「悲しみのイレーヌ」「その女アレックス」「傷だらけのカミーユ」の三部作で圧倒したルメートルによるカミーユ警部もの。時系列では第二作と三作の間に位置するらしい。
第二次世界大戦中にフランスに降り注いだ無数の爆弾。その何%かは不発弾として地下に埋まっている。その爆弾を利用し、一日にひとつずつ起爆するという犯人がのっけから自首してくる。彼の要求は、ある事件で逮捕された母親ロージーを釈放することだった。
七つある爆弾のありかをどう操作するか、犯人との知恵比べと、そこはかとなく漂うユーモアはいつもどおり。
読み終えてみれば犯人の要求はトリッキーでもなんでもないのだが、しかししみる。犯人と刑事のどちらも母親にとらわれているあたり、うまい。さすが達人の作。
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