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パリ、カフェ、子育て、サードプレイス、
新たな時代を感じるものなどに関して
徒然なるままに自分の想いを綴っています。

パリ カフェツアー vol.5 シャンパーニュメゾン見学

2011年12月08日 | パリカフェツアー



 エペルネーからランスに着くと、駅を降りて右手に観光案内所。
そこで地図を入手して、3時に予約したポメリーに行くには
どうしたらいいか考えます。1時間あるし、案内所の人は
ポメリーまでは徒歩30分だと言ってるし、余裕で行けるかな と
思ったらそれもまた大間違い。




 フランス的なスケールの大きな素敵な公園でのんびりしたり
ランスの素敵なクリスマスマーケットを見ているうちに
あっという間に時間が経過。こうなったらバス?ポメリーには
4番のバスで行けるというのを聞いていましたが間に合わず。
仕方がないので全員また駅に戻ってタクシー3台でポメリーへ。
(タクシーで10ユーロ程度です)「歩いて30分」と言われたものの
タクシーで車窓をみてると これは徒歩は無理だろう!!と
思わされました。


 さて、ようやくポメリーに着いて急いで予約を確認すると
早口の受付嬢は「3時の予約?違うんじゃないですか?14時何分のは
もう過ぎましたけどそれじゃないですか?16時半まで待ったら英語の回で
8人なら行けますが、、、」はあ?何を言ってるんだこの人は!
16時まで待てるかよ?だいたい予約はちゃんとしたんだと
負けるものかとねばっていると、どういう風の吹き回しなのか
「わかりましたよ 3時で12人ですね。じゃあとにかく急いでください!」
とのことになる。一体どうなっているんだか、、、

 ポメリーは見学と試飲つきで、Brutだと12ユーロ、ミレジメだと
14ユーロのコースになっていて(それ以上もあります)
前回のミレジメがかなり美味しかったので、今回はミレジメにする人続出。
いそいでお金を払って急いで中に入ってこんどはなんだか待ちぼうけ。
メゾンによって いや 行く先々で フランスは対応が本当に違う、、、


 さて、シャンパーニュの試飲はおそらく入場時に2杯頼むとそう
高くはないのですが、どうやら見学でうまくもうける仕組みらしくて
見学後に「やっぱりせっかくだしもう一杯試飲したい」と
思ってみると、ここはパリ?と思うほど高い。シャンパーニュにきて
テイスティングで一杯6ユーロとかするんです!何杯か楽しみたい人は
入場料を払う前に決めておくことをおすすめします。
(ちなみにシャンパーニュのテイスティングをしまくりたい人には
私はワインのサロンに行くことをおすすめします。入場料さえ払えば
テイスティングし放題です。)




 さて、なんとか見学窓口に行かせてもらうとなんだかごみごみした感じ。
案内の人もあまり親切なかんじじゃありません。ポメリーは旦那さんの
死後、ポメリー夫人が切り盛りして大いに成長をとげた大手の
シャンパーニュメゾン。地下深くに入り、芸術を深く愛した
彼女の想いを受け継いだこのメゾンの貯蔵庫には、現代アートも
いくつかあって、地下の暗闇から聞こえてきた犬の泣き声に
本気で驚いた人もおりました。そう なんかポメリーのエスプリは
フランスの貴族的というか、案内係の人も「あなたたちがちゃんと
いい子にしてたらシャンパーニュを飲ませてあげるからね」なんて
言ってましたが、そういう上から目線のからかいが入ったエスプリを
感じさせる気がします。


 その最たるものは「ポメリゼ」なのでしょうか?参加者の一人が
「貯蔵庫にあった京都とかマドリッドとか書かれていた青い看板は
何なんですか?」と質問したところ、小悪魔的な雰囲気の案内嬢は
ちょっと笑って「あれはいわゆるポメリゼの証なの」と言いました。
ポメリゼ?ピクニックすることをピクニケといってしまうかわいい
動詞のあるこの国、ポメリゼとは何なのでしょう?「ポメリゼっていうのは
いってみればポメリー化するってことで 夫人がそこを征服した
証なの。その地でポメリーのシャンパーニュが飲まれるように
なったってことね。そうやってあそこはOK あそこもOKと
印をつけていったのよ」こりゃポメリー夫人の野望じゃないか。。。
この夫人、サロンの女主人たちとなんだか似た様な
野望と征服欲を感じさせる夫人だなあ。それにしても19世紀に
京都でもシャンパーニュが飲まれていたとは!誰が?どんな風に?
ちょっと気になりますよねえ。。。





 ポメリーでフランス的気高さの在る、つまり迎合を許さないような
フォアグラのようなフランス料理にこそバシッと合いそうなシャンパーニュを
試飲したあと、一行はまたしても酔っ払い、田舎的のどかさも
重なって、開放感でいっぱいになり、クルミドソングを歌ったりしながら
歩いてのんびりやっていました。途中見つけた素朴なパティスリーで
相当おいしい手作りタルトをほおばったりしながらランスの大聖堂に
着いたときにはもう時間が押し気味に。




 だけどこれを見ないでは帰れない!だってランスの大聖堂は
フランスが誇るゴシック建築の最たるものだから。
フランスの王様になる人はここで戴冠式をしないと王として
認められなかったそうなのです。


 非常に装飾性に富んだ、ちょっとやりすぎな気もする正面の
飾り気のすごさとは裏腹に、堂内に入ってみるとパリとは
違って観光客も少ないせいか、とても神聖な雰囲気でシーンとしています。
私もいくつも教会には行きましたが、ランスの大聖堂、これほどまでに
神聖で神々しい雰囲気のある教会ははじめてでした。
時間さえ気にしないでよければ本当にいつまででも座っていたい、、、
とにかく本当に入れてよかった いままで見た中で一番穏やかで
ありがたい気分になれる教会でした。



 さて、ここからが危険な時間に。私たちが
TGVを予約していたシャンパーニュアルデンヌ駅までは、
トラムや電車がありますよとは言われてたものの、ここはランス。
そう パリではないのです。しかも土曜日の今日は
予想以上にトラムの本数が少なく私はちょっとパニックに。。
間に合わなかったらどうしよう、、、

 TGVは18時19分発。このトラムの駅をトラムが出るのが
18時前。駅迄は約15分から20分かかるという。
果たして間に合うのだろうか?だけど他に方法は?
駅に戻っても電車はおそらくないだろう。
タクシーも駅前までいかないと拾えないしかなり遠そうだ。
これはもう まって賭けてみるしかない、、、



 なんとかトラムに乗ってみたものの、後は祈るしかありません。
意外と早い?あと何分?いや けっこう遅い?
とにかくみんな全力でダッシュしよう!ということを決め
ドアが開いた瞬間に一行はクモの子をちらすように猛スピードで
駆け上がりました。誰一人後ろを振り向くものはいません。
こんな風に走ったのは一体何年ぶりでしょう、、、、


 一番早かった男の人たちは一目散に電車のあるところへ
向かいましたがどうもあやしい どうもTGVではなさそうです。
時計をみると2分経ってる。もういってしまったのでしょうか
上にもどって掲示板をみると表示はありません。
目の前では必死の眼で「TGVは?!」と探している人たちが他にもいます。
ゼエゼエいいながら窓口にいってみるとやっぱり行ってしまったらしい。
こういうときは時間に正確なんだねえ、、、


 とにかくどうにかするしかない。パリに戻らないわけにはいかない
一体いくらかかるのだろう?とにかく必死で話をすると
まだ電車はあるし なんと一人追加で16ユーロで帰れるとの
ことだった!!よかった、、、 私にはいまだによくわからないけど
どうして16ユーロですんだのでしょう??券をみると30ユーロと
刻印されていたし、行きのチケットをみると「出発前までは
払い戻し可能」と書いてありましたが、、、保険に入ってみたから?
とにかく全員復路のチケットがあったおかげで、一人一人名前の入った
チケットを新しくいただくことができました。本当に
みなさんすみませんでした!!!


 この後しばらく私は呆然としていましたが、ここでシャンパーニュ
アルデンヌ駅から眺めたランスの夜景がすごく美しくて心に響いた人も
いたそうです。私にはまったく余裕がなかったために、となりで「わあきれい!」
と言えるその人がすごいなと関心してしまいましたが。。。





 さて、みなさんの協力のおかげで再びトラムにのって
「これはクリスマスマーケットを見るためだったのかな」とか
なんとか言って、夜のまばゆいばかりの楽しげなクリスマスマーケットを
各自堪能し、絶対に時間厳守で駅集合になりました。



 ランスのクリスマスマーケットはパリのとは違い とても温かみが
あって規模も大きく、家族連れでにぎわっていて それだけでも
地方まで来た甲斐があったのかな?と思わされました。
ランスはなんだかディズニーランドが現実になったような街でした。






 最後の電車は走ることもなく余裕をもってしっかり集まり
温かいTGVに乗った途端疲れが出たのかついコックリ、、、
気がつけばもうパリでした。シャンパーニュに行かれるみなさん
ぜひとも時間には余裕をもって行動してくださいね!!



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