事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「回廊封鎖」 佐々木譲著 集英社

2013-01-06 | ミステリ

51ojmwwv2ol_sx230_ サラ金被害者がチームを組んで、その業者に復讐する。まことにシンプルなつくり。被害者が加害者に転ずるわけだけれど、彼らはそのために死んでもかまわないと思っている。

しかし連載の途中で、それだと自爆テロを敢行しておしまいだと気づいたのか、リーダーはチームの生き残りに懸命になる。どうもこのあたりがしっくりこない。

彼らを追いつめる刑事たちの描写はさすが警察小説の名手だが、肝心の暗殺場面でのひねりが足りない。どうも、中途半端なのでした。

意図したものはわかる。サラ金被害の悲惨さを前半で描き、後半は虚飾の最たるものである国際映画祭の裏側を徹底的に。この対比をめざしたのだろうから、なおさらラストのあっけなさが惜しい。佐々木譲でも、たまにはこんなこともあるか。

回廊封鎖 回廊封鎖
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2012-08-03
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