Everytime You Go Away (1995) - Hall & Oates
2019年4月号PART5「ラジオの人」はこちら。
「…………」
登戸の事件の異様さは、犯人の無言にあると思う。むしろ絶叫して子どもたちに襲いかかったのなら、何らかの激情が背景にあったのだろうと類推できる。しかし51才の彼はまったくの無言で19人を刺し、そして自分をも始末した。なにごとも語らないままで。
彼の目に映る私学の小学生たち、そしてその保護者たちは一種の幸福の象徴のように見えたのだと思う。それにひきかえおれは……と。こんな発想こそが罪深く、貧しい。生きていく上で、なんの屈託もなく過ごす時間などほとんどない。みんな、悩み、苦しみながら生きているのだ。そのことを想像できなかったあたりが、彼のもっとも大きな罪ではないか。
本日の1曲は、ブルーアイドソウルの最高傑作。ホール&オーツの「Everytime You Go Away」そうだよね、あなたがいなくなるときは、自分の一部がなくなることだ。
PART2「あからさま」につづく。
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