スティーブン・スピルバーグが製作にかんでいるコメディ。といっても、このころの彼は勝負作「カラー・パープル」にかかりきりだったはずだし、他にも「バック・トゥ・ザ・フューチャー」や「グーニーズ」の製作総指揮に当たっていたので、ほとんど名を貸しただけなのかもしれない。そのあたりは「ポルターガイスト」の監督を忙しくてトビー・フーパーにまかせたのとはちょっと違っているかも。
主演はトム・ハンクス。若きトムの動きがとにかく切れがよくてすばらしい。彼はこの作品のあとにあの「ビッグ」に主演して喝采を浴びることになる。ああ久しぶりに「ビッグ」も観たいな。
相手役のシェリー・ロングが魅力的。むかし観たときも「うっわー、いい女だなー」と思ってました。
彼女の前夫役はアレクサンダー・ゴドノフ。この作品の前に出演したのが「刑事ジョン・ブック/目撃者」で次が「ダイ・ハード」なのである。勢いがあったんだなあ。若死にしてしまったのが残念。
さてお話は、豪華な邸宅を安値で購入した恋人たち(トムとシェリー)だったが、これがとんでもない物件で、次から次へとトラブル発生。とんだ金食い虫(マネー・ピット)だったというストーリー。階段は落ち、漏電し、床は抜け……まるでドリフのコントのようにトム・ハンクスは翻弄される。
その邸宅の状態が、恋人たちの関係とシンクロするあたりは、定型とはいえ気持ちがいい。さすがの娯楽作品。スピルバーグ印はダテではなかった。
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