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第14回腸内細菌学会に参加して

2010年06月22日 16時27分58秒 | Weblog
6月17日18日に京都大学時計台記念館「百周年記念ホール」で第14回腸内細菌学会が開催されました。この学会は日本ビフィズス菌センターの主催ですが、今回は日本乳酸菌学会と共催でシンポジュウムも開催されました。関西で初めて開催されたにも関わらず300名を超える参加者がありました。

学会は、一般講演20題、受賞講演2題と、免疫学の泰斗本庶佑京都大学客員教授の特別講演「抗体記憶とゲノム不安定性」があり、シンポジウムは、Sidonia Fagarasan博士の基調講演に続き、「ビフィズス菌、乳酸菌の医療への新展開」のテーマのもとに、次の演題の講演がありました。
1、ビフィズス菌、乳酸菌と腸管免疫系
2、タンナーゼ活性を有する乳酸菌を利用した新規プロバイオティクスの開発
3、臨床試験によるプロバイオティクスの評価
4、全身性炎症反応(SIRS)患者の腸管内治療~腸内細菌叢とシンバイオティクス療法
5、組み換えビフィズス菌を用いた固形癌の腫瘍選択的治療剤の開発
6、過敏性腸症候群と難治療性下痢におけるプロバイオティクスの応用

腸内細菌学会は、最近のビフィズス菌、乳酸菌と免疫学との関連において、内容が理解しづらくなってきました。全部を聴講したわけではありませんが私の興味を引いた演題を2,3紹介します。
一般演題では、
○腸内細菌代謝産物による潜在感染HIV-1の再活性化
 潜在的に感染しているエイズ(HIV)はある種の腸内細菌によって活性化される。腸内細菌の悪玉菌Clostridium属、Eubacterium属、Fusobacterium属がエイズ感染の初期段階のウイルスの爆発的な増殖に関与しているようです。善玉菌であるビフィズス菌や乳酸菌がそれを抑制できるのかどうかには言及がありませんでした。
○腸内細菌が産生するフェノール類が皮膚に及ぼす影響の検討
 ある種の腸内細菌がチロシンを代謝して、腸内で産生されたフェノール類が、血流を介して皮膚に蓄積し、そこで表皮角化細胞の正常な分化に変調をきたし、皮膚の保湿機能を悪化させる。
シンポジウムでは、
○タンナーゼ活性を有する乳酸菌を利用した新規プロバイオティクスの開発
 弊社のホームメイド・ケフィアに含有するL.plantarumに関する話題です。タンナーゼ活性の高いL.plantarum株を腸内に存在させれば、食品成分と結合して難吸収となったタンニン様カテキンから非タンニン様カテキン類が遊離し、速やかに腸管壁から吸収させる、すなわち緑茶カテキンの抗酸化力を最大限に体内に”届ける”ことができる。
 残念ながらホームメイド・ケフィアのL.plantarumのタンナーゼ活性は測定できていません。
○臨床試験によるプロバイオティクスの評価
 従来、疫学的研究によって植物繊維の摂取は癌を予防できると言われていたが、演者によるろ小麦ふすまの摂取の結果大腸癌の発生が有意に増えたそうです。一方、乳酸菌製剤の投与によって相対リスクの減少が認められた。
 またビフィズス菌発酵乳の投与によって潰瘍性大腸炎の増悪が抑制された。
○組み換えビフィズス菌製剤を用いた固形癌の腫瘍選択的治療剤の開発
 腫瘍内が嫌気的環境であることが知られていますが、演者らは、Bifidbacterium longum菌をbacterial vecterに用いて、癌の低酸素環境を標的にした全身投与による腫瘍選択的なgene deliveryを応用した治療法を開発している。

 
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