事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

恩田陸三昧その6 「朝日のようにさわやかに」新潮文庫

2020-05-09 | 本と雑誌

その5「ドミノ in 上海」はこちら

短編集。ダークな味わい、鋭い切れ味。おみごとだ。

問題はラストに収録されたタイトル作なんだけど、“管(くだ)”をテーマにしたエッセイのようになっている。で、そこに登場するのがW.M.というトランぺッター。兄がB.M.なのだから、これはどう考えてもウィントン・マルサリスのことだろう(兄はブランフォード・マルサリス)。

そしてこの作品で彼の超絶技巧にふれて

「彼はマウスピースを使わない」

と紹介している。へー、あいつってそのまま管を吹いてあの音を出しているのかあ……と感心したけれど、ちょっと待てよと。いくらなんでもマウスピースを使わないってことはないんじゃないだろうか。

それが本当でもすばらしいエッセイだが、もしも恩田陸の企みのために架空の設定にしたのだとすれば、それはそれで凄みのある小説だと感じ入りました。

その7「夢違」につづく


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