東映やくざ映画、特に実録路線は山口組VS反山口組という形態をとることが多い。「仁義なき戦い」がまさしくそうだったし、名前は仮名にしながらも、菱の代紋の伸長の過程が大河ドラマのようになっている。全国の組織暴力団員の半分が山口組系であることを考えると、当然のこととも言えるし、反発もまたあるのかもしれない。
「実録外伝 大阪電撃作戦」が描くのは、1960年の明友会事件。山形の地方公務員はそっち系の話に暗いので(わたし、アサヒ芸能と週刊大衆を読む習慣もないですし)、ネットでいろいろと調べてみた。ありがとうウィキペディア。
明友会は、大阪の鶴橋などを根城にした在日朝鮮人を中心とした愚連隊組織。50年代にブイブイいわせていた彼らを木端微塵にしたのが、かねてから大阪進出をねらっていた山口組だったのである。
明友会がいかにもやんちゃなのに比べ、山口組は組織的。人間狩りをやるときにくじ引きで班分けし、しらみつぶしに明友会を屠っていく過程がこれでもかと描かれる。
やんちゃ側に松方弘樹、渡瀬恒彦、室田日出男、川谷拓三、石橋蓮司、三上寛。
菱の代紋を背負ってるのが丹波哲郎(田岡一雄がモデル)、小林旭(「日本の首領」で鶴田浩二がやった役)、成田三樹夫。
事件はほぼ忠実に描かれているようだ。明友会がクラブで大騒ぎしているところへ歌手(田端義夫)をつれた川田組(山口組)組長が来店し、そうとも知らずに石橋蓮司が田端義夫にからんだことで……
これ、成人映画だったっけ、と思うほど残虐なシーンの連続。女優も日活から片桐夕子を迎えて濡れ場もハード。おかげで背景に根強くあったであろう民族問題がかすんで見えます。
実録といえども一方的な戦いなので、映画らしく最後にちょっとした(ちょっとしてないけど)見せ場も用意してある。陰惨な映画ではあるけれど、不思議なくらいに後味がいいのは、その見せ場と、役者たちがみんないい表情をしているからだろう。いまの吉川晃司そのまんまである小林旭(吉川のデビュー当時から有名でした)の凄味が特にいい。
完全に兄を食ってましてね(主観)。深作氏は「仁義なき~」で、松方に
ずっとサングラスを掛けさせたのも、目がNGだというんですね。この映画
の目黒祐樹の見せ方と通じるものがあります。
弟の方は、確かに邪悪っぷりがすごかったですね。
眉毛のあたりに小細工してませんでした?
この作品の前に出てたのがルパンの実写版だったのに、
わずか二年でこんなに悪くなってるとは(^o^)