「マネー・ピット」「スプラッシュ」と来たからには、トム・ハンクスの出世作「ビッグ」を見ないわけにはいかないですわね。 いやはやとにかくよくできたお話なのである。
12才の少年ジョッシュは、あこがれの子の前で“小さいから”という理由でジェットコースターに乗れないという屈辱を味わう。そのため、どんな願いもかなえてくれるゾルダーという機械に「大きくして」とコインを入れる。
翌朝、彼は心はそのままだが、身体が35才の青年になっていた……
もちろん、この大きくなったジョッシュを演じるのがトム・ハンクス。彼の子ども子どもした動きが絶妙で、この作品でゴールデングローブ賞の最優秀主演男優賞をゲットしたのは納得。
さて、親から不審者あつかいまでされてしまったジョッシュは、ニューヨークに出てゾルダーを探すことになる。しかし生活はしなければならないのでおもちゃ会社にもぐりこみ、なにしろ頭の中は子どもだから大人にはない斬新なアイデアを連発する。そして副社長にまで出世するが……
社長といっしょに巨大な鍵盤の上でタップを踏むシーンはいまだにおぼえている。そんな純粋な彼が、女性重役スーザンと恋に落ちる(気を使った表現)。はたしてこのまま彼女との関係を続けるのか、あるいは子どもに戻るのか、ジョッシュは選択を迫られる。
倫理的にも微妙なお話。なにしろおそろしく年上の女性との恋愛であり、オトナになる経過を一気にすっ飛ばしてしまっていいのかという問題もある。ジョッシュが子どもに戻ったとしても、スーザンが彼の成長を待つという選択肢だってありうる。
さてこの映画ではどんなエンディングが用意されているか、見ていない人はぜひ味わってほしい。傑作。
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