これはもう、とにかくお話がよくできている。史上最大の不倫というか、史上最長の愛妻物語というか。
ネタバレ厳禁なので慎重に紹介すると、2017年に異星人との戦いに勝利したものの、核兵器を使用したために人類は地球に住めなくなってしまう。60年後の2077年、人類は土星の衛星タイタンに移住し、地球上にはジャック・ハーパー(トム・クルーズ)とヴィクトリア(アンドレア・ライズボロー)のふたりが残って監視作業をつづけていた……
まるでアダムとイブのような設定で、実際にこのふたりは“最高のチーム”として夫婦のように暮らしている。しかし、情報漏洩対策の一環で記憶を消されているジャックは、見知らぬはずの女性との『思い出』がフラッシュバックして混乱する。
そして60年前に飛び立った宇宙船でコールドスリープしていた乗組員が、まさしく思い出の女性(「慰めの報酬」のときよりはるかに魅力的なオルガ・キュリレンコ)であり、彼女は「ジャック?」とつぶやく。
オブリビオンとは『忘却』のこと。ジャックの記憶が人類の帰趨を決定するのでうまいタイトルだ。「アフター・アース」と同様に未来観は暗いのに、魅力的なガジェットのおかげでわくわくする。
敵だか味方だかわからなくなる監視ロボットのドローンは「攻殻機動隊」のタチコマみたいでかわいいし、操縦席が360°回転するバトルシップの乗員はリバースしまくりじゃろ。異星人に破壊された月が、無残な姿のままで空に浮かんでいる映像だけでもセンスのいい映画であることが確信できる。
で、展開としてアダムとイブはエデンを出ることになるんだけど、そのイブとは……ほいでアダムがなんと……言えねー言えねーこれ以上はなんも言えねー(よくわからなくなったときはトムの鼻に注目)。面白さは保証しますのでぜひ。
ところでトムよ、ジャック・リーチャー(「アウトロー」)の次がジャック・ハーパーってのは、なんかのゲンを担いでるのか?
わははははははは。
アダムとイブでチーム戦が出来るってのも凄いすよね。
もっともっといそう。
トムちんが「ロボット」のラジニみたいにいっぱいいるのを想像しました。
「勉さん(塩見三省)が一匹、勉さんが二匹……」
と数えて爆睡するシーンを思いうかべてしまいました(笑)