原作の特集はこちら。
野球映画は当たらないというジンクスがある。日本の話ではなく、ベースボールの国、アメリカにおいても。
もちろん例外はあって、
「がんばれ!ベアーズ」
「さよならゲーム」
「ナチュラル」
「フィールド・オブ・ドリームス」
など、ヒット作があることはある。作品の評価ほどにヒットしたかは別として。
ただ、これらの作品には、どこかもの哀しいテイストが。アメリカ人の心の故郷のようなスポーツだからなのかな。
ベアーズは優勝できないし、ケヴィン・コスナーとスーザン・サランドンの恋愛は苦い。同じケヴィン・コスナーの「フィールド・オブ・ドリームス」を山形の劇場で見終わったら、トイレで学生らしい二人が思いきり号泣していた。ま、バート・ランカスターに
「ヘイ、ルーキー!」
とシューレスジョーが声をかけるあのラストでは、わたしも泣いてしまいましたけれど。
「マネーボール」に肌合いが近いのはロバート・レッドフォードの「ナチュラル」だろうか。遅咲きの天才打者の悲劇を描いたあの映画も素晴らしかったが、ちかごろますますレッドフォードに似てきたブラッド・ピットが製作も兼ねた「マネーボール」も、あの傑作に負けていない。
脚本がとにかく巧妙。感情を抑制できないものだから肝心のゲームを見ないGM、ビリー・ビーンを、(むかし自分もやられたように)クビを宣告することも多いので選手とあまり関わらない(そして自分が観戦すると負けるジンクスに悩む)男にアレンジしてある。
彼のチーム、オークランド・アスレチックスの負けが続くので、別れた妻(ロビン・ライト)のもとにいる娘が心配し、「絶対に他の人に聴かせないで」というメッセージとともに送られてきたCDには、彼女が歌うThe Showという曲が入っていて
♪Show(野球)を楽しみなさい♪
というリフレインが……まさかあの原作からこんなに泣けるシーンを用意できるとは。
選手としては大成できず、だから自分が愛するほどには野球に愛されなかった男が、マネーボール理論でチームを強くしていくサクセス・ストーリー。しかしそれだけではない感動がしこんであります。思わずネットでThe Showを購入してしまいました。
ビリーのShowはなおも続いている。その点、日本の巨人のGMはたいへんだ。あのチームは野球を“プレイ(遊ぶ)”することが許されないからなあ。
うらやましいですよね。そこまでチームに自己同一化できるなんて。
プロスポーツは一種の人身売買が基本で、問題は、うまく
売買してくれよということでしょう。
わたしは今年の巨人の補強の下手くそさにあきれかえっていますが、
最高の補強は老害じいさんをどう無力化できるかでしょうから
あのGMの乱も意味はありました(笑)
野球に思い入れがあり過ぎて、ものすごく複雑でした。
こうやって選手を切らないとならんのか・・。
私情とマネーと勝ち負けといろんなものが絡み過ぎて、あたし的にはもっと単純な野球!!ものが見たかったかもです。
「オールド・ルーキー」みたいな・・・。単純すぎるか。
モンテ、先日のはひどかったですねえ。
終わったあと、サポーターたちが釈明を求めて、詰め寄ったとか。
勝負の世界の厳しさですなあ。勝たなあかん世界なのですが、浪花節の要素も好きな私です。
でも、最近勝ち続けてる息子の学校のサッカー部。。。やっぱ勝つのは気持ちいですわ。。すいません、はちゃめちゃで。
察してくれよ。
「マネーボール」は見終わってからかなりしみじみ。
そして「ツリー~」はテレンス・マリックの作品じゃないですか。
お近くで彼の作品が公開される幸福を感じていただかないと。
わたし、彼の映画はぜーんぶ観ているという大ファンで
……すいません、めちゃめちゃ寡作なので
たまたまそうなったんです。
まあ、宗教が入っているとか独りよがりだとか、
いろいろ言われてますけど、そんなもの知ったことか。
見ましょうよ二本とも。
問題は雪なんだけど……
「マネーボール」「ツリー・オブ・ライフ(庄内独占)」公開。
2本観るべきか、絞るべきか、迷ってます。
horiさんは如何ですか?