ところで西原理恵子は実は知り合いでした。
というか、彼女が高校生のころ、私たちの作った高知天文研究会(今はみんな歳がいって活動してない)に入ってきたことがきっかけで、私は今はお付き合いはないのですが、仲間はお付き合いがあるようです。(時々彼らと集まると話を聞きます)
高校生のときから、ぶっとんだ子でした。
私立のお嬢様女子高にいたのですが、退学になっちゃったりして、反乱おこしてましたねー。
……らしくないことに筑波に研修行って何がうれしかったと言って、こんな出会いがあることだ。どひーまさかあのサイバラの知り合いに会えるとは!
「上京ものがたり」は、その西原が土佐女子高退学事件後、美大入学のために上京した当時のことが叙情的に語られている新作。
私が本当に欲しいのはこの本なのに、なんで新しい服着てるんだろう。
私が本当に欲しいのはこの本なのに、なんでうす汚い部屋で何もしない男とくらしているんだろう。
私はかっこわるい。
ああ私はとてもかっこわるい。
きれいな絵の本をめくりながら、私はずっとそう思い続けた。
そうだ。そうだった。決して自分のことなど誰も見てやしないことに気づきもせず、それが東京の優しさであることにも気づかず、上京した人間はまず激しく東京を憎み、そして自分を卑下する。故郷のことを美しく誤解するのもそんなとき。
しかしそこから、「自分って一体なんなんだ」ということを自らに問い、世間との折り合いをつけ、都会になじみ、いつしか愛するようになる。その問いに“答えないでくれる”のもまた東京の優しさなのだ。西原はそのことに意識的。名著。
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