第13回はこちら。
今回はタイトルにあるように、夫婦をめぐるお話。
瀬川(小芝風花)を妻とした鳥山検校(市原隼人)は、その高利の罪で捕えられる。しかも瀬川も連座して。夫の財でぜいたくをしたではないかと。
鳥山は確かに、瀬川が望むものをすべて与えてきた。それだけの財力があったし、瀬川を愛してもいた。しかし最後まで客としてしか見てもらえなかったことがせつない。そしてもっとせつないのは、瀬川が本当に望むものとして「離縁」を最後に与えたことだ。蔦重(横浜流星)と幸せになれよと。
独立を望む蔦重は瀬川に「いっしょに苦労しないか」と事実上のプロポーズ。ピロートークの場面まであって、その展開の速いこと速いこと。だから視聴者はむしろ確信する。このふたりは絶対に添い遂げられないと。
その予想通り、蔦重と瀬川の夫婦道中は一瞬にして終わる。吉原者である自分が妻では、蔦重に未来はないと瀬川が身を引いてしまうからだ。
一年間の大河ドラマでほぼ1/4が終了。三谷幸喜がかつて、ワンクールのドラマを四つ書くイメージ、と大河に対する心構えを語っていたが、瀬川と鳥山検校の退場によって、最初のクールが終わった感じ。
これまで、小芝風花の演技が絶賛されてきたが、負けずに市原隼人がすばらしかった。大河ドラマはかつて悪役だった人物を積極的にとり上げてきた。第1作「花の生涯」の井伊直弼、「樅ノ木は残った」の原田甲斐、そして今回の田沼意次(渡辺謙)と鳥山検校。その伝統を背負ってみせた市原隼人は、これでまた一皮むけたのではないでしょうか。
それにしても「Rookies」「おいしい給食」と役の幅が広いこと広いこと。今ごろわたしは「正直不動産」を見ているのだけれど、市原隼人が演じる桐山が出てくると画面の熱量が爆上がりであることを考えると、いい雰囲気の役者になったんだなとつくづく。
第15回につづく。
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