事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

MR.BRAINよたび

2012-09-13 | テレビ番組

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納屋のような建物から、ボロボロの姿で女性が出てきて、青空を見上げる……顔はまだ映されないが仲間由紀江である。

その後、都議会議員(なんと大沢逸美!てっきりあめくみちこだと思ってました)が銃殺されるが、現場で犯人はお弁当を食べていた……不条理きわまりないスタート。とてもそそられます。古畑任三郎「動く死体」において、なぜ堺正章は楽屋でお茶漬けを食べたのかを連想。

犯人はもちろん仲間由紀江なのだけれど、この回の眼目は『彼女は多重人格者なのか』だ。十五年間も拉致監禁され、テレビである映像を見た彼女は、自分をこんな環境においやる原因をつくった担任(のちに都議会議員になっているわけ)とクラスメイトたちを追いつめる。

多重人格なのかを見極めるために、九十九はちょっとしたトリックを披露する。こちらも古畑任三郎に木村拓哉がゲスト出演したときと同じ(きっと意識したのだと思う)「赤か、青か」で。

うーん、しかしこれはどうだろう。立証はおよそ無理な話だし、監禁された十五年への復讐の念は視聴者にとても説得力があるので、九十九がやったことは“よけいなこと”に思えてしまう。

ただし、ここで見せた仲間由紀江の演技は相当なもので、ストーリーの弱さを補ってあまりあった。加虐的な人格のときよりも、むしろよわっちい人格のときの方がはるかに怖いことをみごとに。

で、肝心の木村拓哉。美男であることが記号のように語られるレベル(つまり、スターですわね)の彼は、その特権を利用して、あいかわらず「過剰な自然さ」を表現している。まことに、けっこうだったと思う。

企画と編成と多すぎる予算に翻弄されたなかでも、キムタクは徹底してキムタクだった。さんざんいちゃもんをつけたけれど、このタイプのミステリに、これにこりずにまた出てね。わたし、好きなんですミステリもキムタクも。

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