事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「帝国の亡霊、そして殺人」ヴァシーム・カーン著 早川書房

2023-11-08 | ミステリ

インド初の女性刑事をヒロインにした歴史ミステリ。第二次世界大戦が終わり、インドが独立したあたりの経緯は本当に知らないことばかりで、ガンジーとかネールとかの名前がかろうじて頭にあるだけだ。

300年におよぶイギリス統治が立ちゆかなくなり、しかしプライドだけは高い旧宗主国の人間たちとその支持者。

パキスタンとの分割独立という最悪の選択のなかで(なにしろ線引きはインドに来たこともない役人が行ったのだとか)衝突し合う国民たち。そんな状況と同時に女性の地位も圧倒的に低い。そのようななかで起こる殺人事件。

なぜ通報が無能で有名な署になされたか……歴史とフェミニズムと殺人と。満足しました。ちなみに、作者は男性だそうです。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「本売る日々」青山文平著 ... | トップ | 犬神家の一族~あるいは甘太... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ミステリ」カテゴリの最新記事