語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【詩歌】中原中也「朝の歌」

2015年08月06日 | 詩歌
 天井に 朱(あか)きいろいで
   戸の隙を 洩れ入る光、
 鄙(ひな)びたる 軍楽の憶(おも)ひ
   手にてなす なにごともなし。

 小鳥らの うたはきこえず
   空は今日 はなだ色らし、
 倦(う)んじてし 人のこころを
   諫(いさ)めする なにものもなし。

 樹脂(じゆし)の香に 朝は悩まし
   うしなひし さまざまのゆめ、
 森竝は 風に鳴るかな

 ひろごりて たひらかの空、
   土手づたひ きえてゆくかな
 うつくしき さまざまの夢。

□中原中也「朝の歌」(『山羊の歌』(文圃堂、1934)所収)

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□中原中也「冬の長門峡」(『在りし日の歌』(創元社、1938)所収)
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 【参考】
【詩歌】中原中也「曇天」
【詩歌】中原中也「つみびとの歌 ~阿部六郎に~」
【詩歌】中原中也「夕照」
【詩歌】中原中也「骨」
【詩歌】中原中也「月夜の浜辺」
【詩歌】中原中也「一つのメルヘン」
【詩歌】中原中也「湖上」
【詩歌】中原中也「汚れつちまつた悲しみに・・・・」
【詩歌】中原中也「サーカス」
【詩歌】丸ビル風景 ~正午~




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