事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

日本の警察 その13 マル暴「県警対組織暴力」

2008-01-02 | 日本の警察

その12「またまた公安」はこちら

Kenkeivssoshikiboryoku  映画に出てくる○暴(マルボー)とよばれる組織犯罪担当の刑事に共通しているのは、どっちが暴力団だかわかんねーぞ、と言いたくなるルックス。ワッパをかけて連行していく画像をみても、どっちが逮捕されてるんだか(笑)。

 特に東映の場合、やくざが主人公のときは菅原文太や松方弘樹が暴力団側を演じ、一転して警察側から描くとやくざが悪役連中によって演じられる【交代制】なので、どっちがどっちなのかはますますわかりにくい。

 しかし現実にもやっぱりマルボーと暴力団はそっくりなのだそうだ。現代の警察は市民警察を標榜しているからソフトな対応が求められているけれど、マルボーの場合はなにしろ相手が相手ですから(T_T)。

 先日、酒田警察署に児童が描いたポスターを持っていったんだけど、生活安全課でわたしを応対した少年係と「お客さんだよーっ!」と大声を出していたマルボーでは、これが同じ課の人間なのかと苦笑してしまうぐらい違ってました。

 さて、マルボーといえば例外なくドラマでは“腐敗する”ことになっている。これは彼らの捜査方法に由来すると考えられる。暴力団関係の事件が起こった際に、マルボーはまず【背景】を考察する。あの組のしのぎにこの組がからんでいて……という具合。要するにやくざ以上に組情報に精通しているわけ。そのために日ごろから関係者とコンタクトをとっているので、“転ぶ”機会は必然的に多くなる。

 しかも犯人逮捕より秩序の維持を優先する態度は公安と共通しているので(確かに、市民への被害を考えるとわからないでもない)暴力団との人間的貸し借りも日常的。借りが多くなれば、捜査情報の漏洩ぐらいは平気になってしまうかも。そうなれば向こうへの転職は近いわけだ。

Kenkei  でも、警察からやくざへの転職はつらいらしい。警察からは裏切り者あつかいだし、組の内部では心底信用してもらえず……そんな悲哀を、名脚本家笠原和夫がみごとに描いたのが「県警対組織暴力」。

 菅原文太が“昔気質”な刑事を演じ、秩序とはやくざ同士のバランスの均衡をとること、とばかりに暴走する。

 刑事になったのは「拳銃を撃てるのはやくざか警察だけ」だったから。彼を批判する教条主義的キャリアが梅宮辰夫。さっさとケツをまくって民間企業に逃げ込むあたり、さすが実録。

その14「交通警察」につづく。

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