時代小説の書き手は有力新人が続々登場している。そのなかでは(もう中堅だけれど)宮本がわたしのごひいき。デビューがジュブナイルだけに、ちょいとほのぼのした“おとぎ話としての時代小説”がこの人の持ち味……だったはずなのにその宮本が渾身の力を込めて放ったのが「ふたり道三」。意外な展開です。
斎藤道三の過去を思い切って脚色(といっても道三は初手から謎の多い人物なのでやりたい放題)。綿密な政治小説でもある。司馬遼太郎の「国盗り物語」と続けて読むと面白いかも。
わたしは道三といえば、その大河ドラマ「国盗り物語」において平幹二朗が油売りをやりながら(「とぉとぉたぁらり・とぉたらり」こんな掛け声だったかな)、しかしその実やっているのは女をたらすことばっかりなので、視聴者から苦情が殺到したのをおぼえている。だから、この主人公がどうひんまがるとあの女たらしになるのかなーと思いながら読んでいました。
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