幸福は厩(うまや)の中にゐる
藁(わら)の上に。
幸福は
和める心には一挙にして分る。
頑(かたく)なの心は、不幸でいらいらして、
せめてめまぐるしいものや
数々のものに心を紛らす。
そして益々(ますます)不幸だ。
幸福は、休んでゐる
そして明らかになすべきことを
少しづつ持ち、
幸福は、理解に富んでゐる。
頑なの心は、理解に欠けて、
なすべきをしらず、ただ利に走り、
意気銷沈して、怒りやすく、
人に嫌はれて、自らも悲しい。
されば人よ、つねにまづ従はんとせよ。
従ひて、迎へられんとには非ず、
従ふことのみ学びとなるべく、学びて
汝が品格を高め、そが働きの裕(ゆた)かとならんため!
□中原中也「無題 Ⅴ幸福」(『山羊の歌』(文圃堂、1934)所収)
↓クリック、プリーズ。↓
【参考】
「【詩歌】中原中也「朝鮮女」」
「【詩歌】中原中也「朝の歌」」
「【詩歌】中原中也「曇天」」
「【詩歌】中原中也「つみびとの歌 ~阿部六郎に~」」
「【詩歌】中原中也「夕照」」
「【詩歌】中原中也「骨」」
「【詩歌】中原中也「月夜の浜辺」」
「【詩歌】中原中也「一つのメルヘン」」
「【詩歌】中原中也「湖上」」
「【詩歌】中原中也「汚れつちまつた悲しみに・・・・」
「【詩歌】中原中也「サーカス」」
「【詩歌】丸ビル風景 ~正午~」
藁(わら)の上に。
幸福は
和める心には一挙にして分る。
頑(かたく)なの心は、不幸でいらいらして、
せめてめまぐるしいものや
数々のものに心を紛らす。
そして益々(ますます)不幸だ。
幸福は、休んでゐる
そして明らかになすべきことを
少しづつ持ち、
幸福は、理解に富んでゐる。
頑なの心は、理解に欠けて、
なすべきをしらず、ただ利に走り、
意気銷沈して、怒りやすく、
人に嫌はれて、自らも悲しい。
されば人よ、つねにまづ従はんとせよ。
従ひて、迎へられんとには非ず、
従ふことのみ学びとなるべく、学びて
汝が品格を高め、そが働きの裕(ゆた)かとならんため!
□中原中也「無題 Ⅴ幸福」(『山羊の歌』(文圃堂、1934)所収)
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【参考】
「【詩歌】中原中也「朝鮮女」」
「【詩歌】中原中也「朝の歌」」
「【詩歌】中原中也「曇天」」
「【詩歌】中原中也「つみびとの歌 ~阿部六郎に~」」
「【詩歌】中原中也「夕照」」
「【詩歌】中原中也「骨」」
「【詩歌】中原中也「月夜の浜辺」」
「【詩歌】中原中也「一つのメルヘン」」
「【詩歌】中原中也「湖上」」
「【詩歌】中原中也「汚れつちまつた悲しみに・・・・」
「【詩歌】中原中也「サーカス」」
「【詩歌】丸ビル風景 ~正午~」