事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

聞いたり聞かれたりPART1 和田誠さんのこと。

2015-03-29 | 本と雑誌

わたしたちは書店やコンビニに行けば彼のイラストに会える。テレビを見ていて、油断していると彼のアニメーションが流れる。あふれるほどの作品がわたしたちを取り囲んでいるので意識しないかもしれないけれど、彼=和田誠と同時代に生きているのって、とてつもなくすばらしいことなんじゃないか。

先日の読売の編集手帳(朝日の天声人語よりもはるかにすばらしい)は読みごたえがあった。NHKの伝説の音響マンとよばれた人物が採用面接官となり「きみの歯は一本抜けているだろう?」「関西出身となっているけれども、お父さんかお母さんは関東出身じゃないかね」その指摘がすべて当たっていたという怖ろしさ。この人、和田精氏こそが和田誠のお父さん。なんか、達人の子は達人って感じ。孫がトライセラトップスの和田唱なのも血を感じさせる。

多摩美を卒業した和田さんは、多数のクリエイターを輩出したことで知られる(なにしろ土屋耕一や篠山起信、浅葉克己、「男は黙ってサッポロビール」のコピーライター秋山晶などがいたのだ)広告会社ライトパブリシティに入社。タバコのハイライトのデザインが彼の作品なのは有名。フリーになって以降も週刊文春の華麗な表紙でおなじみだ。

わたしにとって彼は、キネマ旬報の連載をまとめた「お楽しみはこれからだ」の人で、シンプルな描線だけであらゆる映画スターを描ききるその天才におそれいったものだった。

同時に「麻雀放浪記」に始まる、計算された画と軽さが同居した監督作品もすばらしい。近ごろ映画の製作現場から離れているようなのでとてもさみしい。どうかもう一本お願いします。まだ78才。イーストウッドのことを思えば、なにほどのことがあるでしょう。

で、彼は同時に座談の人でもあるのがこの「聞いたり聞かれたり」(七つ森書館)でよくわかる。該博な知識と豊富な経験が対談相手を信頼させるのだろう。とても興味深い対談がいくつもあるので、そのなかからいくつかピックアップして紹介します。PART2勝新太郎篇につづく

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