寛政九年、長崎での務めを果たし江戸へもどった近藤重蔵は、蝦夷地取り扱いについての建言書を奉呈した。かの地は松前藩が権益をほしいままにし、オロシャやエゲレスの船がたびたび訪れる内憂外患に晒されていた。
翌十年、公儀による蝦夷地巡見の一行に加わることになった重蔵は、陸路、海路を突き進み、ついに蝦夷へたどり着く。本蝦夷からクナシリ、さらにエトロフへの渡海を決意する巡見隊に、凶暴な熊が襲いかかり、恐るべき敵が待ち受ける。
(「BOOK」データベースより)
第六巻にしてようやく近藤重蔵が最上徳内とともに蝦夷に出発しました(笑)。どうなることやらと思っていたのでホッ。
最上徳内の地元・山形の人間としては、彼らの蝦夷地探訪、というかスパイ活動、というか警察行動、というか……には興味津々。近藤重蔵の経歴は確かに小説のモデルとして理想的。
火盗改め→
長崎勤務→
江戸へ帰参→
幕府へ北方領土調査の意見書提出→
5回もの蝦夷地探査……江戸へ帰参するまでに五巻もかかっていたのだからこれからどうなることやら。
しかしアイヌとの交流や、愛憎相半ばする悪女との果たし合い、巨熊との格闘など、まことに読ませる。逢坂がやりたかったのは、捕物帖よりもこちらの冒険小説的趣向だったのかも。
挿絵はいつものようにお父さんの中一弥。もうすぐ百歳!なんか、いいですなあ。
第七巻の特集はこちら。
また遊びにきます。
ありがとうございます。
これからもよろしくお願いしますね。