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パリ、カフェ、子育て、サードプレイス、
新たな時代を感じるものなどに関して
徒然なるままに自分の想いを綴っています。

パリ カフェツアー vol.8 シャルティエからオベルカンフのカフェへ

2011年12月14日 | パリカフェツアー




 パソコンの調子が悪くて尻切れとんぼに
なってしまいましたが、5日目の続きをお伝えします。



 「お菓子を沢山つくったあとはフランス流のティータイム。」
そういうわけでみんなでつくったタルトタタンにマドレーヌ、
ヘーゼルナッツのケーキに牛乳のジャムを塗ったタルティーヌ、
そしてフランス風の濃いショコラを人数分用意してもらい
席について試食開始。


「タルトタタンはね、見た目はどうしてもお店みたいには
きれいにできないけど、でも食べると本当に美味しいんだから!」
たしかに見た目はなんだかちょっと残念な感じだったけど
ファリーダが大事にしている「家庭の味」というのは
日本に帰ってから私が作った餃子のようなものなのだろう。
確かにひっくりかえしてお皿に盛ろうとしても
お店のようにはうまくいかない。だけど食べるとめちゃくちゃおいしい!
そう タルトタタンも アイスに合わせ、生クリームに合わせ
うーん ほっぺがおちそうな味。


 あまりにさらっと食べてしまえて どうしてあのとき
リンゴをもっと投入しなかったんだー  とちょっと後悔。
リンゴは10個以上あったというのに 多すぎるという判断になり
私たちはみんなして生のリンゴをかじって食べた。でもここに
その分のリンゴが入っていたなら2倍の時間美味しかったのに。。。
それくらい「もっと食べたい!!」という美味しさのタルトタタン。



 さて、フランス流ティータイム というからには会話がつきもの。
だってフランスは会話があってなんぼの国だから。
そして好奇心旺盛なファリーダは質問開始。
その質問を訳しつつ でも私も質問に答えたくなりつつ
そうしてそのうち議論がはじまり 日本におけるカフェでの
子連れのありようとか どうしたらいいものかとか
フランスと日本は子育て観がどう違うかとか
カフェで子供が騒いでいたらしかってもいいものかとか
(結局日本ではしかれないし泣き終わるもしくは
彼らが帰るまでだまって耐え忍ぶ というのが一般的ですよねえ?)
そういう話を 通訳しつつ 私も意見を言いたくなったり
ファリーダに言ったあと今度は日本語で説明をして
誰かが何かをいったら通訳 そこですかさず影山さんが英語で議論
私も英語で応じたいけど やっぱり無理なのでフランス語 という
頭がぐわんぐわんになりながら それでもなんとか?
フランス語で議論するような雰囲気をつくりだすことはできるのだ
ということがわかって実りある時間でした。つい自分の意見もいいたく
なってしまうのがたまにキズだったかも、、、でも
そうやって何かをつっつくことが議論の醍醐味な気もするのだけど、、、



 そうして「フランス流ティータイム」という なんとなく
お茶を飲んでほっとして終わりではなく 会話、議論の時間を過し
時計をみるともう7時近い。4時間をとうに超えている!!
彼女の息子も帰って来たのでじゃあそろそろおいとまします、と
お別れの挨拶をして、次の場所へ行くことに。さて 次はどこへ行こう?



 この時には私は人生初の同時通訳4時間にへろへろになっていて
疲れがピークに達してきていた。どこかでちょっと休みたい、、、と
思う間もなく、一行はシャルティエに行くことに。ほ 本当?
本当に行くの?と内心思いながらもみんなはかなり楽しみに。


 シャルティエはシャンパーニュの失敗のために行けなくなってしまっていた
有名なブラッセリーで、ギャルソンたちの動きが面白くって
とても躍動感とざわめきのあるブラッセリー。パリのエスプリが
凝縮しているシャルティエの話はParis-Bistro.comの事務所でも
ファリーダの家でも出て来ていたから 「やっぱり行ってみたい!」ということになり
こんなにもお菓子を食べたあとに本当にフランス料理なんて
食べれるんですか??と真顔できいたらみんな「別腹!」とのことだった。
なんという食いしん坊(こういうのをフランス語ではグルマンという)!



 普段はかなり並ばされるというこの店だけけど 運良く9人?
もしくは間違えて8人?のテーブルがあり、通されてみると
店員さんたちがなにやら言い合っている「ここは9人じゃないだろう
他の場所だよ」うんたらかんたら、、 どうみても9人がけでは
ないけれど これでもか!!というぐらい隙間をつめられ
無理矢理入れられた席で すさまじい喧噪の中メニューをもらい
メニューを説明。大きい駅の構内のような店内は 文字通り
ギャルソンは走り 人々は大声で語り合い 声と声とが
ぶつかりあってて小声では何も聞こえない。仕方がないので
私も大声を出してメニューを説明。疲れてたって仕方ない!





 さて、この店のギャルソンは愛想がいいんだか悪いんだか
もってきたワイングラスは何故か小さいグラス。「ちょっと
もう普通のサイズがないんだよ。どうせいいだろう みんなで
わけたらちょっとしか飲めないんだから」とかなんとか言って
私たちを納得させる。注文をしはじめると ぎょっとするのが
この店は白い紙のテーブルクロスのはじっこに注文をなぐり書きしていくのだ!

 それをみて影山さんは「それって効率的なの?」という
それからのギャルソンの姿をみてるとどう考えても
効率的なわけはなく それなら日本のファミレスみたいに
ピッピッと押して注文が即厨房に届く仕組みの方がいい。
でも影山さんの指摘曰く、この店には「話しかけさせようとする
仕組みがいたるところにある」んだそうな 別に
話しかけないでもいいのだけれど(なんせ彼らは恐ろしく
忙しそうだ!)誰しもがこの紙になぐりがきするという行為に
驚き つい言葉を発しないわけにはいかない。しかも
最後はそれをびりっと、つまりテーブルクロスの端っこを
べりべりやぶってそれをレシート代わりに手渡す。
そんな仕組みがこの21世紀にあるなんて!!




 そうしてつい言葉をかわして ギャルソンとも
隣の人とも目配せをしてなんとなく仲良くなっていく。
そんなコミュニケーションを楽しんでしまう
それがフランスのエスプリなんだ。

 私は以前来た時驚いたけど 4人がけのテーブルに
4人座っていて 最後に1人だけ残されていた。
あれ?どういうことだろう?と不思議に思っていたけれど
なんと彼らは3人と1人の相席だったのだ!!
そしてなんとなく一緒にしゃべってしまう
うーんそれは美味しそうとか すごいボリューム!
こんなの食べられるかしら?とか
このギャルソンの対応はちょっとねえとか
そういってクスクス笑う それがフランスの楽しいところ。



 さて、意外にも早いスピードで運ばれて来たご飯はどれも
みんな美味しい!!そしてバカ安。前菜とか3ユーロもしなかったり
メインも10ユーロ前後だったり。私ははじめてきた時
この店は値段の単位が何か違うのかと思って目を疑ったのを覚えてる。


 さて、こんなざわざわした雰囲気でギャルソンと
楽しみながら会話をかわし、美味しい料理とワインを
飲んだりしてると 嫌がおうにも疲れもふっとび
元気になってしまう。環境の力って
こんなにも人間を作用してしまうのか!と本当に
おそれいりまいた。シャルティエにはみんな身体で驚いたらしく
「本当にこれてよかった!!」という人続出の素晴らしい店でした。




 それからは夜のオベルカンフへ。といってももう確か
22時ごろ?パリの夜は長い。。。


 さて、ガイドの話がはじまったカフェ、シャルボンの前を通って
でも振り返りをしたいということなので、比較的穏やかなカフェ、
ロートルカフェに行くことに。こちらは夜でもゆったりしていて
ハーブティとかを飲んでいても平気な感じ。広々として素敵です。




 ここでしばらく影山さんの提案のもと、みんなでツアーの振り返り。



 私はお話をききながら、わーみんな1日目と表情が全然違うし
日本でパリの話をしていた時とは積極性が全然違う、、、それに
お店で働いているこの人たちが自分の肌で感じて自分で
「カフェにおけるギャルソンの役割 意味合い」を感じてくれて本当に嬉しくなった。

 それは日本でいままで目にしてきたものとは全く違うタイプのものだけど
だけどこのパリのギャルソンたちの振る舞いこそが
パリのカフェという空間を彩っていて 彼らがお客さんの
気分をもっと心地よくというかちょっとアップビートにさせて
活気があって あたたかな 居心地のよい空間をつくってしまうことに
ちゃーんと貢献しているんだなあ っていうことを
みんなが自分で体得できた それがすごいことだと思った。


 私も今回こうしてツアーをするまでは ギャルソンの意味合いが
正直よくわかってなかった。日本的観点からすると「ぶっきらぼうで
ちょっとやな感じでサービスが悪い」ようにみえてしまう
パリのギャルソン達は また別の観点からみると
とても魅力的に見えて来て 私も今回は彼らと相当コミュニケーションを
したおかげで コミュニケーションをとろうとしてこそ
楽しいんだなあというのがよくわかった。

 そう フランスは受け身でいては楽しくないし辛くなるだけ。
積極的に 自分からコミュニケーションをとりはじめたら
知らなかった世界の扉を開いてくれる そんな国がフランスなんだ
だから会話と会話力 コミュニケーション力が大事で
それが日本ではかなり欠けるものだから パリ症候群にもなるのだろう。



 オベルカンフをぐるぐるしながら最後ロートルカフェの前 で自分で納得しながら 
私は言った。「だからつまり カフェから時代は創られる っていうのは
人と人とのコミュニケーションだったってことですね!」

 そう コミュニケーションから何かが生まれる 積極的な出会いから
一歩進む出会いから 何かが生み出されて行くわけだ。

 

 カフェは予期せぬ出会いに満ちてる。パリのカフェでも
西国分寺のクルミドコーヒーの店内だって 予期せぬ出会いで
満ちている。そんなこと が起こりうる場所 そうして人生が
前より上向きになっていく場所 そんな場所がカフェなんだ。
ひとつだけ 一歩だけ前にすすむこと ほんの少しの勇気をもつこと
そこから扉が開かれていく 目の前にあったけれども
気がついてなかった扉が。


 フランスは私に勇気をくれた。フランスで得た経験や自信を
ちゃんと日本で活かしたならば きっともっと 前に進んで行けるんだ
私たち には あんまりなくて だけどきっとあったらいいもの
きっとあったら もっと人生が素敵にキラキラしそうなものが
フランスには一杯あるように思う それはファリーダのような
素敵な暮らしだったり 個性的で居心地の良いカフェであったり
コミュニケーションに満ちたビストロだったり
そんな出会いのある暮らし それってやっぱり素敵だなあ。

ーー追記ーー

 クルミドスタップの北村さんがシャルティエの感想を
クルミドのブログに書いてくれています。「空気」よかったら読んでみてくださいね!

 

フランスに行くなら

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