PART10はこちら。
おそらくブラック・レインにおいて最もフォトジェニックなのは、このモータープールにおいて佐藤がチャーリーを惨殺するシーンだろう。
日本刀をかまえた優作は、切っ先を地面につけてバイクで疾走する。飛び散る火花。アクション監督はさすがにこれはやり過ぎだと思ったらしいが、編集してみたらみごとにはまっていたと。
後輩の死に落ちこむニック。そこへ物乞いがあらわれて彼に金をせがむ。ケイト・キャプショーが軽くそれをあしらう。日本における経験値の差がここに。“同胞”を慰めるケイト。短いけれども、いいシーンだ。
ケイトのマンションを松本が訪れ(なんでニックが彼女の部屋にいたのを健さんが知っていたかはよくわからない)、お悔やみを述べる。
「日本では、親しい人が亡くなると、遺品をひとつもらう風習があります」
そうだっけ?ああ、形見分けのことか。
「そんな気分じゃない……ん、なんでもいいんだな?」
「なんでも」
健さんの顔には覚悟がある。
チャーリーの遺品には拳銃も含まれている。ガンをたずさえた、カウボーイの復活だ。アメリカの観客はここでホッとしたのだろうか。これまでが不自由すぎたと。
ニックと松本はふたたび佐藤のアジトを調べる。日本の警察は優秀だから、もうなにも証拠品などないはずだが、ニックはスパンコールを見つける。そんなのあるか(笑)
スパンコールは小野みゆきの服についていたものだとなぜかニックは断定し、彼女を追う。またしても市場。今度は日本らしく魚市場である。小野みゆきを見張るあいだ、うどんを食べるニックと松本。ここは……以下次号。
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