Peter Gabriel - Here Comes the Flood
Vol.50「痛風」はこちら。
60代の男性公務員。同僚の態度が信じられません。
今から1年前の3月11日のことです。朝に職場の館内放送で、東日本大震災で亡くなられた方々の冥福を祈る黙とうの呼びかけがあり、午後2時46分に黙とうしました。ところが、黙とうと同時に1人の女性が部屋を出てしまったのです。
黙とう後に戻ってきたので理由を尋ねると「思い出したくないから」と。しかし、黙とうをしないのは、亡くなられた方々やご遺族に対して大変失礼ではないかと思います。
彼女はベテランで仕事を教えてもらうことも多く、頼らざるを得ないのですが、以前からデリカシーがないなど気になるところがあっても適当にあしらってきました。しかし黙とうのことは受け入れられません。
今年の3月11日も同様でした。こんな人とどんな付き合いをしたらいいのでしょうか。【愛知・E男】
「思い出したくないから」みんなと一緒に黙とうしない……ことの何がいけないのでしょう。実は彼女にしたって黙とうをして見せた方が楽であることは承知しているはずです。一年前もあなたに“糾弾”(あなたにそんな気持ちがなかったはずがない)されたくらいですから。でも彼女は今年も出ていった。
もちろん、単にあなたが言うようにデリカシーがかけらもなくて
「ってらんないわよ」
という気持ちで出ていった可能性はある。でも本当に思い出すことがつらくて、どうあってもあの震災の記憶にからめとられる行動がとれないのかもしれない。実はわたしも震災のことを思い出すのはつらい。黙とうも苦行だ。でも、わざわざ部屋を出ていくほどの勇気はないから黙とうしますけれども。
怖いのはむしろあなただ。みんなが一律一斉に同じ行動(それは文句なく善行ではあるにしろ)をとらないことに不快をおぼえるその心根にわたしは恐怖をおぼえる。いろんな人がいますよ。で、そんな世の中を60年以上も生きてきたんでしょう?いろんな生き方があり、それを認めていきましょうよ。でないと、あなた疲れませんか。
本日の1曲はピーター・ガブリエルの「Here Comes the Flood」ようやく、紹介できる根性が。この、コロナの世であるからこそ。
Vol.52「三密な母と子」につづく。
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