Vol.41「死者のメッセージ」はこちら。
コロンボも長いシリーズとなり、作り手もその長さを利用してさまざまなお遊びをしこんでいる。登場の仕方に凝ったりね。
前回は例の金庫のなかから(声が先に聞こえる)ヌッとあらわれ、料理がネタになっている今回は、殺人現場となったレストランの、まさしくそのテーブルでお料理をおいしくいただいちゃってる。ピーター・フォークの愛敬全開。
被害者はそのレストランのオーナー。演じているのはマイケル・V・ガッツォ。名作「ゴッドファーザーPARTⅡ」で“シチリアの男らしい”最期を見せた人。すばらしい演技だったなあ。今回も、卑劣で、かつ余裕たっぷりの犯人(ルイ・ジュールダン)に激昂する様子を、吹替の藤岡重慶の丹下段平っぷりもあってみごとに。死の瞬間にはちゃんとゴッドファーザーふうの音楽が流れるのね。
ミステリとしての核は『栓を開けていないワインボトルにどうやって毒をしこんだか』だ。
毒の種類は、オープニングからフグであることが連想されるようになっている。おそらく日本人以外にはフグ毒はおなじみではないだろうから、この作品で驚いた人も多かったろう。わたしはトリックのタネになる“道具”を知らなかったので別の方面で驚きました。
美食のお話なので、
被害者→イタリア人
加害者→フランス人
という取り合わせは納得。しかし文字どおりとどめをさしたのが日本料理(フグ刺し)だったのはちょっとうれしい。マコ岩松が「小津さん」という名で出てくるあたりのサービスも。コロンボを魅了する芸者さんは圧倒的に変だったけど。
犯人がワインオープナーを持ってコロンボの背後に迫る、微妙な緊張感を漂わせるお遊びカットもあって演出も快調。撮ったのはジョナサン・デミ。のちに「羊たちの沈黙」を監督したあの人です。
Vol.43「秒読みの殺人」につづく。
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。