ブラウン管のなかの、特にホームドラマの食事シーンはとても不自然だった。今では文化財あつかいの卓袱台の、カメラに近いサイドには誰もすわらないのだ。その不自然さをも笑い飛ばす芸を見せたのが「ムー」や「時間ですよ」(TBS)。
「どうしてそっち側にはすわらないのかしらねー」
オキテ破りの発言は常に樹木希林(当時は悠木千帆)。そんな雰囲気を醸成したのが演出の久世光彦だった。
「東京バンドワゴン」と続篇の「シー・ラブズ・ユー」は、そんな久世ドラマへのオマージュ。下町の古本屋兼カフェを舞台に、わけありの大家族がくり広げるゆるいミステリ。伝説のロッカーである父親は、誰がどう読んでも内田裕也(小路はロッド・スチュワートの要素も入れたと主張している)。映像化のオファーが殺到しているらしいが、さて、はたして誰が演じるものだか。「寺内貫太郎一家」のファンには絶対のおすすめ。ロケンロール。
07年9月14日付事務職員部報「新財務システム⑥」より
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