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パリ、カフェ、子育て、サードプレイス、
新たな時代を感じるものなどに関して
徒然なるままに自分の想いを綴っています。

パリ カフェツアー vol.1 ウェプレールとサンミッシェル

2011年12月07日 | パリカフェツアー



 あの日カフェシャルボンでの会話から 私の人生は変わっていった。


 初めて私と一緒にオベルカンフのカフェに行ってくれる人たちを
見つけたその日、初めてまともに自分の意見をカフェで表明できた日に
何かがすごい勢いで変わりはじめて 私の人生は揺さぶられ、
そして今に至ってる。


「日本人向けにこんなことができるといいね」
「個人旅行をしてもなかなか見れないその国の日常に触れられたなら、、、」
「もっとその国の文化を知れるようにナビゲートしてくれる人がいたら、、、」
「そしたらスーパーに一緒に行って チーズの買い方を教えてあげて、、、」
「それから美術館のガイドもやって 空港に看板をもって迎えに行こう!」



 そうしてその日がやってきた。


 夢 というのは何なのだろう と この1年半思ってた。


 私は夢を再び抱くのがこわかった。
だけど夢を抱いてしまった もし それが実現できたら?


 それは力を与えてくれる。 そして それは 素晴らしい。


 「世の中には夢をぼんやりと見ている人と
夢を生きる人の 2種類の人がいるのよ 私たちはきっと後者ね!」
公園で偶然出会った 勇気と勢いに満ちた料理研究家の
ファリーダと 打合せを兼ねて語り合った時 彼女は
私にそう言った。そうして彼女は勇気をくれた。
「とにかくやってみることよ!うまくいかなかったら仕方ないけど
とにかく試してみることなのよ」そう それで うまくいくまで
やったらいい エジソンが言ってたように。成功するまで
やりつづけること それさえすれば、いつの日かきっとできるのだろう。


 様々な偶然や大きな力が働いて 私は強くなっていった。
『シンクロニシティ』に書いてあったけど 自分の道と
怖れずに一体になっているときには扉がどんどん開くらしい。
1年半前の私のパリ滞在はそうだった。そうして今度は 私が
自分で扉を押した。重くても 開かなくても 
私の後ろには11人が待っていたから。そうして私は強くなれた。そう思う。






 誰もいない宿に荷物を預け、一人で空港に向かって行って
ドキドキしながら到着ゲートを見ていると 何人か
出迎えの人たちが看板を持って待っている。私もやってみようかな。
みんなの顔は知っているけど あのワクワクを あの時話したことを
あえて現実化してみるもの悪くない。
カバンの中から紙を探して、「クルミドコーヒーのみなさま」と書き
私も彼らの隣に立ってみた。形から入るというのは
何かを実現する上で大切な要素らしいから。


 時が経ち、空港で知った顔の人たちを見つけ、いざ出発。
ドキドキの6日間がはじまった。本当はバスで行こうかと
思ってたけど 2番線に乗るにはRERで行くのが一番いいらしい。


 初めてのパリを美しい!と思ってほしいものの 
さびれた郊外の雰囲気が第一印象か というのはちょっと申し訳ないけれど
それでも 修学旅行気分のみんなは、自分のノートやカメラを
見せてくれ うきうき気分が伝わってくる。

 RERの北駅からLa Chapelleという2番線の連絡口まで歩き、
重たい荷物をえいやっと持ち上げ、地上を走る2番線へと向かう。
私たちの宿はAnversというところにあるWood Stock Hostelで、ここは
信じられないけどしっかりした朝食とキッチンとシャワーがついて
一人一泊25ユーロという激安のユースホステル。しかもモンマルトルの麓にある!
wifiも私以外はみんなつながってたみたいだし
部屋はかなり暖房がきいてて快適だったし 宿はスーパーのすぐ隣だし
宿のある界隈が素晴らしく素敵なとこだった。



 さて、意外にもみなさんお腹が減っているらしいので、
じゃあ友達にも勧められてて、プラン外だったウェプレールに
行ってみましょうということに。ここなら宿から歩けるし、軽食だってOKなハズ。


 宿のまわりの素敵な雑貨屋さんやカフェが並ぶ界隈を散策し、
モンマルトルの麓を少し歩いて「ここが映画「アメリ」の舞台のカフェ、
ドゥームーランなんですよ。でもご飯はたいしたことないので
お茶するくらいがいいかと思います」と今回は素通りし、クリシー大通りの
歓楽街に度肝を抜かれてしばらくすると ウェプレールに到着だ。




 ウェプレールは庶民的だけど威厳を感じる大きなブラッスリー。
こんな時間に、軽食なんて可能だろうか?どきどきしながら
ギャルソンに「あの、オニオンスープとかだけでも大丈夫ですか??」
と尋ねてみると 大丈夫大丈夫、と布ナプキンのひかれている
テーブルに案内してくれる。パリでは普通布ナプキンがひかれているのは
レストラン席という意味で、 カフェのようには使えない。
まずかったかなと内心思い、もう一度確かめてみると
「だから本当にいいんです」とのことだった。



 案内されてメニューをもらうと 20ユーロちょっとのコースがあるらしい。
ほ 本当?夜で ウェプレールでこの値段?昼じゃなくって?
でも昼限定とは書いてない。これはどう考えてもお得!!と
こちらをおすすめすると けっきょくみんなコースを注文。
せっかくだから、、、と言ってワインも注文することになり
このいい雰囲気に導かれ、結局レストラン席を満喫することに。





 このウェプレールのギャルソンの感じのよかったことと言ったら!!
私はこんなにも素敵なギャルソンに今まで出会ったことがない し
結局彼ほど紳士で素敵な人はツアー中にも出会わなかった。
小娘な私を一人のマダムとして扱ってくれたというか
「けっ団体客め」みたいな感じは一切なく、言うことを1つ1つ
丁寧に聞いてくれ、言葉遣いも身のこなし方も美しかった。
オニオンスープでもいいと通してくれて わけのわからない
注文にもすべて笑顔で 「かしこまりました」と
低姿勢で対応してくれ かつ誰がどこの料理というのを
11人分覚えていた!かっこいい人だったなあ、、、

 自分たちを「ただの団体客」であるとか
「沢山お金を落とす人」というだけでなく、団体だけども
丁寧に一個人として扱ってもらえる。それってとってもありがたい。
ちなみにカフェの時代を創って行った「プロコープ」も
礼儀正しい接客態度を大切にしていたらしい。


 ウェプレールは予想以上に料理も美味しく
前菜の生牡蠣のエシャロットソース添えや
ポトフ、お肉の焼き加減といったら!どれもびっくりするほど
バシッと決まった味だった。私がParis-Bistroの代表から聞いていた
ウフアラネージュというデザートも 頼んでみると
みんなでびっくり。すごく柔らかく軽い口当たりで、口のなかで
メレンゲがほわっととろけていくのがわかる。あまりに美味しくて
どんどん食べていってしまえる、天使のような食感のデザートだった。




 この店、すごい!!とみんなで感動した後は
夜のセーヌ川を見に、サン・ミッシェルへ。寒くても夢みたいに
キラキラしている夜のセーヌはやっぱり見ておくべきだろう。
遅れてサン・ミッシェルで合流した人は、パリで何が一番良かったかというと
駅を降りたときのこの景色だったと言っていた。私もパリに着いたら
まずサン・ミッシェルの夜景が見たいから 1日目に組み込んだんだ。
それくらいここは 特別な場所だと思う。




 さて、ノートルダム寺院をちょっと外から眺めた後は、お目当ての
シェイクスピア&カンパニー書店。ここはアメリカ人のシルビア・ビーチと
フランス人のアドリエンヌ・モニエという2人の女性が一緒に開いた
オデオン通りにあって作家たちの出会いの場になってた
伝説の書店を戦後に復活したものらしい。今でもパリの
アメリカ人のたまり場のような雰囲気で、店内ではいつも英語で
会話がなされてる。ここはすごく独特の匂いがあって 
神保町のような雰囲気にひかれる人にはたまらない。






 みんなの力を借りて勇気をもらい 初めて行った2階には
古書に囲まれたサロンで本について楽しそうに議論を
している人たち。まさに10年前に私が強く憧れ、 
この映画のような世界は本当に実在しているのか?と
不思議でならなくなっていた そんな世界が眼前に広がっていた。
年代物の古書に囲まれたアンティークの椅子に座って
リラックスした雰囲気で 何かを考え 自分の意見を
楽しそうに話す人たち これが2011年の現実だとは
私にはどうもよくわからなかった。


 それからまた別の部屋では気ままにピアノをひいている人がいて
その横で寝そべっている人もいる。 聞こえてくる曲といえばアメリだし
本当にタイムトリップしたみたい。パリはこういうのが
よくあって 目の前にある光景が、果たして夢なんだか 
現実なんだかよくわからなくなってしまう。




 パリの夜 はキラキラしてる。
「パリはね 夜が素晴らしいんだよ」と
広尾のカフェのテラスで出会ったフランス人は私に言った。
40歳を過ぎて子供がいても、「パリは夜が楽しい」なんて
普通に言えてしまう街の生き方。そう、それがパリなんだ。


 だけどガイドを信頼しきってる日本人の私たち は
夜が怖くて出歩けない。だけど団体だったなら?
夜はそんなに怖くない。夜だからこそ
得られる何かが 確実にパリには存在してる
それは一人だけでは味わうことが難しい
パリの日常にある風景。

 かつてピカソもパリの北のモンマルトルから南の
モンパルナスまで歩いたという。それはただ
お金がなかっただけじゃなくって パリの夜の
散歩というのがあまりに魅力的だったからじゃないのかな。



 パリはベネチアでもディズニーランドでもないというのに
ヨーロッパの中心と言える程 経済活動が行われている都市なのに
私達を夢見心地にさせる美しさを21世紀でも保ち続ける。
それが私には不思議でならない。パリは人を 世界中の
人たちを ひきつけて 圧倒させてしまう何かを持っている。
それはエッフェル塔や凱旋門を見るだけなのとは何かが違う
人生を変えてしまうほどの力さえももっている。
そうきっと、パリには「そんなのアリ?」が存在してる。
世界のどこにもありえなくても、パリではそれが許されている。
そんな懐の深い街 に 人はつい引き寄せられてしまうのだろう。


 「青春時代をパリで過した者は
一生パリがついてまわる・・・
何故ならパリは移動祝祭日だからだ」
とヘミングウェイは言っていた。

 せっかっく行くならただの名所を見るのに15万円費やすんじゃなく
人生に深い刻印を残す様な旅をしてほしい。
あれは夢か幻か いや確かに現実だったような
そうして頭の中で何かがぐるぐると変化していく。
そんな旅 の お手伝い。

 パリのカフェツアー。これから報告していきます。
そして次は、よかったらご一緒にどうですか?

 2日目の歴史的カフェツアーの様子はこちらです

フランスに行くなら

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