「古畑任三郎を全部観る」はこちら。
「古畑任三郎」につづいて“全部観る”シリーズは「刑事コロンボ」篇に突入。前の職場の同僚がDVD-BOXを買ったことも影響しました。
1作目は「殺人処方箋」。精神科医が妻を殺すお話。DVDを再生してあれっと思う。例のヘンリー・マンシーニのテーマではなく、クールなデイブ・グルーシンの音楽から始まったからだ。しかもコロンボを演ずるピーター・フォークはくしゃくしゃ頭ではなく、キチンと七三に分けている。
これはなぜかというと、2作目以降のコロンボと違い「殺人処方箋」は単発のドラマだったからだ。つまりシリーズ化を想定していなかったのである。プロトタイプというかベータ版というか。このドラマがアメリカでとんでもない視聴率をとったことで、黄金のシリーズは始まったというわけ。
オリジナルはなんと舞台劇。しかも犯人の精神科医の方が主役。でも癖の強い刑事の方に人気が出てしまったのでテレビではコロンボが主役となった。シリーズ化を予定していなかったので、このミステリの勘所はすでに明かされている。犯人はコロンボにこう告げるのだ。
「君は油断も隙もない、ずる賢い妖精のような男だ」
まさしく、まさしく。
殺したと思っていた妻が、実はまだ死んでいなくて犯人が右往左往し、探偵役が意地悪くそれを見つめるというパターンは「古畑任三郎」の小堺一機の回で踏襲された。
犯人は必ずミスをし、コロンボはそれを見逃さず、ミスを取りもどすために犯人は小細工をしかけ、そのためにコロンボにとどめを刺される……黄金律はすでに確立している。
資産家の娘で、セックスに貪欲な被害者役のニナ・フォックがすばらしい。
「あなたは頭はいいけど手先は不器用ね」
「そのために奥さんがいる」
「他のためにもね」
夫をベッドに誘うために、こんなセリフが必要だった時代。
Vol.02「死者の身代金」につづく。
以前からちょくちょく来てはいました。今回は、大阪のTさんに肩を押されて書き込ませてもらいます。
コロンボシリーズ、小池朝雄さんの声が良いですね。
わたしも映画が好きな方なんで、このブログは、ためになってます。
レスうれしいです。Tさんによろしく……って毎日
のようにメールでやり取りしてるわけだけど。
これからも「この1冊」をごひいきに!