう、、、。


Paris-Bistro.comの代表と一緒に行かせてもらった
(アンリアベレ社のシャンパーニュ。これほどの味には
あれ以来まだ出会えていません。パリでも売ってるのを見たことがない、、、
あの時勇気を出して「一本下さい!」と言っていれば、、といまだに後悔。)


 シャンパーニュ、響きはいいけどこれが曲者。
噂によると日本のガイドブックにもなかなか行き方が載っていないとか。
私も色々とサイトを見たけどよくわからないので
お世話になったシャンパーニュ委員会の方に問い合わせてみると
「そういったことには返答できないのでご自分で
ネットを駆使して調べてみてください」とのことだった。
ところがフランス語とネットを駆使しても ランスに行ったら何かがあるのは
わかるけど 私があの時目にしたシャンパーニュ大通りは?モエは?
一体どこにあるのだろう?とりあえずランスへのTGVを日本から予約はしたものの
謎は深まるばっかりで パリに到着してから書店でガイドを調べてみても
私にはよくわからなかった。そもそも私が予約した
ランスから8キロという「シャンパーニュアルデンヌ駅」というのは
一体どこにあるのだろう??こればっかりはどのガイドにも
書いてなかったし グーグルマップで代表と一緒に調べてみても
出てこなかった。これが私を不安にさせて そして不安が的中してしまう。



 シャンパーニュ、響きはいいし パリからも近そうだけど
車がないと行きづらい!!それに車で行ったら本当は飲めない?
そんな難所への行き方をお伝えしようと思います。




 今回シャンパーニュが実現したのはなんといってもParis-Bistro.comの
代表のお陰。シャンパーニュはメゾン各社のサイトを見るだけでも
毎回生年月日を入力しないといけない上、予約となると複雑なことが多すぎる。
メゾンは意外に広範囲に散らばっていて 車ならまだしも
徒歩を考えている人にはけっこうきつい。どこにあるの??そこと駅との
地理関係は?と何度も色んな地図を見たものの、わけがわからない。
おそらくたいていの人はやっぱり車で来るのでしょう。
(ちなみにフランスのガイド ミシュランもかなり車用に作られていて
17ユーロくらいします。やはり日本で調べて来るのがおすすめ!
代表も電車では行ったことないなあとのこと、、、)


ランスで入手した地図 これがなくてはこの旅は不可能でした



 さて、シャンパーニュのメゾンがあるのは主にランスという
地方都市と、ランスから普通電車で30分のエペルネーという小さな街。
ランスはパリからTGVで45分。難しいフランス語はReimsと書いて
ランスと読むのです。ランスは周辺にいくつか駅があるようで
それもまたまぎらわしいけどシャンパーニュアルデンヌ駅には
要注意!!ここはランスから30分くらいかかるのです(涙)
TGVの予約は日本からでもSNCFのサイト可能。カード決済ができ
自分でプリントするチケットが使えます。この場合は
窓口に出向く必要さえなく、このチケットをもって電車に乗り込むだけだそう。
ランスにはポメリーやヴーブクリコ、リュイナールなどがあるようです。


(ランスからエペルネーへの切符。自販機でも買えるかもしれませんが
フランスはシャルルドゴール空港ですら、自販機がまともに動かない国!
窓口は確実ですが待つので時間に余裕を持ってくださいね。)



 有名なモエ・エ・シャンドン、シャンパーニュ大通りというのが
あるのはランスではなくエペルネー。私達はランスまでは
TGVで、事前にネットで代表が時刻表を調べてくれていたので
なんとか時間があるだろうと思って窓口でエペルネーまでの切符を
買い込み、ぎりぎり乗車でなんとかセーフ。




 朝9時前にパリ東駅を出発し、帰りは18時発だったので、今日は
存分に時間があると思っていたら大間違い。ランスとエペルネーの
2カ所に行くのはなかなか大変。だってそう、こちらは
地方で車社会なのだから。。。


 「メルシエはね、小さな電車に乗って貯蔵庫の見学が
できるんだって」という素敵な言葉をささやかれ、じゃあ
メルシエにします!とParis-Bistroの代表にメルシエの見学を
予約してもらい、何とかエペルネーまでたどり着くものの、
観光案内所は近くにないわ(しかも見つけたら土曜で閉まってた!)
駅のそばには使えそうな案内地図すらない。。。


 こうなったら頭で地図を描くしかない。かつて事務所で
みた地理関係を思い出し、車窓から見たメルシエはこっちの方向!と
勘を頼りに歩き出す。残された時間は20分。果たして
たどり着けるのだろうか、、、予想以上に延々と続くシャンパーニュ大通り。
ここには人っ子一人歩いていない。「シャンーパーニュに行くんだったら
平日にしなきゃだめだよ。土曜は閉まっているからね」という
代表の言葉が胸にささる。地図ではたった5分で着きそうにみえた
距離は早足で20分ほど。なんでも予想以上に遠かった!!というのが
今回のシャンパーニュ行きの感想でした。車社会なので
電車、徒歩の方はくれぐれも注意が必要です。パリと同じ感覚は通用しません。
待ってても電車もバスもあなたの前には来てくれないのが車社会。
かといってどうやって日本から全部時刻表調べればいいんだよー
というのが私の泣き言です。





 何とか約束の11時前にメルシエにたどりつくと快く
迎えてもらい、見学に行くことに。オーディオガイドは何カ国語か
選べるものの、日本語はなし。この早口の英語のオーディオガイドに
ついていけた人はおそらく2人ほど?そう、オーディオガイドは
英語が話せる外国人のために作られたものではなくて、英語や
その言語を母国語とする人たちのもの。これが瞬時に理解できるというのは
つまりその言語のラジオがすぐに理解できる程度ってこと!
そんなの、、、なかなかできるものではありませんよねえ?




 さて、メルシエは1858年に、ウジェーヌ・メルシエという
当時20才の青年によって設立されたシャンパーニュのメゾン。
メルシエは、伝統的で閉鎖的なシャンパーニュ業界の中で、いかにもっと
シャンパンを多くの人に知ってもらうかを考え、万博で気球に乗って
シャンパンを味わう機会を提供するなど、奇抜なアイデアでシャンパンを
世に広めていったそう。そんな彼がライバル視していたのは同時代に
エッフェル塔をつくったギュスターブ・エッフェルだというのだから
すごい。それゆえか、メルシエの見学も、まず短い映画仕立てのストーリーから
始まって、貯蔵庫に降りる時は、ゆっくりと下って行くエレベーターから
ディズニーランドにやってきたような幻想的なスペクタクルが楽しめました。
貯蔵庫の階に到着すると、これまたディズニーランドのアトラクションに
ありそうなトロッコのような小さな電車が待っています。


 ここでの見学は貯蔵庫の中で、オーディオガイドを使って
シャンパンづくりの話をきくというもの。オーディオガイドが
ラジオ並みに早いので、これを片耳で理解しようとしながら
見学をするのは外国人にはなかなか大変。



 ひんやりとした貯蔵庫を30分くらい廻った後は、
Brutという、シャンパーニュをみんなでいただきました。メルシエの
シャンパーニュはあっさりとしていて飲みやすく、クセもあまりないので
様々な料理に合わせやすそうな味でした。やはり多くの人に
飲んでもらいたいという意識の強いメゾンは
いろんなものに合わせやすい味をつくろうとするのでしょう。


 ここで追加でテイスティングをしていた人に、ミレジメといって
よい収穫年にとれたブドウだけを使用して作られたシャンパーニュを
ちょっと飲ませてもらいましたが、こちらの方が味にしっかりと
インパクトがあり、シャンパーニュ!という感じがしました。
お土産に買ったロゼ・シャンパーニュはここでは23ユーロ。
とてもお買い得で幸せな気分に浸れる味でした。



 さて、シャンパーニュでいい気分になった後はまた駅へ、、、
時間もあるし、のんびり行こうかと思っていたら、酔っ払い気分の人続出。
私たち以外はほとんど人影もない道だったので、男性陣が坂道を
全力で駆け上ったり、陽気で幸せなモードに溢れた
集団になっていました。そうこうするうち、あっという間に
時間もなくなり、お昼はもうケバブか何かにして電車で
食べましょう!と言っていたらどうも間に合う気配がない。。
もう本当に間に合わないよ!と先に駅に着いた人にお店まで呼びに
いってもらってなんとかセーフ。
でもケバブを買えなかった人もいたそうな、、、





ちなみにシャンパーニュの作り方については
以前のルポタージュがありますのでそちらをご覧下さい。


☆パリカフェツアーの様子はまずこちらから☆

パリ カフェツアー vol.3モンパルナスの歴史的カフェと日仏交流ソワレ

2011年12月08日 | パリカフェツアー



 さて、目指すはヴァヴァン交差点。




 1920年代、狂乱の時代のモンパルナスを形作った4つのカフェは
ヴァヴァン交差点の近くにあってドームの目の前にはロトンドが、
クーポールの目の前にはパリのアメリカ人が好んだカフェ、セレクト。
どちらもテラスに座ると目の前のカフェが目にも写真にもはっきりと映ってしまう。
それは世界にただ1つ、モンパルナスという場所でしか味わえない景色。


 さすがにモンパルナスには隣あったカフェが4つもあるので今回は
ドーム組とクーポール組に分かれることに。
ボーヴォワールやザッキンも好んだドームのテラスは今でも
とても味わい深く、私はクーポールも入りたい、、と後ろ髪を
ひかれながらも、つい正直な気持にしたがって大好きなドームに
足を向けてしまいました。そのドームに入った人たちの
幸せそうな顔といったら!!



 しっかりとしたガラスで遮られたドームのテラスは、
バスや車で賑わっているモンパルナス大通りの騒音を
全てはねのけて、いつも静寂さが漂っている。
こんな空間に2-3ユーロ払うだけでいられるなんて
なんて素敵なんだろう とは 10年前の留学時代から
相変わらず変わらぬ感想。目の前を行き交う車、
まばゆい赤やオレンジ、夕暮れ時の青とも黒ともいえない
空の色、照明の反射がつくりだす幻想的な色の重なり合い。
キラキラ光るドームの中から街ゆく人を眺めていられる。
この気分に浸ってたければいつまでだっていたらいい。




 私はドームにはじめてパソコンを持ち込み、文章を
書いてみた時心の底から幸せだった。

 きっとそれは、憧れていたボーヴォワールも
この店で書いていたから?かつてドームの常連だった
ボーヴォワールはこう書き残してる。


「彼らの囁き声は私の邪魔にならなかった。白い紙を前にした
孤独はきびしいものだ。わたしは目を上げ、人びとの存在を確かめる。
それは私に、いつか、誰かの心に触れるかもしれない言葉を
書き綴る勇気を与えた。」

(ボーヴォワール『女ざかり(上)』p.263)

 今にして思えば、きっと彼女もドームで書いていたのは
処女作だったのだろう。誰の目にも触れないかもしれない、
でももしかしたら誰かの心を動かすことがあるかもしれない。
私もそんなことがあるかもしれないと思いながらカフェにいる
人びとを眺め、想いをはせてながら、白い画面に向かっていった。


 ドームの独特の雰囲気にうっとりしたのは私だけではないらしく、
飲み物がでてきたあたりから「もっとゆっくりしてたいなあ」という
声があちこちから聞こえてくる。みんなの表情は
どんどんゆるくなってうっとりしてる。
しかし実際には時間がない、、、どうしよう、、、

 あ、そうだ、みんなで急がなくってもいいんだ。じゃあ
あと何人かだけ来てもらって、他の人は残ってください。
どうぞゆっくりドームの雰囲気を味わってみてください。
あとは電話で何とかしましょう!ということにして
2人だけ一緒に来てもらい 私たちはソワレの準備。
他の人たちはその後ロトンドのテラスにも行ったそう。



 さて、メトロに乗った数分間で、今夜のお鍋
(何故かワインにお鍋という組み合わせをすることになっていた)は
豚汁と鳥の水炊きで行きましょう!ということに決め、
急いで友人宅へ。彼の大きな家に到着すると、
家にあるのは先日一緒に買ったワイン5本と、彼が用意してくれた
カイザーのパンとチーズくらい。そりゃあ心配になるよなあ。


 私たちは大急ぎで鍋の材料を買いに行き、お米を炊いて鍋の
準備をしてもらい、モンパルナスから来た人たちを迎え、
一段落ついたところで私はミッシェルとワインの買い出しへ。

彼は自宅で日仏交流の「お茶会」や3か国語を話す人たちが沢山集まる
インターナショナルなサロンを開いている人物で、場づくりについては
確かなノウハウと自信がある。私も場をつくったりカフェに興味があるだけに
話はとても合うのだけれど 今回はワインの本数について何度も言い合い。
「ミキはワインが一体何本必要だと思ってるんだ!最低一人ワイン半分、
24人なら12本ってのがルールなんだよ」と言い張るミッシェル。
私も負けじと「だから今回の日本人はあんまり飲めない人が多いんだって
予算もこれじゃ足りないしそんなにいらないよ!!」の繰り返し。
私たちがなんだか言い合っているので周りの人は喧嘩してるのかと
思ったらしい。そんなことはないのだけれど・・・


 そんなミッシェルにさんざん言われて私は結局このために
ワインの買い出しに3回行った。でもフタをあけてみたら ほらね
ご飯は予想以上にあったし ワインもちょっと残ったよ
だって会話を初めていったら 誰かとの出会いが始まってったら
テイスティングどころじゃなくなっていく それがミッシェルの家だもん。
それがソワレの面白さ で 誰かと会話し 自分の世界を広げてく
そうしてるうちに ワインもご飯も 脇役になっていってしまうんだ。
それがフランス的なコミュニケーションの面白さだと私は思う。




 今回はいつもの在仏日本人むけの「お茶会」と違い、生粋の(?)
フランスに到着したばかりの日本人がメインだったから 本当に
価値観の違いも濃厚だっただろうし 日本語を勉強している
フランス人には日本語をしゃべるいい機会だったかと思ったのだけど
どういうわけかここに来たのは半分くらいは日本語を全く知らない
フランス人。それでもお互いちょっとは話ができたかな?
即興でダンスをしたり、フランス人たちが持参してくれたお菓子を
みんなで食べたり、とってもおいしいお鍋にみんなで舌鼓を打ってみたり
英語で一生懸命会話をしたり フランス側も日本側も みんな
素敵な人たちだったわと言ってくれ 大成功だったと言えるのでしょう。
本当にミッシェル そして協力してくれたみなさんありがとう!!

 フランス人たちは一人2個お菓子を持参ということで、マカロン、エクレア
それに手作りのタルトやカヌレなど、色とりどりのお菓子を持って来て
くれました。こんなに沢山のお菓子を一気に試食できる機会は
後にも先にもなかなかないのでは?

 このソワレは日本側にはかなり衝撃的だったらしく
やっぱりちゃんと自分の言葉でコミュニュケーションしたい!
それも英語じゃなくてフランス語で!というところから
フランス語会話教室を開催することになりました。


 フランスでとても大切なことは人と人とのコミュニケーション。
留学時代に辛い想いをした私が口をすっぱくして「フランスでは
会話が大事だからフランスで楽しみたければまず会話を
練習したほうがいい!」と言うのは、パリはコミュニケーションが
本当に大切な街だから。大都会なのに誰かと出会う。大都会なのに
人間くさいあたたかみが街に存在している。
そんなフランス流の人生の楽しみ方を、私ももっと
経験したいしお伝えしていきたいです。

ーーー

追記 クルミドスタッフの川上さんがミッシェッルでの家での
体験や哲学カフェで感じたことなどについてクルミドのブログ
書いてくれました。よかったらご覧下さい。


ーーーーーー

 パリカフェツアー つづきはこちら
vol.4 シャンパーニュへの行き方


パリ カフェツアー vol.2 パリの歴史的カフェ

2011年12月08日 | パリカフェツアー


「飯田さんがカフェのガイドをすることになったら、
僕がお客さん第1号になりますよ」
あれは去年の秋だっただろうか クルミドコーヒーの
地下でそんなお話をして それから私は夢を見て
いつだったか 影山さんに手紙を書いた。

 フロールのテラスを絵に描いて いつか一緒に
ここに座れたらいいですね、と・・・。



 その時は夢想だったのに。


 その手紙を投函してから1年くらいが経ったのだろうか

 おそらく思っていたよりずっと早く そしてもっと大規模に
その現実はやって来た。そう11人もの人と一緒に
影山さんと私はフロールのテラスに座ることができたのだ。




 影山さんがフロールにいる!!それは嬉しくて仕方ないことだったけど
その喜びをかみしめて浸る暇もなく1本の電話が鳴った。
「今晩のこと大丈夫なの?ミッシェルがおこってるみたいだよ」
これはまずい・・・

 ミッシェルに電話をすると、「ミキねえ どういうつもりなんだい?
何も用意できてないじゃないか。20人分のご飯をどうする気なんだ、
今ここには何もないよ?」「え?本当に、そんなに来るの?」
「だから呼ぶって言っただろ!」


 2日目の夜には友人宅で、ワインなんかを味わいながら
ちょっとした日仏交流会みたいなものをしようと企画していた。
しょちゅう自宅でサロンみたいなのを開いているミッシェルは
「フランス人たちはこちらで10人くらい呼ぶよ」と約束
してくれてたものの、2日前になっても「まだ呼んでないよ」という。
そんな様子に不安を抱き、フランス人はまあ3人くらいくればいいかと
思っていたら、彼は約束通り、いやそれ以上に知人達の
約束をとりつけてくれたらしい。流石ミッシェル!
「わかった、じゃあ18時に行くから!
用意はこちらでするから大丈夫。何も買い出ししなくていいからね!」と
なんとか納得してもらい 電話を切って席に戻ると
「そろそろ行きましょうか、、、」という雰囲気になっていた。
うー残念!もう少し余韻を楽しみたかったけれど
この日はとっても忙しいのだ。そう 2日目だというのにすでにハイライト。
今日はパリの歴史的カフェをほとんど全部巡るのだ。




 2日目は朝からサン=ジェルマン・デ・プレの歴史的カフェに行き、
お昼はフランス革命が生まれたと言われるカフェ・プロコープに行くプラン。
デプレの歴史的カフェ、ドゥマゴとフロールはあまりに
目と鼻の先なので、二手にわかれて入ればいいか、
お腹もきっともたないし、と直前まで思っていたけど 目の前で
ドゥマゴの立派な風格を目にしてしまうと こちらもやっぱり捨てがたい。



 
「隣り合ってるしお腹がタプタプになるだろうから」という
そんな理由で、一生に一度かもしれないというパリのカフェツアーから
どちらか一方のカフェをはずしていいものだろうか?
いや いけない・・・!!


 じゃあやっぱり両方行っちゃいましょう ということで
ドゥマゴもフロールにも行くことにした。
この選択は決して間違ってなかったと思う。





 「ドゥマゴはショコラが美味しいんです。7ユーロもするけど
他の店の4ユーロのショコラを2杯飲むより、ドゥマゴのショコラを
一杯飲む方が絶対いい!」とおすすめすると、半分以上の人は
朝からショコラ。お昼フランス料理だけどお腹大丈夫かな?と思うのは、
私だけらしく、みんなショコラを美味しそうに味わっていた。
私もせっかくだからとショコラを注文。この味はやっぱりここでしか
味わえない!というのはその後他店でショコラを頼んだ人からも出た感想。
ドゥマゴのショコラは、カカオを丸ごと口に含めたような、とろりとした
濃厚な舌触りと、優雅でしつこすぎない甘みがあって、しっかりしてるけど重すぎない。
ああ私はパリに来たんだ、と感慨に浸っていられる、ここにしかない味わいです。






 それから隣の本屋、la huneでデザイン系の本を物色し、少し
お腹を落ち着かせ、すぐ隣のフロールへ。お昼前のフロールは
もはやテラスに席はなく、あわや11人で店内の赤い革張りの椅子席かと
思ったけれど、何人かに別れたり、タバコが吸えるというので、
ガラスに覆われていない外のテラスに行く人たちも。
こうしてなんとか全員でテラスを楽しむことができました。





 「まさにこのフロールからいろんなものが生まれたんですよ」
と今でも神々しい輝きを放つフロールでちょっと説明。ここで
アポリネールがフィリップ・スーポーをアンドレ・ブルトンに
紹介していなかったなら、シュールレアリスムは生まれて
なかったのかもしれない。




 さて、デプレを少しだけ散策してからお待ちかねのプロコープに
到着すると、早速難題が待ち構えてた。


 12名で13時に予約したはずが、予約リストに名前がない。
嗚呼フランス、、、ついに来たなという感じ。でも「確かに
予約しました」と言い張ってみる。だって私の後ろにはもうご飯だ~!と
思っている11人が楽しそうに待ってるのだから。ありがたいことに
何が起こったかを知っているのは私一人だけのはず。
プロコープ!と思っていたみんなに「実は予約がとれてませんでした」
と言う訳には決していかない。

「すみません、ちょっと待ってくださいね」と何事もなかったように交渉開始。
「13時に他の人の名前で12人の予約が入ってますが、あなたは
この人じゃないですよね?」「違います、イイダの名前で予約しました」
と10分くらい強気で振る舞っていると「とにかく席はなんとかしますから
ご安心してください」という。通されてみると結局電話で聞いていた
丸テーブルの席だった。なーんだ、やっぱりあったんじゃん、、、
これがフランスでの交渉事始め。
それからこんなことの連続だった。




 2階の席に案内されるとワーっという歓声。歴史的で落ち着いた
雰囲気に鳥肌が立った人までいたらしい。ここでは30ユーロは
使うことを覚悟してたけど、何と21ユーロのコースがあって、
この雰囲気でこの値段は格段にお得だろう。なんせ日本のフレンチレストラン
でいうならランチから1万円くらいしそうな雰囲気なのだ。特に美味しかったのは
ポトフとアイスクリームで、プロコープの歴史の裏できっと活躍していた、
開店当初からコーヒーとともに名物だったアイスクリームは日本のラクトアイスと
同じな前で呼んでほしくないと思うほど別物だった。アイスというのか
イチゴというのか その中間でもないような・・・あのドゥマゴの
ショコラのように、初体験でとろけてしまって、うっとりするような味でした。
どうも フランスには快楽の味というのがあるような・・・



 プロコープで優雅に昼食を味わっていたら、お店が終わるともう
4時近く。仕方がないので予定変更。セーヌ川はまた今度にして、
オデオン通りを通ってリュクサンブール公園を抜け、
モンパルナスのカフェ地区へと向かう。




 寒くてピクニックどころではないリュクサンブールを
早足で駆け抜けて、天文台まで来ると、ヘミングウェイが愛したカフェ、
クローズリーデリラがある。彼がしょっちゅう見上げてた、剣を
振りかざすネイ将軍の像を我等も一緒に見上げたりして
あの時代に想いをはせる。そうここからモンパルナスの歴史が
はじまっていったのだ。ポール・フォールという詩人が開いた
詩の集いには、世界中から詩人や芸術家、音楽家たちが集まって
心地よいライラックの木に囲まれたテラスでお酒を
飲みながら詩に酔っていた。そしてピカソもやってきた・・・


「ここは1つの卵のようだった。この時代、フランスの首都において、
むしろ世界中で、精神的に最も活力があり、最も生産的な者たちで
一杯になっていた。すでに偉大で名声のある、もしくはこれから
そうなるであろう画家たち、彫刻家たち、小説家たち、思想家たちが、
キラキラと輝く長い部屋のまわりにならんだテーブルの前に腰掛けたり、
1つのテーブルからまた別のテーブルへと移動したりしていた。
ある人たちは、外のテラスで、夜空の方に剣をふりかざしている
ネイ将軍のまわりに植えられたマロニエの木の下で涼んでいた。
最も無謀であったり、最も古いものや最も新しい雑誌の
全ての編集部がこの時間に集合しているかのようだった。」 

(アルデンゴ・ソッフィッチの言葉 George Lemaire著 «café d’autrefois »より)

そんなクローズリー・デ・リラの詩の集いはめちゃくちゃうるさかったらしい。
でもきっと朝なんかはとても静かだったのだろう。




 緑の樹々に囲まれたこの店のテラスはパリといっても別世界。
ここだったら誰にも邪魔されずに心地よく
自分の世界に入っていられる、、、そんな素敵なカフェなのです。


 →つづく
 パリカフェツアーvol.3 モンパルナスの歴史的カフェと日仏交流ソワレ





パリ カフェツアー vol.1 ウェプレールとサンミッシェル

2011年12月07日 | パリカフェツアー



 あの日カフェシャルボンでの会話から 私の人生は変わっていった。


 初めて私と一緒にオベルカンフのカフェに行ってくれる人たちを
見つけたその日、初めてまともに自分の意見をカフェで表明できた日に
何かがすごい勢いで変わりはじめて 私の人生は揺さぶられ、
そして今に至ってる。


「日本人向けにこんなことができるといいね」
「個人旅行をしてもなかなか見れないその国の日常に触れられたなら、、、」
「もっとその国の文化を知れるようにナビゲートしてくれる人がいたら、、、」
「そしたらスーパーに一緒に行って チーズの買い方を教えてあげて、、、」
「それから美術館のガイドもやって 空港に看板をもって迎えに行こう!」



 そうしてその日がやってきた。


 夢 というのは何なのだろう と この1年半思ってた。


 私は夢を再び抱くのがこわかった。
だけど夢を抱いてしまった もし それが実現できたら?


 それは力を与えてくれる。 そして それは 素晴らしい。


 「世の中には夢をぼんやりと見ている人と
夢を生きる人の 2種類の人がいるのよ 私たちはきっと後者ね!」
公園で偶然出会った 勇気と勢いに満ちた料理研究家の
ファリーダと 打合せを兼ねて語り合った時 彼女は
私にそう言った。そうして彼女は勇気をくれた。
「とにかくやってみることよ!うまくいかなかったら仕方ないけど
とにかく試してみることなのよ」そう それで うまくいくまで
やったらいい エジソンが言ってたように。成功するまで
やりつづけること それさえすれば、いつの日かきっとできるのだろう。


 様々な偶然や大きな力が働いて 私は強くなっていった。
『シンクロニシティ』に書いてあったけど 自分の道と
怖れずに一体になっているときには扉がどんどん開くらしい。
1年半前の私のパリ滞在はそうだった。そうして今度は 私が
自分で扉を押した。重くても 開かなくても 
私の後ろには11人が待っていたから。そうして私は強くなれた。そう思う。






 誰もいない宿に荷物を預け、一人で空港に向かって行って
ドキドキしながら到着ゲートを見ていると 何人か
出迎えの人たちが看板を持って待っている。私もやってみようかな。
みんなの顔は知っているけど あのワクワクを あの時話したことを
あえて現実化してみるもの悪くない。
カバンの中から紙を探して、「クルミドコーヒーのみなさま」と書き
私も彼らの隣に立ってみた。形から入るというのは
何かを実現する上で大切な要素らしいから。


 時が経ち、空港で知った顔の人たちを見つけ、いざ出発。
ドキドキの6日間がはじまった。本当はバスで行こうかと
思ってたけど 2番線に乗るにはRERで行くのが一番いいらしい。


 初めてのパリを美しい!と思ってほしいものの 
さびれた郊外の雰囲気が第一印象か というのはちょっと申し訳ないけれど
それでも 修学旅行気分のみんなは、自分のノートやカメラを
見せてくれ うきうき気分が伝わってくる。

 RERの北駅からLa Chapelleという2番線の連絡口まで歩き、
重たい荷物をえいやっと持ち上げ、地上を走る2番線へと向かう。
私たちの宿はAnversというところにあるWood Stock Hostelで、ここは
信じられないけどしっかりした朝食とキッチンとシャワーがついて
一人一泊25ユーロという激安のユースホステル。しかもモンマルトルの麓にある!
wifiも私以外はみんなつながってたみたいだし
部屋はかなり暖房がきいてて快適だったし 宿はスーパーのすぐ隣だし
宿のある界隈が素晴らしく素敵なとこだった。



 さて、意外にもみなさんお腹が減っているらしいので、
じゃあ友達にも勧められてて、プラン外だったウェプレールに
行ってみましょうということに。ここなら宿から歩けるし、軽食だってOKなハズ。


 宿のまわりの素敵な雑貨屋さんやカフェが並ぶ界隈を散策し、
モンマルトルの麓を少し歩いて「ここが映画「アメリ」の舞台のカフェ、
ドゥームーランなんですよ。でもご飯はたいしたことないので
お茶するくらいがいいかと思います」と今回は素通りし、クリシー大通りの
歓楽街に度肝を抜かれてしばらくすると ウェプレールに到着だ。




 ウェプレールは庶民的だけど威厳を感じる大きなブラッスリー。
こんな時間に、軽食なんて可能だろうか?どきどきしながら
ギャルソンに「あの、オニオンスープとかだけでも大丈夫ですか??」
と尋ねてみると 大丈夫大丈夫、と布ナプキンのひかれている
テーブルに案内してくれる。パリでは普通布ナプキンがひかれているのは
レストラン席という意味で、 カフェのようには使えない。
まずかったかなと内心思い、もう一度確かめてみると
「だから本当にいいんです」とのことだった。



 案内されてメニューをもらうと 20ユーロちょっとのコースがあるらしい。
ほ 本当?夜で ウェプレールでこの値段?昼じゃなくって?
でも昼限定とは書いてない。これはどう考えてもお得!!と
こちらをおすすめすると けっきょくみんなコースを注文。
せっかくだから、、、と言ってワインも注文することになり
このいい雰囲気に導かれ、結局レストラン席を満喫することに。





 このウェプレールのギャルソンの感じのよかったことと言ったら!!
私はこんなにも素敵なギャルソンに今まで出会ったことがない し
結局彼ほど紳士で素敵な人はツアー中にも出会わなかった。
小娘な私を一人のマダムとして扱ってくれたというか
「けっ団体客め」みたいな感じは一切なく、言うことを1つ1つ
丁寧に聞いてくれ、言葉遣いも身のこなし方も美しかった。
オニオンスープでもいいと通してくれて わけのわからない
注文にもすべて笑顔で 「かしこまりました」と
低姿勢で対応してくれ かつ誰がどこの料理というのを
11人分覚えていた!かっこいい人だったなあ、、、

 自分たちを「ただの団体客」であるとか
「沢山お金を落とす人」というだけでなく、団体だけども
丁寧に一個人として扱ってもらえる。それってとってもありがたい。
ちなみにカフェの時代を創って行った「プロコープ」も
礼儀正しい接客態度を大切にしていたらしい。


 ウェプレールは予想以上に料理も美味しく
前菜の生牡蠣のエシャロットソース添えや
ポトフ、お肉の焼き加減といったら!どれもびっくりするほど
バシッと決まった味だった。私がParis-Bistroの代表から聞いていた
ウフアラネージュというデザートも 頼んでみると
みんなでびっくり。すごく柔らかく軽い口当たりで、口のなかで
メレンゲがほわっととろけていくのがわかる。あまりに美味しくて
どんどん食べていってしまえる、天使のような食感のデザートだった。




 この店、すごい!!とみんなで感動した後は
夜のセーヌ川を見に、サン・ミッシェルへ。寒くても夢みたいに
キラキラしている夜のセーヌはやっぱり見ておくべきだろう。
遅れてサン・ミッシェルで合流した人は、パリで何が一番良かったかというと
駅を降りたときのこの景色だったと言っていた。私もパリに着いたら
まずサン・ミッシェルの夜景が見たいから 1日目に組み込んだんだ。
それくらいここは 特別な場所だと思う。




 さて、ノートルダム寺院をちょっと外から眺めた後は、お目当ての
シェイクスピア&カンパニー書店。ここはアメリカ人のシルビア・ビーチと
フランス人のアドリエンヌ・モニエという2人の女性が一緒に開いた
オデオン通りにあって作家たちの出会いの場になってた
伝説の書店を戦後に復活したものらしい。今でもパリの
アメリカ人のたまり場のような雰囲気で、店内ではいつも英語で
会話がなされてる。ここはすごく独特の匂いがあって 
神保町のような雰囲気にひかれる人にはたまらない。






 みんなの力を借りて勇気をもらい 初めて行った2階には
古書に囲まれたサロンで本について楽しそうに議論を
している人たち。まさに10年前に私が強く憧れ、 
この映画のような世界は本当に実在しているのか?と
不思議でならなくなっていた そんな世界が眼前に広がっていた。
年代物の古書に囲まれたアンティークの椅子に座って
リラックスした雰囲気で 何かを考え 自分の意見を
楽しそうに話す人たち これが2011年の現実だとは
私にはどうもよくわからなかった。


 それからまた別の部屋では気ままにピアノをひいている人がいて
その横で寝そべっている人もいる。 聞こえてくる曲といえばアメリだし
本当にタイムトリップしたみたい。パリはこういうのが
よくあって 目の前にある光景が、果たして夢なんだか 
現実なんだかよくわからなくなってしまう。




 パリの夜 はキラキラしてる。
「パリはね 夜が素晴らしいんだよ」と
広尾のカフェのテラスで出会ったフランス人は私に言った。
40歳を過ぎて子供がいても、「パリは夜が楽しい」なんて
普通に言えてしまう街の生き方。そう、それがパリなんだ。


 だけどガイドを信頼しきってる日本人の私たち は
夜が怖くて出歩けない。だけど団体だったなら?
夜はそんなに怖くない。夜だからこそ
得られる何かが 確実にパリには存在してる
それは一人だけでは味わうことが難しい
パリの日常にある風景。

 かつてピカソもパリの北のモンマルトルから南の
モンパルナスまで歩いたという。それはただ
お金がなかっただけじゃなくって パリの夜の
散歩というのがあまりに魅力的だったからじゃないのかな。



 パリはベネチアでもディズニーランドでもないというのに
ヨーロッパの中心と言える程 経済活動が行われている都市なのに
私達を夢見心地にさせる美しさを21世紀でも保ち続ける。
それが私には不思議でならない。パリは人を 世界中の
人たちを ひきつけて 圧倒させてしまう何かを持っている。
それはエッフェル塔や凱旋門を見るだけなのとは何かが違う
人生を変えてしまうほどの力さえももっている。
そうきっと、パリには「そんなのアリ?」が存在してる。
世界のどこにもありえなくても、パリではそれが許されている。
そんな懐の深い街 に 人はつい引き寄せられてしまうのだろう。


 「青春時代をパリで過した者は
一生パリがついてまわる・・・
何故ならパリは移動祝祭日だからだ」
とヘミングウェイは言っていた。

 せっかっく行くならただの名所を見るのに15万円費やすんじゃなく
人生に深い刻印を残す様な旅をしてほしい。
あれは夢か幻か いや確かに現実だったような
そうして頭の中で何かがぐるぐると変化していく。
そんな旅 の お手伝い。

 パリのカフェツアー。これから報告していきます。
そして次は、よかったらご一緒にどうですか?

 2日目の歴史的カフェツアーの様子はこちらです

パリでの日々

2011年12月05日 | パリのカフェ的空間で



 今回は思ったよりパソコンを使える環境にいなかったので
最中に何をしていたか書けなかったけど
日本に帰ったらちゃんとまとめて報告しようと思います。


 明日でついにパリもさよなら、
まあこれだけ行ったり来たりしてきたのだから
まわりのみんなも「まあまた来るだろう」くらいに
思ってて 私も「また何ヶ月か後に会おうね
こんどは多分息子も連れて、、、」なんて最後の言葉を交してる。


 私は頭がおかしいんじゃないかと日本にいたとき
思ってたけど パリに着いてみるとパリの交通や道を
かなり熟知していて さすがに5ヶ月くらい頭の中が
パリでいっぱいだった甲斐?があるようで
パリではいろんなことが役だった。

 ツアー中に降り掛かって来た様々な試練のお陰で
壁っていうのは自分を強くするために現れるものなんだなあと
思えるようになってきたし あとにひけない!!という
必死な気持で過していたからその間フランス語も上達したし
交渉さえすればフランスではけっこう通ることがよくわかった。
(今日も美術館の窓口でコートとカバンを預けようと思ったら
「もう一杯だからカバンは無理!あんたここまで持って来たんだから
美術館でも持てるでしょ」と言われハア??と思ったけど
これはもう一度交渉しよう と他の窓口を探してみたら
そこではすんなりうまくいき やっぱりフランスって
交渉するとなんだか余地があるんだなあ 不思議な国だなあと思う。


 とにかく私はだいぶいろんなことができるようになり
フランス語も上達し みなさんのお陰で後に引けない勇気まで
いただくことができたので なんだか別人になった気分?
フランスの友達も「ミキは生まれ変わったね」とか
いろんな企画の話をしたりして みんなでワクワクできてうれしい。
次は美術館もめぐったらどうかな だとか
ワインのテイスティングもいいかなあとか
フランスの家庭料理をやってみたりとか
誰かのお宅でフランス流人生の楽しみ方を体験できる食事をしたりとか
アイデアは山ほどあって そうしてわくわくしていると
いろんな素敵な出会いがあったりもする。
(今日は哲学カフェのテラスで連絡のとれなくなってた
旧友に会えた!!そして知らなかったもう1つの哲学カフェに
連れて行ってくれた)


 みなさんのおかげで フランスでは私はいつも楽しくて
楽しんでいると また誰かがどこかに連れてってくれて
ありがたい。先日はサムライの甲冑などの展覧会に行き
感銘を受け、こんな展覧会はぜひ東京でもやるべきだ!!と
主張してたら一緒に行った人から高価なカタログをいただいてしまった。。。
それにパリビストロの代表に「こんどワインのテイスティングサロンが
あるんですか?」ときいてみたら「興味あるの?」と
電話をしてくれ なんとプレス用のタダ券を送ってもらえた!
そこで経験できたことといったら!もう明日死んでもいいと
思えるくらい素敵な経験でした。5杯のんだらべろんべろんな
私も、ワインを吐き出すことをしっかり教わり20杯以上
いろんな種類を試飲できて また勉強になりました。
ロックフォールとシャンパーニュのマリアージュ!美味しかった、、、!



 あのときは 誰かにおそわっていたことを
今では私が誰かに教える立場になれた。
そんなことが 今回は沢山あって
こうして代表や友人たちやかつて留学時代に
お世話になった人たちから得たことを 私はまた
きっと日本に 日本人に伝えて行って
日本にはなさそうだけれど パリにある
確実に存在している なんだか違う生き方を
肌で感じてもらえるように そして感じた
違和感や変化を 日本に持ち帰ってもらえるように
きっとしていく道なのだろう。


 パリでフランスのことを学んで
パリで日本のことを学んで それをまた
誰かにつたえて議論して その議論を今度は
パリにまたもってきたりして そういうことって
とっても楽しいだろうなあ パリは楽しい
日本にいる日本人が知らないでいる
素晴らしい過ごし方が沢山あると思う。
シャンパーニュを楽しみたければ?
1万円を10回日本で払うなら 安い航空券を
えいやと買って テイスティングのサロンに
行ったらいいと思う。そこには違う世界が待っているし
フランスでは15ユーロもあって その使い方を
知ってれば 素晴らしい経験が可能なんだな。
今日は12ユーロでゲートルードスタインの
展覧会に行き、山の様なマティスとピカソの作品を見た。
こんな経験ができてしまうフランスってやっぱりすごい。

 でも魅力はなかなか伝わっていないみたいだから
日本にはいるとどうも妙な変換のされ方をしてしまうから
私はもっと伝えたいし 肌で感じるお手伝いがしたいと思う。
またいつか そのうち帰って来れますように!
みなさん本当にありがとう!

フランスに行くなら

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