第2回はこちら。
このドラマ、設定がいい。池袋という、渋谷や新宿と比べて昔からいまひとつあか抜けなかった街を舞台にすることで、登場人物の十代の少年少女を身近なものにしている。渋谷のチーマーたちに感情移入できるほどみんな“今時の若いもの”が好きなわけでもないし。
主人公は、出身の工業高校時代に壮絶な不良として名を馳せていたのに、どこの組織にも属せず家業の果物屋を手伝っている少年マコト(TOKIOの長瀬智也)。“ブクロ”に起こるトラブルを「たりーなー」とか言いながら解決する、そう、往年の「傷だらけの天使」を思い起こさせる造形だ。
めちゃめちゃなマザコンで、お袋(森下愛子)の作る焼そばばかり食べている。もうひとつ笑わせる設定は、この男《商売女にしか欲情しない》ことになっていて、つまりこのドラマの陰の基調である純愛ドラマを強引に成立させている。実際、自分の部屋でエッチをするために、お向かいのヘルスに飛び込んで、とりあえず勃たせてもらうとんでもないシーンまである。プラトニックな純愛を視聴者に納得させるには、いまやこんな無理をするしかないんだろうが、フェミニストからは非難ゴウゴウだろうなぁ。
ところで、ジャニーズのアイドルとしては、バンドにこだわっている分、いまいちブレイクしないTOKIOだが、私はメンバーの一人に会ったことがある。
組合の仕事で山形から奥羽本線に乗り込んだ時のこと。ホームを数人の女子高生が私の乗っている車両に向かって嬌声を上げながら疾走してくる。
「お?遂に『私の時代』が来たか」
と思ったが、彼女たちのお目当ては同じ車両に乗り込んできた国分太一だったのだ。八峰テレビのスタッフと通路を歩く国分は、意外にも背が高く(そう見えただけかもしれない)、撮影しながら新庄で降りていった。酒田で降りた私が直行した飲み屋でその話をすると、カウンターの隣の客は結構芸能通で、国分の親の実家が新庄にあるらしいことを教えてくれた。「おじいちゃんの家を訪ねよう」とかいう企画だったのかもしれない。
それはともかく、私は長瀬はもっと人気が出てもいいと常々思っている。ぎらつく目とその長身は(こっちは本物)、スターとしての貴重な要件だし、役に恵まれれば、もうワンランク上に行ける素材だ。
今回、ハードかつコミカルな役はたいそう上手にこなせることはわかったし、「白線流し」でシリアス系もいけることは実証済みなのだから、あとはビッグな役さえ……「バガボンド」の宮本武蔵なんかどうかなあ。
あ、今回も喉女優は出てこなかった<(_ _)>
第4回は彼女が出てくる展開ではなかったかと……自分でも確信なし。