事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

いだてん 第29回 夢のカリフォルニア

2019-08-04 | 大河ドラマ

第28回「走れ大地を」はこちら

今回のタイトル「夢のカリフォルニア(カルフォルニアじゃないのよ)」はもちろんママス&パパスのCalifornia Dreamin' からいただいている。

ロサンゼルスオリンピックのために渡米した日本選手団。彼らは書き割りのような(つまりは偽物の)夢の舞台で歌い踊る。でも、そのセットの裏では、あの歌が実は陰鬱なお話であったように、日系人の屈託(「精霊の守り人」の織田梨沙登場)が隠しきれなかった……

宮藤官九郎は今回、はっきりとスポ根ドラマを書こうと決めたのだと思う。

・記録が伸びない選手(斎藤工はすばらしい身体をしてますねえ!)の悩み

・選手間のほのかな恋愛

・過剰な特訓

・監督たちの深謀遠慮

……んもう水泳のスポ根ドラマといえば「金メダルへのターン!」(フジ)しか思い浮かばない世代ですけど(青木英美という女優が素敵でした)、思えば「飛び魚ターン」だの「渦巻きターン」だのって、どう考えても泳法違反よね。

「いだてん」が往時のスポ根ドラマとなにが違うかといえば、やたらにキャストが豪華であることと、総監督があまりにも奇矯な性格だったことかな(笑)。

「一種目モ失フナ」

との田畑の貼り紙を破ったのは誰だったかという、これまたスポ根らしいエピソードもうまい。

日系人のおかげで職を失った黒人警備員が、しかし夜間に猛練習をしていた高石を必死で応援するあたりの泣かせは、わかっていてもなおうまいと感服。宮藤はスポ根ドラマには遅れてきた世代のはずなのに、やるもんだ。

性急に生きる田畑の言葉や原稿を、ひとりだけ理解できる速記係の菊枝(麻生久美子!)に、ロスに旅立つ前に号外原稿を託していたあたりのラブコメぶりも、ちょっとスポ根っぽい(強引)。

ついに志ん生一家は、かの有名ななめくじ長屋に引っ越す。なめくじがそのまま米海軍の艦隊にシンクロするあたり、ディレクター(今回は西村武五郎)が嬉々としてやっている感じがおかしい。

第30回「黄金狂時代」につづく

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