alternativeway

パリ、カフェ、子育て、サードプレイス、
新たな時代を感じるものなどに関して
徒然なるままに自分の想いを綴っています。

美味しい仕事 その2

2011年12月19日 | フランスの食文化


 今日はようやく先日行かせてもらった
ワインのテイスティング会の記事を書きあげ
そういえばこのワインは日本では買えるのかな?と
調べたところ なかなか購入は難かしかったり
高級だったりするようで ネットによれば
どれも相当価値のある銘柄で質はお墨付きらしい。
ものによってはワインの有名評論家ロバート・パーカーが
五つ星をつけたというのもあるらしく
(これが私の今の超お気に入りのワイン、、、)
なんだかとっても嬉しくなった。

 だってそれらは テイスティング会場で
20以上ものワインを生まれてはじめてテイスティングして
ふらふらになりながらも どうしてもこればっかりは
吐き出したくない!もっと飲んでいたい
倒れても構わないから、、、と思ったワインなんだもん。

 私はその日 あまりに美味しすぎるシャンパーニュと
ロックフォールチーズとのマリアージュを堪能したあと
「もう明日死んでもいい」と思ってしまった。
天にも昇る心地だったおいしいものたち
そう フランスには快楽の味が存在する、、、


 それって一体何なのだろう?

 日本であんまり経験したことないけど
マクロビオティックをやってる友達がつくってくれたご飯は
食べたら身体がむくっと元気になるような味わいで
フランスで感じるとろけてしまいそうな快楽を感じる
味のものたちも 調べてみると生産者たちが
昔ながらの製法でがんばってたりとか 有機栽培を
してたりだとか そういうものが多いらしい。
ということは やっぱり細胞に訴えかけてるってことなのかなあ?
そういったものを食べると私の細胞は活き活きしはじめ
とっても嬉しい!幸せ!と喜んでいるのを感じてしまう
頭より身体が感じて そこから幸せオーラが
全体を包んでいって 踊りだしたくなる感じ?


 フランスではそんな味に出会う頻度が日本よりとても高い。
それは甘さのせいかと思っていたけど どうも質の問題でもあるのだろう
私はなんでこんなに地方の生産物の翻訳ばっかりやってるんだ、、、
とちょっと嫌になることも沢山あるけど(まだ終わらない)
Paris-Bistro.com,の仕事は あとになって
「はーそういうことだったのか!」と意味がわかることが多い。


 おそらくつまり 代表の求める「本当に美味しいもの」は
フランスでは昔ながらの こだわりのある製法で
つくられていて それらがAOCだとかIGPだとか 赤ラベルだとか
こっちからしたらわけのわからないいろんな品質表示を獲得していて
それらは本当に1からこだわってつくられてるから
食べてみると身体がとろけてしまうような
忙しくっても つい文章を打ち込んでしまいたくなるような
そんな味があるのだろう。


 私は今回本当によくわかったけど 世の中には
この人が「美味しい」といったらめちゃくちゃ美味しいという人がいる。
で、Paris-Bistroのローランが美味しいといったらそれはめちゃくちゃ
美味しいんだわ。彼のお陰で私ははずれたことがない。
10年間、私はフランスの美味しさというのを知らないでいた。
だけど最近よーくわかった フランスは美味しい。
だけどそれらに近づくのは簡単なことじゃない
だってあたりはずれが山ほどあるから。
だから店やものを知っていること 舌を信頼できる人が
まわりにいるということ それがとっても大切なんだ。


 私も今回嬉しかったのは 私が美味しいといったワインは
結構おいしく フランス人にもちゃんと勧められるということで
20何種類か飲んだ中で これはやばい、、、!!と思ったワインは
本当にお墨付きだった。それを私も舌でわかった。
そういう舌をもっててよかった。お母さん、そう育ててくれてありがとう。


 我が息子は先日ヒサダさんのチーズ王国で大好きな
チーズを試食させてもらったとき 食べる前にまず
匂いをかいでて「どういう3歳児?!」と店員さんに驚かれてた。
彼は私がワインを飲むときも自分は飲めないことはわかってるけど
「匂いかがせて!」と言ってくる。将来ソムリエになれるかなあ?

 フランスには沢山の美味しいものがある。本当にありがたいことに
私はそんな世界に関わらせてもらえている
(なんと先日試飲しためちゃおいしかったシャンパーニュは
日本では1万6千円もするそうです)

 そんな美味しいワインやチーズ、もっと日本でも伝えたい。
少人数でもいいから ねえフランスには本当はこんなに
美味しいものがあるんだよ って目を見開いてもらいたい。
フランスワイン?苦くてあんまりおいしくない?
頭が痛くなる?お高くって嫌みな感じ?そんなんじゃない
違う世界が存在している それはただ 美味しいものを楽しく愛でる
そしてそんな時間を愛おしむ それがフランスが大事にしてきた食文化。


 今は沢山吸収をして どんな形で還元できるかわからないけど
いつの日かもっと フランス?はあ?と思っている人たちに
フランスの素敵な魅力を伝えたい。

美味しい仕事

2011年10月22日 | フランスの食文化

 今日は急遽 Paris-Bistroの代表から
連絡があって 丸の内のブラッセリーオザミという
フレンチレストランでバスク地方の生ハムやサラミの
プロモーションを行っていたピエール・オテイザさんという
のお話をきかせてもらいに行って来た。


 急だったのであまり連絡がうまく届いてなかったけど
それでもお店に電話をしといたお陰でお店に行ったら
すぐ案内をしてもらえ、ピエールさんもはじめは
「?」という感じだったけど、「覚えてますか?
パリのカフェドフロールの2階でお会いした、、、
あの、酒飲みマラソンの打合せが会ったときに、、」
と言ったら思い出してくれたみたいで それから
ワインと生ハムのプレートを用意してくれ
お話をきかせてもらうことができた。


 内容はまたParis-Bistroの方にアップすると
思いますが(またリンクをはりますので見てくださいね)
今日は あ、そういえばフランス語だ!と思いながらも
なんとかインタヴューができたりしてて とても
素敵なフランスらしい雰囲気の中のお話で
なんだかとても嬉しかった。


 思えば今年の3月に 代表に「ミキ、東京で
フーデックスっていうイベントがあるらしいから
行って来た方がいい」といわれ 新幹線に乗って
即席プレスになった私は 何もかもわからなかったけど
その時はじめて記事を書き それから地震があって
わけもわからずフランスに飛んで行き
何もしないわけにはいかないとParis-Bistroをがんばって
代表と一緒にいろんなところに行かせてもらって
彼の背中を見せてもらった。だからそうして
フロールの2階にも行けた訳 で ピエールさんとも
出会った訳で 本当に 本当にありがたい。


 Paris-Bistroの代表はローランというのだけれど
私はローランをとても尊敬している。今や
Paris-Bistro.comのフランス語版は毎日3500人もの読者が
読んでいるらしく それはひとえに彼のペンの力によるもので
自分がやりたいと思ったことをきちんとした事業にしてって
(彼はアントレプレナーでありジャーナリスト)
沢山の知識と技術とネットワークとフットワークの
軽さと粘り強さで なんとか仕事を形にしてる。
そりゃうまく行かない時だって沢山あるけど
バラ色ではないにせよ それでも彼のやってることは
本当にすごいと思う。そうして私はそのおこぼれに
あずかって いろんな人を紹介してもらえたり
その記事を日本語版にのせていったり。
彼らがすごいなと思うのは 日本語なんて全く読めもしないのに
私が書いていることを信頼してくれて そうその
「信頼」という一言で すべては成り立ってるんだなあ。



 パリには日本人のジャーナリストも一杯住んでるし
もっとワインや食に詳しい日本人も山ほどいるけど
学生時代に事務所を訪れ「日本語版をするなら私に
やらせてください!」と言った私を彼らは信頼してくれて
なんとか今に至ってて 本当にありがたい。

 私はあそこの事務所で仕事をするのが好きだ。
わからない単語やフレーズがあったとき
「ええと この単語はここにかかってるの?」
とか聞きながら いいなあこの仕事
フランス語と食文化が一緒に学べてしまう、、、
生のフランス語の使い方が学校じゃなくて
こんなところで教われるなんて といつも
嬉しくなってしまう。事務所のコーヒーも美味しいし。


 いつだったか パリに居たとき 友達に
パリビストロの話をしてて「まあ大変な仕事ねえ!
そんなにワインと美味しいものを食べなきゃいけないだなんて!」
とエスプリたっぷりに笑われたけど 本当にこの仕事の
お陰で 私はフロールの2階にもいけたし(2階はボーヴォワールがいたんです)
シャンパーニュにも行かせてもらって(しかも蓮太郎は事務所で預かってもらえた)
プレスだからとお土産にシャンパンもいただいてしまったし
今日は「きっと素敵な夜になる!」と念じていったら
ピエールさんにワインとハムのプレートを試食させていただいた。。。
本当に美味しい仕事です。


 昨年の6月、代表の家に招かれたとき 私は
何にもわからなかった。ようやくフランス語ではじめて
自分の想いを表現できた。それははじめての経験で
必死になって話をしながら「この人の考えていることは
『美味しんぼ』みたいだなあ!」と思い ローランの
言うことは本当に全くだ そうだなあ と思うなあと
そのことに驚いた。ローランは本当にいいものや
本当にいい食を大切にしたいのだ。まがいものとか
工業製品とか ただ有名なだけのものではなくってね。


 それからいろんな話をしたけど 私には知らないこと
わからないことだらけであって 先日広尾で勉強したとき
どうして私はこんなにもわかってなかったのになんとか
フランスでやっていたのだろう?と不思議でしょうがなかった。
そして今日ピエールさんと話してわかったけれど
みんな優しく説明してくれたからなんだ。

 シャンパーニュについてまったくもってわかってなかった
私にしっかりと説明してくれたのはシャンパーニュの
案内係のお姉さんではなく やっぱりローランだったのだろう。
チーズ?って どんな種類があるの?と思っていた私にも
彼らは沢山説明してくれた。みんな本当に優しかった
なんにもわからなかったけど 私は前よりは だいぶ
レベルはあがったかなあ それなりにローランの背中を見て
やってきたつもりなのだけど。

 
 わかりやすい文 というのは わからなかった人が
それを自覚しながら わかるようになったとき
わからないであろう人に向かってわかりやすく書く文なのだろう。
私はそのスタンスを大切にして これからも沢山の人に
関わってもらいながらも カフェやビストロ 笑い声のある
フランスらしい食文化 ワインを飲んで議論をしたり
意見を交えたり時に踊ったりする気楽な文化
そんな素敵なフランスの日常を もっと日本に伝えたい。

日本で味わえるフランス的な場に関してはこちら

フランスの食の取材記事

2011年03月09日 | フランスの食文化

 最近はもうどうしよう、、、と
6割くらいはネガティブになり
4割くらいは未来をみつめて
なんとか立ち直ってみたりとか で
あまりに抱えてることがありすぎて
どうしていいのかわからない。


 そんなネガティブで非常に弱気な私にとって
ほんの少しの希望の光を見せてくれるもの
それがフランスに関することとか フランス語で
しゃべることなのだけど そうはいっても
異国は異国 ちょっと普通のモードになるたび
どうしていいのか まったくもってわからなくなる

 それでも進んで行くしかないんだ
第一後戻りしようとしても全然うまくいかないじゃないか
そう自分に言い聞かせたり してはみるけど
なかなかどうして 私は一人でポジティブになれる
タイプじゃないみたい。


 それでも何かは変わり始め
何事かは 今年に入ってから
すごい勢いで動き始めて
ついにはじめて 今一緒に
お仕事をさせてもらってる
パリのビストロ、カフェ文化を紹介するサイトに
翻訳でなく、自分の言葉で文章が書けました!!

 先日カメラ片手に「プレス」ということで
取材をさせてもらったアジア最大の食の祭典
Foodexというイベントの取材記事です。
少しでもフランスの食やワインを身近に感じて
もらえたらいいなと思います。

 この先は日本で面白そうなカフェとか
ビストロやワイン関係の記事も
書けたらいいねと話しています。
フランスってまだまだ面白いとこなので
これを通してもっともっと 私も学んで
沢山のことを伝えて行けたらと思います。
よかったらクリックしてみてくださいね!





ワインとの出会い

2011年03月04日 | フランスの食文化

 「フランスってご飯もワインも美味しいでしょう?」
留学中に 旅行でパリに来た日本人女性出会う度に
こんな質問を投げかけられた。そう言われるたび
私は「そうですか、、、」となんとも言えない言葉を
返してた。だって私が食べているものといったらクロワッサンに
サンドイッチに自分でつくったパスタだったり
ワインなんて興味もなければあまり好きじゃないと
思っていたから滞在中に何度か「もっと飲めばいいのに」
と言われたけれど そんな気にもなれなかった。
当時の私はワインはなんだか渋くて
あんまり美味しくないものだと思ってた。


 ところがそんな私に大きな変化が訪れた。

 それは私の人生を大きく変えることになる
6月の まさにあのカフェで語り合った日なのだろうか
どうして私は ワインが好きになってしまったのか
それはよくわからないけど あの恐ろしい
「コンフェランス・ド・ラ・プレス」というのが
発端だろうということは間違いなさそうだ。


 そこのコンフェランス、、、ってなんだったのかと
思ってたけど 最近になって辞書を引いて意味を知ったら
なんと「記者会見」だったらしい。私は
全くわかってないまま会場に出向いてしまって
そこでフランスのワインの規制の変化について
全くもって理解できない話を2時間くらいきかされて
そこで私はちょっと持ってたフランス語に対する
自信を全部失って だけどもうちょっと知ってみたいから
帰り際に ワインの本を買ってみた。


 そこから何かが変わっていって
本当に何も知らなかったワインに少しずつ
触れて行き 「ラーオーセー」って何なのか(L'AOC)
フランスにはどんな地方があるのか
ぶどうの品種にはどんなのがあるのかとか
ちょっとずつだけど学んでいった

 それだけじゃなく 何よりも大切なこと
それはワインの味わい深さ 奥深さを
身をもって体感できたことだろう。


 昨日ははじめて「取材」と称して
(なんと私は「プレス」になって
「プレスルーム」に行ってしまった!)
幕張メッセのFoodexというイベントに行き
そこでフランス関係の企業がどんなものを
出しているのか見にいったのだけど
まあ半分以上はワイン!ワイン!で
ボトルが100本以上並んでる、、、


 なんとなくワインというだけで
華やかで高級で敷居の高そうな感じがしたけど
新幹線代払ってまでここに来たのだ。
かなり気合いを入れて来たから
なんとなく素通りなんかしちゃいけない!と
会場にいること6時間。なんとか勇気を
振りしぼり 折りを見てはフランス語で話しかけ
ワインを試飲させてもらったり
お話をきかせてもらったりした。


 今回ここで試飲したのはモンペリエの近く(ミネルヴォワ)の
赤ワイン、ボルドー近く(ベルジュラック)の白ワイン、
タヴェルという、アヴィニヨン近くのロゼワイン、
それからドイツワインにベルギービール、紅茶に
日本酒、ベトナムコーヒー、、、、

 色々と飲んでみると 本当に同じ「ワイン」という
名称なのに どれも味わいが全然違って
記憶に残る味わいだった。なんというか
フランスの奥深さを感じられる経験だった。
前にパリで4種類のワインの試飲会を
友人宅で開催してもらったときも
全然味が違ったけれど
「みんなちがってみんないい」って感じなんだなあ
「それぞれ違って それぞれの味わいがあるから面白い」
という、、、フランスワインはそれを味で示してくれてる
そんな気がする。夏以降いろんなワインを飲んだりしたけど
フランスのワインがいいなあと思うのは
複雑な味の広がりだったり変化だったり
地方ごとに全然違う味わいがあるからなのだろう。
その違い、多様性、同じじゃなくてもいいということ
それが私の心も一緒に開かせてくれる そんな気がする。


 本当に美味しいワインや本当に美味しいものは
やっぱり作り手の人の想いがしっかりと入っているのかなあ
それを感じられた時に「うっわあ美味しい!!」と感動し
その味わいがいつまでたっても舌に残って
忘れられなくなるのかな。

 先日友人と行ってみた大山崎のサントリーのウィスキー醸造所で
味わった「山崎」もめちゃくちゃ美味しくて
ああこの空気で味わうの最高、、、、!と二人で感動していた。
そういう 味と その雰囲気とが相乗効果を生み出して
記憶に残る味わいになる それって本当に素晴らしい。


 ワインは一人で飲むものじゃなくって
誰かと一緒に楽しい雰囲気で その時間全部を楽しんでると
より一層美味しくなるもの。美味しいワインを選べるようになったなら
美味しいワインと楽しい食事と会話でいい時間が過せるかしら
ワインと料理のマリアージュ 
心まで溶けて行きそうな気分にさせる魔法をもった
フランスの美味しいものたち
昨日はちょっとそんな気持を思い出させてもらえたから
これからももう少し進んでいって
楽しい食のあり方を 私ももっと探りたい。

食と議論を楽しむ文化

2011年01月12日 | フランスの食文化


 昨日の夜はParis-Bistrot.comの
ディレクターのお家に夕飯を食べに行き
「ところでミキ、どうやって帰るの?」
と聞かれた時にはもう24時になっていた。

 ひゃー!!23時くらいだと思ってたのに
20時すぎに事務所に行ってから、気がつけば
4時間も経っていて なんだか沢山しゃべったものだ。



 正確にはよくわからないけど
おそらく私が思うには パリではディネというのが
大切で ディネというのは夕飯をともにすることで
ディネに招かれるというのは親密さの証なんじゃないかと
私は前から思ってる。というのも留学時代には
そんな経験は全くなくて 初めて知り合いの人の
ディネに招かれた時はとっても緊張したからだ。
ディネでは何が大切かって それは話をすることで
フランス人のお得意の議論になったときに
自分も話ができるかどうか それがとっても大事なのだけど
はじめてディネに招かれたときはほとんど何も
しゃべれなかった。だってスピードがすごいんだもん。


 その時は私の知らない人の家だったし 招かれた人も
6人くらいいたわけで はじめてにしてはハードルが
高すぎたのだろうと今になったら思うけど
昨日のディネはとっても楽しく アハハ!!と笑えて
面白かった。


 私はフランスの何が好きかって 適当なところ
ご飯とか 食べてもいいけど お腹減ってないなら
食べなくてもいいんじゃないとか
フランス人が日本に来ると 蕎麦屋に連れて行ったのに
あえてたこわさやきゅうりのつけものや豆腐だけを食べたりだとか
普通は定食を食べるというのに「刺身だけ食べたい」だとか
そんなの昼の12時にありなのかよ!ということを
平気でやって 度肝を抜かれることがある。
そして彼らは平気な顔してこう言ってくる
「だってお腹空いてないんだもん」
あ そうですか、、、、


 お腹が減ろうが減るまいが お昼になったらご飯を食べる
自分の都合はどうであれ 夜になったら夕飯をつくる
そういうものだと思って縛られていた私にとっては
あまりのフランス人の自分本位な考え方に
たまについてけないと思うけど でも
どちらかといえばこっちの方が合っていて
日本でいつも 誰かを気にして、でも出来なくて
非難されてるように感じているより
ああそっか お腹へってないのか ならいいか
それでも生きてられるんだ、、、と思ってる方が
私には心地がよいみたい。


 日本で主婦をやってると それこそ
マクロビオティックの本とか読むと
「あれもだめ これもだめ こうしなきゃ
きちんとできない妻はだめ!」という感じがしてて
私は読むたび「そうかー じゃあがんばらなくちゃ」と
思わされ そのあとでまた激しく葛藤したりする。
(ちなみに私の本『cafeから時代は創られる』は
愛知県の吉村医院という超有名な自然分娩の
産婦人科に見学に行ったあとに、でも私は
母にだけなんてなりたくない!と家に帰って号泣し
その葛藤がもとで執筆することになりました)


 でもこちらにくると 例えば日本は1日30品目
食べましょうといっているのに(そしてうちの母は
それを守る感じの人なのだけど)こちらでは果物も含め
1日5品目は野菜を食べましょうと言っている。
日本人からしたら笑っちゃうけど そんなのでも生きている。

 それだけでも笑い事だけど ロンドンに行って来たばかりの
フランス人が「イギリスの料理なんて最悪だよ!
あいつらは料理なんてしないんだ」と言っていた。
「スーパーにいってもほとんど出来合いのものか
冷凍食品ばっかりで お菓子なんてめちゃくちゃ甘くて
食べられるようなもんじゃないんだ。 お昼には軽い
サンドイッチとかを食べてね 3時になったらお茶とお菓子で
また夜になったら軽食とお茶とお菓子なんだよね。
イギリスはお茶はいいけど それがなかったら
ひどいもんだよ!」と言っていた。


 お茶の文化があるっていいじゃん
この間イギリスの映画を見ていたら
ゾンビの出て来る映画なんだけど
ゾンビ退治をしてる間ですら彼らの一人が
「まあお茶でもしよう」といってお茶を
しながら作戦会議を練っていた。
これはかなり笑えるシーンで
そんな文化はいいと思うけど
そうかイギリスってそんな食なんだ。
それでも人は70歳くらいまで生きられて
違う幸せがあるのなら 私はそれでいいと思う。


 日本では「食で全てが幸せになる!日本食最高!」という
教えみたいなのがあるけれど 確かに日本食は
素晴らしいけど その玄米菜食とかを守れば
本当に幸せになれるのかって 私にはそうは思えない。
食はいのちかもしれないけれど
食だけがいのちじゃないよ。
食は本当に大切だけど 食を彩る
関係性とか 会話とか 楽しみ方とか
そういうものが 本当はもっと大切で
玄米を黙々と50回かんで食べてれば
それでハッピーになれるかって 
私にはどうもそうとは思えない。


 世界にはもっと違う生き方があり
もっと違う人生の楽しみ方があるようで
いくらおいしいご飯があっても
そこに楽しい会話や楽しい関係性がなかったら
楽しい時間は生まれない し
身体の細胞もそんなに喜んでいないんじゃないのかな

 フランスのディネの文化やかつて存在していたらしい
週末に長々と昼食をとる文化 は おいしいご飯は
もちろんだけど そこでの会話をいかに楽しむか
誰がいれば面白いのか どんな雰囲気に
したらいいのか そういう食を中心にした
場づくりという感じなのかな

 昨日は6ヶ月前に比べて 私もだいぶ
言いたいことが言えるようになったみたいで
一緒に笑えて本当に嬉しくなった。
美味しい物を食べながら 時間をかけて
会話をしたり論じたりする それって
本当に素敵な文化。飯田家はお正月に
親戚で集うとおせちのまわりで4時間くらい
話してた。そうしてイギリスのお茶を飲みながら
ずーっとしゃべる。私はそこにいるのが好きだった
私もいつか仲間に入りたい
私もいつか議論がしたい
そう 思っていたのかな。


 もっとフランス語がしゃべりたい
もっとフランスでしゃべっていたい
日本のことも大事にしながら
もっとちゃんと勉強しながら
だけどここで論じていたい
ここでいろんなことを考えていたい
日本語もちゃんと大切にして
考えたことを日本語で日本の人に伝えたい。
フランスはバラ色なんかじゃないけれど
悪いところも沢山あるけど
もう少し日本とフランスの中間くらいの
思想のバランスがとれたなら
かなりいいのだろうと思うのだけど
だから私はもっと知りたいしもっと書きたい。





 「次はいったいいつ来るの?」

 「次会うことはあるのかな?」

 そう言われる度 苦しいけれど。

 戻ってこよう 私はここに戻ってこよう

 だってパリでは ちょっと散歩をしていたら
あ!と ロダンの彫刻に出会えたりする。
しかも私の大好きなやつが 偶然目の前にあったりもする
沢山の芸術家たちがパリに来て
ここだと思って そこに居着いた
今おもしろいのはベルリンなんだよと昨日言われてしまったけれど
でも私はパリにいるのが好きだなあ

 何がどうなってくかなんて
まだまだわからないけれど
きっと神様がいると思うから
私はやっぱり ここに戻ってこようと思う。

日本食のソワレ

2011年01月09日 | フランスの食文化


 昨日は前回パリに行ってから圧倒されて
思い出に残って仕方なかった人のお家に
遊びに行って みんなで日本食を料理して
めっちゃフランス的な雰囲気の中
シャンパンやらワインを飲んで デザートには
プラムを浸けた消化によいというお酒をまた飲み
食べてみたかったガレット・ド・ロワというお菓子も
食べて 本当に素敵な夜だった。


 いやあ 天国みたいだね、、、と
ご飯を食べたみんなで言ってて幸せで
こちらにきてから 幸せとか天国みたいとか
夢みたいとか 人生は意外と悪くないとか
それどころか美しいとか そんな言葉を発してる。


 パリに住みたい と思うもの の
私には大きな難問があり まあいろいろ
問題はもちろんあるのだけれど
大丈夫かな と思うのが 日本食がめちゃくちゃ恋しいことで

 チーズもワインもハムもたくさんのお肉もある国で
私は最近揚げ出し豆腐が食べたいだとか
お雑煮がたべたいだとか いんげんのごま和えが食べたいだとか

 そんなことばかり考えていて

 これを読んでる人からしたら
バカみたいに思えるだろうけど
こちらはけっこう重傷です。。。


 昨日の夜はその家に住んでる日本人の子と一緒に
日本人街を歩き廻って食材を物色し
ごはんにあら汁、かきあげに唐揚げに大根サラダに
餃子というメニューになった。そしてそのどれもが
美味しくて 私もぐわーとつくっていって
そのスピードをちょっとほめてもらえて
ああ日本で主婦をしてきたのがここで活かされるのかも
とちょっと思えて嬉しくなった。


 またしてもこちらでは「なまけものとインテリジェンス」の
話をきいて なまけものであるためには頭を働かせないと
いけないからそれは両立可能なのらしく
人間はなまけものでありたかったから食器洗浄機や
掃除機を発明したんだよ そうだろう?と言われてしまう


 私の方も主婦をしながら 自分の時間は絶対に確保
したかったから 外に遊びにいってもなんとかご飯が
つくれるように 子供が6時過ぎまで寝ていてその時間
研究に費やしていてもなんとかご飯が間に合うように
結婚してから3年間で ずいぶん手際がよくなった。
そんな技術はなまけものでありたかったから手にいれられた
わけだけど そんな私程度の技術でもここでは
みんなにほめてもらえて なんだかとっても嬉しいのです。


 料理って 何でするのかなと思ってたけど
10年前にはほとんどできなかったけど
技術をちゃんと身につけたなら 他の世界に行った時にも
それを活かすことができるんだ。日本食が食べたかったら
しかもダシをちゃんとつかった 自分の味が好きなのならば
ちゃんと身につけるしかないなあ


 変だなあ 日本じゃこんなに恋しくないのに
(といってもあまり洋食派ではないのだろう)
だけどそれでも みんなで美味しい!!美味しい!!といいながら
フランス的な雰囲気の中でお酒を飲んで楽しく話す
それは本当に最高だった。これが日本に帰ってあるかというと
それはまったく違うんだよなあ、、、
パリでおばんざいやさんでもしようかなあとか
話をしてて そんな夢想を膨らましていく
そういうこともけっこう楽しい。


 フランスには 日本にはない何かがあって
日本が進んでるところももちろん沢山あるけれど
(ここの子供達はひたすら任天堂のゲームばっかりやっている)
でも考え方、とくに人生に対する考え方は
かなり違ってそれが私には本当に驚かされるし
しかもけっこう納得させられる。


 この国では 楽しそうに生きてる人が
圧倒的に多いみたいで 人間らしく
その人らしく 無理なんかしない
我慢なんて あまり価値観の中に含まれてないようだけど
道にはいっぱいゴミがおちてて 落書きだってすごいのだけど
もっと みんな 自然な笑顔で 好き勝手にやっている


 ああそうか あの人が好きにするなら
私も好きにしたっていいのか
ああそうか お隣さんがうるさくするなら
こちらにもその権利だってあるわけか
ほんならパーティ開いてみるか。そんな感覚。

 全部押さえ込まなくてもいい やりたいなら
やればいい 日本では「自由」というのは
いつも条件つきだけど ここでの「自由」は
もっとなんだか範囲が開けているような
そ そんなのもありなんだ、、、
でも 幸せだったら 楽しかったらいいのかもね
そういうことがいっぱいおこる。

 日本では「せっかくの人生ワクワクして生きる方がいい」
っていう人なんて のりやすさんとか 有名人的な
人しか言わない感じがしたけど こちらでは
「人生一回しかないんだから楽しく生きた方がいいでしょう!
我慢ばっかりして何になるの?」という感じが
けっこうスタンダードな気がしてしまう
飛行機で12時間の遠い異国 は
私の属して来た国と まるで価値観が異なっていて
その2つの中でゆらゆらするけど
けれどもなんだか心地よい。


 この先どうなっていくのかなんて
まだまだわからないけれど
パリの空は今日は青い。とりあえずパリを
歩いてこよう。歩きさえすれば 
パリは 何かが待っている。


ワインに触れる

2010年09月04日 | フランスの食文化


 「飯田さん フランスにいるからには
美味しいもの食べてるんですよね?」と
昔 留学していたときに たまに
パリにきた年上の日本人にきかれたりしていたけれど
そう言われてみる度に はて、美味しいもの、、、?
と思ってた。うーん クロワッサンに
パンオショコラ?あとカフェクレームか。

 だけど私は学生だったから
いわゆるまともなフランス料理だなんて 
食べる機会もほとんどなくて だから
何のことだかわからなかった。

 しかも私はお酒が得意じゃなかったし
ましてやワインはあまり美味しいとも
思えてなくて 何か集まりがあるときも
選び方すらわからないから
とりあえず安くていいや と
あまり美味しいのを飲んでこなくて
「フランスにいるのに美味しいワインを
飲まないなんて!」とたまに嘲笑的な目で見られてた。


 でもさー ワインって美味しいかなあ
と 思っていた訳なんだけど


 なんでなんだか 6月にフランスに行った際には
急にワインに興味をもって せっかくだから
少しは勉強してみよう と そんな気持ちになっていた。


 おそらく私にそんなモチベーションを抱かせる
かなりのきっかけになったのは 
私が一緒に仕事をちょっとさせてもらってる
Paris-bisrtot.comというサイトをつくっている人が
私がパリにもう少し残ると決めた時
「それならせっかくだからコンフェランスドゥラプレス
というのに行ってみる?フランスの食物を知るのには
いい機会だよ ワインとかチーズとかソーセージ
なんかについての話をする集まりでね きっと
ミキには何のことやらわからないだろうけど
機会としてはいいかもしれない」と誘ってくれたからだろう。



 はっきりいって その電話では
コンフェランスドゥラプレスというのが
何を意味しているのか全くわからなかったけど
うーんいろんな製品が見れたりするのかな?
小さな見本市みたいなものか?と想像をして
「行きます!」と言ってみた。


 じゃあ木曜4時にマドレーヌでね と言われたものの
直前に彼から電話がかかり「申し訳ないけど
急用ができてどうしても行かれないから
悪いけどミキ一人で行ってみてくれる?」と言われてしまう。
えええ!!!と思ったものの もう私は
会場のほぼ隣まで行っていたから ここは
勇気を出してみるか!と重い扉をあけてみた。


 それが悪夢のはじまりだった。


 「あの、、コンフェランスドゥラプレスに来たんですけど、、」
と受付で話をすると「はあ?あなたが?」という顔をされ
説明をして2階にのぼると またしても「はあ?」という
顔をされながら席につく。え?なんか ここ
教室みたい そうあの悪夢のパリ政治学院の
小さな小さなあの教室で みんながフランス語をしゃべってる、、、


 そして会がはじまって お偉いさんが
「どこどこのワインのなんたらという仕組みが
変わることになりました くわしくは明日発表が、、、」と
話をしてる?は?AOC?アペラシオンって何のこと?
グランクリュって?大きな、、、生?
(ポワソンクリュは「刺身」でジャンボンクリュは「生ハム」)
まったくもって意味がわからない。ヒエラルキー?何の?
これほどまでに言葉が全くわからないのは
シアンスポーの授業以来で 本当にあのころの
授業のように 急に私の心臓はドキドキしはじめ
息は苦しくなってきて かなり危なくなってきた。


 なんなんだろう 私けっこうフランス語
やってきたと できるようになってきたと
思ってたのに それは錯覚だったのか、、
何もかもがわからないから もう病的に眠くなり
早く終われ!!としか思えない
あきらかに専門的なフランス人ジャーナリストの集まりの中で
わけのわからぬ日本人がただ一人。
わからなくっても仕方ないでしょう
きっとあなた方はそう思うとは思えども
どう振る舞えばいいのかすらもわからずに
ただただこの場を去りたいと願う。


 ええい もう やっぱり行こう!


 そう思った2、3分後 会は終わるきざしを見せて
ほっとしながらさよならを言って席を立つ。



 これほどまでに 屈辱的に何もかもわからないのは
一体どうしてなのだろう どうしたらいいかわからないけど
とりあえずこの足でオペラにいって ブックオフで
ワインの本でも見てみよう。 なんだかそういう気になって
そうして私はよせばいいのに フランス語のワインの
本を買ってみて それから会った友人たちに
ワインのことを教えてもらって そうしてそれが始まった。

神の雫(1) (モーニングKC (1422))
オキモト・シュウ
講談社

(フランスで教えてもらったワイン漫画
これでいろんなことを知りました)



 この日は本当に何一つ 私は知らなかったけど
それから3ヶ月が経った今 少しはワインのことを知り
沢山の人に助けてもらって へーワインって
こんなに美味しく飲めるんだ!とか
こうやってラベル読むんだとか、 へーこれはこんな味なのかと
だんだんと 楽しめるようになってきた。
みなさん本当にありがとう。

 そしてフランスにおいて ワインがある生活を
するというのと ワインのない生活をするというのは
雲泥の差があるなあということに
今になってようやく気づいた。
だっておいしいワインはとても美味しい。
それに美味しい料理があったなら
それは本当に幸せで 忘れられない瞬間になる
クロワッサンだけ食べてちゃだめだね
フランスには「生きる喜び」というような類いの
言葉が沢山あるのだけれど 公園で一人
サンドイッチをかじっているのと 誰かと一緒に
美味しいワインとご飯を食べるのじゃ
「生きる喜び」が全然違う。





 そしてそんなワインをもうちょっと知るために
今日は京都で開催中のフランス映画祭
(つい最近その存在を知ったのだけどかなり面白そう)
上映されてた'Mondovino'を観てきました。

モンドヴィーノ [DVD]
クリエーター情報なし
東北新社


たくさんの人のおかげで少しは知識もあったので
すごく得るところが大きくて
とってもフランス的な映画で
その表現の仕方とか その皮肉っぷりと
ユーモアだとか そのアンチグローバリゼーションや
生産者の人の頑固さだとか でももはや
ものすごくインターナショナルで
でてくる人たちの何人も が
さっきまでフランス語でしゃべってたかと思うと
イタリア語でしゃべっていたり 英語になったりと
バイリンガルに生きていて さすがだなあ!と
思わされる。とってもグローバルな視野の映画で
日本人にはあっちいったりこっちいったりで
大変な感じがするだろうけど 日本の外に出てみると
他の世界は もうこんな感じになってるんだな
アメリカいったり イギリス行ったり イタリアの土地を
買ってみたり 世界はめちゃくちゃグローバルな
つながりの中で動いてて それを動かす人たちがいる
それに抵抗する人たちもいる
でもどっちにも言い分があり 納得できる
その両面をそなえているのが まさにフランス なのかなあ。


 カフェだけでなく 子育て 家族 ワインに
アンチグローバリゼーションに 哲学 文学
絵画に社会変革に? やっぱり私にとって
フランスのことを知ることは とっても意味があるようで
少しずつ 学んでいったら ここでも還元できるかな?
沢山の問題を抱える中で 彼らは彼らで動いてく。
何が正解なのかだなんて 誰もわからないけれど
それでも彼らは声をだし デモやなんかをやってみる。
そこから変わることがあるから もっといい
暮らしがあるのかもしれないのだから
そんな姿勢が私は好きだ。

フランスに行くなら

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