「近ごろのあれやね、披露宴は凄いことになってるらしいね」
「凄い?」
「ほら、前はテーブルのところにトーチみたいなのを新郎新婦が持っていって、ロウソクに火をつけてたやん?」
「あー、キャンドルサービス。ぼくのときは同僚たちがくわえてたタバコに全部火ぃつけなあかんかった。ほんまのキャンドル“サービス”や。」
「えらい同僚やな。今は違うらしいで。花嫁が花束を持ってテーブルのスタンドになんかすると、いろんな色に光るらしいわ。」
「ほう。リモコンかなんかかいな」
「いやいや、花束にしこんでる薬品で化学反応させるらしい。だから花嫁さんが通ったあとに光の通路ができるんやて」
「そら豪気やなあ。まあキャンドルやと先っぽにわさびつけられて往生するときあるもんな」
「テーブルの名前にも凝ってるそうや。こないだ出た披露宴ではな。テーブルのひとつひとつがONE PIECEに出てくる地名になっとった。ココヤシ村とか、フーシャ村とか。」
「魚人島とかだと嫌やなあ。新郎新婦がチョッパーのファンやったんかい。」
「らしいで。そういえばディズニーシーにあるホテル……」
「おう、ミラコスタ」
「それっ!そこの披露宴の写真見せてもろたら、テーブルの名前はディズニーのキャラクターやったもんな」
「ほう。ミッキーとか、ドナルドとかかい。101匹わんちゃんだとえらいこっちゃな。」
「こうなると何でもありってことや。きっと日本のどこかじゃガンダム系でやっとるヤツもいるに違いないで」
「ガンダム……ちゅうことになると、テーブルのひとつはまちがいなく赤いな」
「そや。ほいで、料理が三倍のスピードで出てくるねん」
「なわけあるかーっ」
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