金城一紀著 講談社
「GO」でホームランをかっとばし、直木賞もゲットした金城の受賞第1作。彼の小説がウケるのは、近頃珍しいまっとうな青春小説だからだろう。「高二時代」あたりに掲載されてもおかしくない展開。体育教師はひたすら憎たらしくアタマ筋肉で、ものわかりのいい年寄りの生物教師もいる……まっとうでしょ?
メインのストーリーは、偏差値の低い男子校の悪ガキたちが、いかに近所の女子高の文化祭に突入するか。病気の友人を救うために医学を志したり、陳腐と言えば陳腐。でも旺文社の学習雑誌なら大喜びだろう、もう無いらしいけど(笑)。『大人にとってこうであってほしい十代像』(適当に不良、元気いっぱい、過激な読書)から逸脱できないあたりが金城の教養主義的限界であり、読後感の爽やかさの所以でもある。でも、今は誰もこんなものを書いてはくれないんだから、金城はやはり貴重な存在だ。おすすめざんす。
……そして2007年現在、金城は岡田准一、堤真一主演ドラマ「SP」で大ヒットをかっとばしている。こちらもまた、まっとうなドラマなのだ。真木よう子がとてつもなく美しい裸体の持ち主なのをみんながこの番組で気づいてしまったあたりがちょっと残念(^o^)
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