事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

明細書を見ろ!2022年12月期末勤勉手当号 続・定年引き上げ最新情報

2022-12-08 | 明細書を見ろ!(事務だより)

2022年11月号「定年引き上げ最新情報」はこちら

この12月1日、知事は県議会に30件の議案を提出しました。そのなかに

・第136号 山形県職員等の給与に関する条例等の一部を改正する条例の制定について

これが、いわゆる人事委員会勧告をうけて給料表と勤勉手当を引き上げる案。そしてその次が

・第137号 山形県職員の定年等に関する条例の一部を改正する等の条例の制定について

ネットでチェックしたらこの議案だけで60ページもある長大なもの。

提案理由
「令和4年10月6日付け山形県人事委員会の意見の申出等に鑑み、職員の定年を段階的に年齢65年に引き上げる等の措置を講ずるとともに、地方公務員法の一部改正に伴い管理監督職勤務上限年齢による降任及び転任の制度について所要の措置を講ずる等のため提案するものである。」

…こういう文章が延々とつづくので、読む気力はとてもとても。ということでかみ砕いて説明します。

まず、給料月額は7割が保障されます

11月号で役職定年制の話をしましたが、たとえば校長だった人が教諭となったとき、給料表の級が4級から2級に下がるので、そのままシフトすると7割に届かないケースも出てきます。だけれども、「水準補償」という名目で無理くりに7割は支給しようという動きです。

さて、それでは退職手当は?7割に減額された給料月額で計算されたのでは圧倒的に不利になります。そこで、いわゆる「ピーク時特例」という形で、高かったときの月額を基準に算定されます。そのかわり、勤続35年以上は支給率がかわりませんので、長く働いたから得をする該当者は、勤続35年未満の人だけということになります。

また、たとえば63才定年の人が、62才で辞めたとしても、いわゆる自己都合退職として扱ったりはしない方向のようです。つまり、胸倉をつかんで「意地でも定年まで働け!」という制度ではないことがここでわかります。

定年が引き上がるのが既定の路線だとしても、引き上げに間に合わなかった世代、つまりは今年度60才で定年退職する人以上の年齢の人の“再任用”という制度はどうなるのでしょう。

これは「再任用」が「暫定再任用」という名に変わるだけで、内実はなにも変わらない見込み。おわかりのように定年引上げの方が再任用よりも圧倒的に条件はいい。給料額も違うし再任用者には扶養手当も出ない。なにより、今日の期末勤勉手当の支給月数が全然違う……

先日、ある職員が事務室にやってきて

「そういうの、おかしくないですか。なんで怒らないんですか

怒るという発想がそれまでなかったのに、なんかだんだん腹が立ってきた(+_+)

画像は「ラブ・アクチュアリー」Love Actually(2003)

どうして「ノッティングヒルの恋人」(うちの職員たちがあんなに見ているとは思いませんでした)を見たかというと、あの作品で脚本を書いたリチャード・カーティスの初監督作のこれが素晴らしかったから。

クリスマスの奇跡の物語。であると同時に大人の艶笑譚でもある。超豪華キャスト(ヒュー・グラント、リーアム・ニーソン、コリン・ファース……)が大挙して登場し、次第に彼らの関係性が見えてくる。うまいなあ。みなさんもぜひ。あ、ひょっとしてもう見てます?

12月号「センセイの不祥事」につづく


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