事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「聖女の救済」 東野圭吾著 文藝春秋

2009-05-23 | ミステリ

Seijo_no_kyuusai_obi 推理作家協理事長に東野圭吾氏を選出

日本推理作家協会は21日の特別理事会で、作家の大沢在昌理事長(53)の任期満了に伴い、後任に作家の東野圭吾さん(51)を選出した。就任は6月1日付で、任期は2年間。

ZAKZAK 2009/05/22

……えらくなっちゃうなあ東野。でもきっと大沢在昌とか北方謙三あたりに「いま売れてるのはお前だけなんだから責任とれ」とか脅されて引き受けざるをえなかったのかも(^o^)。性格よさそうだし。

 正真正銘の美男で、関西人らしくユーモアのセンスもある。直木賞もとってベストセラー連発とくれば、もてないはずがない。前に特集したこともありましたね

器用貧乏を絵に描いたように作風を変えていた東野も、読者サービスを意識してガリレオものを一挙二作刊行。ワトソン役は、当初の草薙からドラマのファン向けに内海薫にシフトしてある。「ガリレオの苦悩」の方は“いつものガリレオ”路線だけれど(苦悩してないです)、この「聖女の救済」は、「容疑者Xの献身」パターンの驚愕のトリックが用意してある。

このトリックにはほんとうに驚いた。「こう来るかぁ」とまたしても脱帽。ただね、「容疑者~」と同じように、探偵が物理学者である必要性はないし、“虚数解”である真相を背負うには、聖女の“異様さ”が描き切れていない。なにゆえに犯人はそれほど強靱でありえるのか、という解答を用意してくれれば、「容疑者~」を凌駕する傑作になれたかもしれないのに。まあ、そのあたりが性格のよさなのかもしれませんけどね。

福山雅治、柴咲コウ、北村一輝トリオでふたたび映像化するとすれば、聖女にはよほど強力なオーラをもった女優を用意しなければならないだろう。わたしのキャスティングでは、椎名林檎にノーメイクでやってもらうというのはどうでしょう。若いときの新珠三千代だと……違ったドラマになっちゃうか(笑)。

コメント
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