サラ金被害者がチームを組んで、その業者に復讐する。まことにシンプルなつくり。被害者が加害者に転ずるわけだけれど、彼らはそのために死んでもかまわないと思っている。
しかし連載の途中で、それだと自爆テロを敢行しておしまいだと気づいたのか、リーダーはチームの生き残りに懸命になる。どうもこのあたりがしっくりこない。
彼らを追いつめる刑事たちの描写はさすが警察小説の名手だが、肝心の暗殺場面でのひねりが足りない。どうも、中途半端なのでした。
意図したものはわかる。サラ金被害の悲惨さを前半で描き、後半は虚飾の最たるものである国際映画祭の裏側を徹底的に。この対比をめざしたのだろうから、なおさらラストのあっけなさが惜しい。佐々木譲でも、たまにはこんなこともあるか。
回廊封鎖 価格:¥ 1,680(税込) 発売日:2012-08-03 |
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます