事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「なくもんか」(2009 東宝=日本テレビ=大人計画)

2009-12-04 | 邦画

「なくもんか」は、実は第二候補だった。

Nakumonkap  その日は天童で午後1時半からクミアイの研修会があるスケジュール。なのに午前8時に家を出て、わざわざ高速に乗ったのは山形フォーラム9:40上映開始の「イングロリアス・バスターズ」が目的。でもフォーラムの駐車場には9:50到着。

 てことで次善の策として10:00の「なくもんか」。どうしてそんなに気がのらなかったかというと、同じ脚本~監督~主演トリオの「舞妓Haaaan!!!」がいまひとつだったからだ。阿部サダヲの無茶なテンションが観客を疲れさせていたし(少なくともわたしは疲れました)、宮藤官九郎への期待は“東宝の番組を阿部サダヲに背負わせる力業”なんてレベルではなかったからだ。

 でも、今回はいいですよ。かなりいい。不幸な生い立ちの兄(阿部サダヲ……題名に反して泣きまくりです)と弟(瑛太)が、その不幸を乗り越えるのではなく、その状況もまた家族だという開き直りで救われていく。弟とコンビを組む漫才師(塚本高史)が語る「笑いの構成要素のひとつは“不幸”だ」を地でいく展開。

「それぞれ腹に何かを抱えていても、黙って一緒に飯を食うのが家族」

こう語りながら、徹底していい人である兄が、不幸な境遇を呼びこんだ父親(伊原剛志)とすき焼きを食べるシーンは必見だ。

「どうしてそんなに八方美人なのか」という問いに「好きでやってますから」と答える阿部サダヲが、なぜか日曜の夜に行方不明になり、翌朝元気になって帰ってくる(妻役の竹内結子が携帯のチャージを妄想して笑わせる)理由は、もうちょっとひねってあってもよかったはず。でも(ちょっとネタバレだけど)ラストの罵倒芸の炸裂のためには必要な伏線だったわけだ。どうやってこの物語にオチをつけるのかとハラハラしながら見ていたら、その手があったか、と満足。

 竹内結子は、もはや貫禄すら感じさせる美しさ。祖母役のいしだあゆみのタモリネタには笑わせていただきました。大ヒット納得。ぜひ。

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