海椿葉山の夕日

２４日、和歌山の椿温泉の海椿葉山に一泊しました。

この宿は２０００年のグッドデザイン賞に選ばれた新感覚の素敵な和風旅館です。客室は６室だけのこじんまりとした構えですが、部屋から太平洋を見渡せる眺めは圧巻で、地球の丸さを感じる雄大な風景です。

その日は風の強い薄曇で、海は白い波頭を見せて荒波が押し寄せ、磯に砕けて水しぶきを舞い上げていましたが、空と海の境に雲の切れ間があり、海に沈む夕日を眺めることが出来ました。海の他には何もない、夕日を眺めるしかない静謐の時を過ごしました。

ケフィアと健康（3）ケフィアと豆乳ケフィアの抗アレルギー作用

花粉症の季節になりましたので、ケフィアの抗アレルギー作用に関する最近の研究論文を紹介します。

研究者等は、牛乳と豆乳で作ったケフィアの抗アレルギー作用を報告しています。
先ず、卵白アレルギーを発症しているマウスを５群に分けて、１群は対象群として基礎餌料を与え、２群には基礎餌料+牛乳、３群には基礎餌料+牛乳ケフィア、４群には基礎餌料+豆乳、５群には基礎餌料+豆乳ケフィアを与えて、２８日間飼育した。

マウスの腸内細菌を測定した結果、牛乳ケフィア、豆乳ケフィアを与えたマウスは、それぞれ牛乳、豆乳を与えたマウスに比較して、善玉菌であるビフィズス菌、乳酸菌が増え、悪玉菌であるクロストリジウム菌が減っていた。対照群に対しても同様であった。

また、免疫グロブリンであるＩｇＥ、ＩｇＧ1、ＩｇＧ2についても測定を行い、対照群、牛乳群、豆乳群に比較して牛乳ケフィア、豆乳ケフィアを与えたマウスは、卵白アレルゲンに特異性であるＩｇＥ、ＩｇＧ1が低かった。ＩｇＧ2には差がなかった。

この結果、研究者等は牛乳ケフィア、豆乳ケフィアにはアレルギーを予防する効果があり、腸内で病原菌感染を防ぐ粘膜免疫を強化する効果があると述べています。

The anti-allergenic properties of milk kefir and soymilk kefir and their beneficial effect on the intestinal microflora.
Je-Ruei Liu et al.
J Sci Food Agric 86:2527-2533(2006)

ケフィアと健康（2）腸管免疫を高めるケフィアの効果

最近、ケフィアの健康効果に関する新しい知見が幾つか発表されています。
今回紹介するのはカナダの研究者が発表したマウスにケフィアを経口投与することによる腸管での免疫増強効果の学術報告です。

研究者等（下記の書誌事項参照）は、牛乳をケフィア菌で発酵させ、遠心分離した上澄液をマウスに飲ませて、小腸、大腸および血清中の免疫細胞およびサイトカインを測定した。その結果で小腸で顕著にＩｇＡが増えることがわかった。大腸でも同じ傾向が見られたが小腸ほどには増えなかった。免疫細胞の働きを調整しているサイトカインについても測定した結果、ケフィアの上澄液を経口投与したマウスは与えなかったマウスに比べ、小腸でのサイトカインが増加していた。大腸でもサイトカインは増加したが血清中では腸菅に見られたような効果が見られなかった。

この結果は、ケフィアには腸管免疫を高める効果があることを示しており、特に腸管で感染を防御する働きをしているＩｇＡが高まることがわかった。

研究者等は、ケフィアの免疫を高める働きはプロバイオティクス（生きている乳酸菌・酵母）の働きのほかに、バイオジェニック（乳酸菌や酵母の生成物）の効果も考えられると述べており、それは牛乳の発酵によってタンパク質が分解されて生じるペプタイドの効果ではないかと推測している。

Effect of the oral administration of the products derived from milk fermentation by kefir microflora on immune stimulation.
Gabriel Vinderola et al.
Journal of Dairy Research (2006)73 472-479.

ケフィアチーズの簡単な作り方

ホームメイド・ケフィアでフレッシュチーズが出来ることを何回かこのブログにも書いてきましたが、ホームページに作り方を紹介したページがなかったので、昨日「ケフィアチーズの作り方」と言うページを作りました。
ついでに「ケフィアチーズお試しセット」も発売しました。しかし、このセットを買わなくてもケフィアチーズは出来ます。ケフィアチーズはケフィアから水分（ホエー）を濾過して作りますので、レギュラーコーヒーのお好きな方はお手持ちのコーヒードリッパーを利用してケフィアチーズを作ることが出来ます。もっと簡単に濾過の出来る方法は、カップラーメンの容器に箸で幾つか穴をあけて、その上にフィルターペーパーを載せて、その上に発酵させたケフィアを入れると、カップにあけた穴からホエーが滴り落ちます。数時間も放置するとフィルターペーパーの上においしいケフィアチーズが出来ています。カップヌードルのカップは発泡スチロールで出来ていますので、箸で突けば簡単に穴があきます。もっと大量にケフィアチーズを作りたい方は、カップうどんの容器が便利です（カップは熱湯殺菌して下さい）。
ケフィアには乳酸菌がいっぱいですから乳酸菌が腐敗菌の繁殖を抑えます。しかし空気中からカビの胞子が落ちてきて、表面にカビが発生することがありますので、サランラップで覆って下さい。気温の高い時期には冷蔵庫の中で濾過する方が良いでしょう。

フレッシュチーズを作る人が増えてきました

ホームメイド・ケフィアで簡単にフレッシュチーズが出来るのをご存知ですか。

牛乳をケフィア菌で発酵させて、出来たケフィアを水切りすればおいしいフレッシュチーズが出来ます。
ケフィアの水切りは、コーヒーフィルターでケフィアを濾過すれば簡単に出来ます。
フィルターを通過する水はホエー、フィルターの上に残った固まりがフレッシュチーズです。
ちなみにチーズの定義を調べてみると「牛乳を乳酸菌または酵素で固め、水を切ったもの」とあります。
ケフィアからホエーを搾ったケフィアチーズはまさしくフレッシュチーズです。

もちろんヨーグルトでも同様にしてチーズを作れますが、ヨーグルトで作ったヨーグルトチーズは酸っぱくておいしくありません。
それに比べて、ケフィアで作ったケフィアチーズは、まろやかな風味と滑らかな舌触り、フランスの有名なフレッシュチーズ「フローマージュ・ブラン」に比べて遜色のないおいしさです。

昨年このブログで何回かケフィアチーズについて説明しましたが、最近作る人が増えてきたようでブログを検索していると、ケフィアチーズを紹介しているブログを多く見かけるようになってきました。
おいしいものは自然に拡がるようですね。