PART20「黄金の日日」はこちら。
79年は「草燃える」。源頼朝(石坂浩二)と北条政子(岩下志麻)が主人公。源平の争いから義経が平泉で討たれるまでのお話は、歴史知らずのわたしとはいえ、なんとかフォローできている。ただしそのあとがいけない。源氏の嫡流である頼朝から、いつの間にか北条家に鎌倉幕府の実権が移るあたりはさっぱり。
原作の永井路子は脚本の中島丈博(自伝的作品「祭りの準備」や、あの「真珠夫人」を書いた人)に、
「喜劇でやってほしい」
とリクエストしたそうだが、ストーリーを読んでいてその理由がよくわかった。とにかく肉親が憎み合い殺し合う展開。マジでやられたらたまったものではなかったろう。チーフ演出の大原誠さんが著した「大河ドラマの歳月」のなかで
「もはや大河ドラマの役割は終わったのではないか」
と考え、吉川英治の私本太平記を候補に挙げるという冒険を。しかしやはり南北朝を描くのはきつかったようで、永井原作を選択。彼女はこう要求したとか。
「時代劇を書いたことのない脚本家にしてほしい」
ということで中島丈博に決定。岩下志麻はファーストチョイス。石坂浩二は「女好きなところが、ぼくにぴったり(笑)」と喜んだとか。郷ひろみの起用は岩下志麻のプッシュ。劇団四季にでかいのがいる、ということで会ったのが滝田栄だったそうだ。
うーん、面白そうだ。どうして見てなかったんだろう。純朴な青年だった北条義時(松平健)が、次第に冷徹な政治家となっていくなんて、いかにもわたし好みの展開なのだが。
義経に「岸辺のアルバム」(TBS)でブレイクした国広富之。頼家に郷ひろみ、梶原景時に江原真二郎、後白河法皇に尾上松緑。他に武田鉄矢、好きだった服部妙子……いいねえ。あ、静御前が友里千賀子ってのがきつかったのかな(笑)。コメディだと割り切ればぴったりだったのかもしれないのに。
PART22「獅子の時代」につづく。
郷ひろみを叱咤するシーン等よく覚えています.
石坂浩二は役柄も含め影薄いけど,
(「白い巨塔」で回復するまで私の中では
ずっと影が薄かった・・・)
それもふくめキャスティングは
「独眼竜」と違った意味で楽しめました☆