とり・みきについて、はたして漫画ファンはどうとらえているのだろう。長いことファンであるわたしは、だからこそそのあたりがわからなくなっている。
だいたい若い読者の方々は、このギャグ漫画家(なんですよ)をご存じですか。ほぼ同世代ということもあって、おこがましいけれども彼を“追走”する気分で生きてきたのだが。
熊本県に生まれ、SFにめざめた彼は少年チャンピオンでデビュー。70年代末の「こまけんハレーション」や「バラの進さま」のギャグや絵柄は完全に吾妻ひでお。SFマインドと美少女キャラも受け継いでいた。
週刊でギャグ漫画の連載を続けるのは、どれだけ才能があったとしても苦しい。そこで彼は、「るんるんカンパニー」と「クルクルくりん」で、ギャグの連続だけでなく、シチュエーションコメディの要素を採り入れることでしのいでいた。わたし、この二作品は大好きだったなあ。特に「るんるん」の深水くるみというキャラが、当時付き合っていた……あわわわ、よけいな話でした。
秋田書店となにかあったのか、次第に他の雑誌に活動の場を移し、平凡パンチでエッセイ漫画の傑作「愛のさかあがり」、TVブロスで不条理ギャグ漫画の金字塔「遠くへいきたい」を発表。もう、このあたりで「一生ついて行きます!」状態。いったい何度くりかえして読んだことであろう。
そしてこの、「メカ豆腐の逆襲」なる短編集には、なんと少年チャンピオン創刊40周年記念「クルクルくりんfeaturingるんるんカンパニー」という夢の合体企画も。おお、秋田冒険王センセイ!もう彼が出てきただけでウルウル。うわあ吉田さん(最強のボケ役)まで!
……わたしはAmazonで本を買うことを自らに禁じている人間だけれども、とり・みきだけは仕方がない。おっと、つづいて唐沢なをきの「まんが家総進撃」までポチッとしてしまったぁ!
最新の画像[もっと見る]
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます