ホームメイド・ケフィアを好きな方のために

ホームメイド・ケフィアをこれから始めたい方、すでに始めている方のブログです。ケフィアについての感想や質問をお書き下さい。

日本プロバイオティクス学会を聴講して

2007年04月26日 20時12分16秒 | Weblog
日本プロバイオティクス学会設立10周年を記念して、4月25日にホテルオークラでシンポジュウムが開催されました。

シンポジウムは1部と2部に分かれて講演があり、2部では「口腔内プロバイオティクスの応用」をテーマに、歯周病予防の乳酸菌サプリメントについて興味ある研究が紹介されました。

シンポジウム1部の前に、上野川先生の特別講演「腸内細菌・プロバイオティクと免疫」について解説され、腸内共生細菌の機能を次のようにまとめられました。
1)共生の誘導
2)腸管免疫組織の誘導
3)IgA産生の誘導
4)経口免疫寛容の初期誘導
5)炎症反応の鎮静
6)病原細菌の抑制

シンポジウム1では、「アレルギー分野におけるプロバイオテックスの基礎と臨床」をテーマとして、次のような先端的研究が紹介されました。
1)プロバイオティクス、プレバイオティクスによるアレルギー抑制
東京大学の八村先生がビフィズス菌とアシドフィルス菌のアレルギー抑制のメカニズムを詳しく紹介されましたが、これらのビフィズス菌、アシドフィルス菌は弊社がケフィアプラスに使用しているビフィズス菌、アシドフィルス菌と同一菌株であったので非常に興味深かった。

2)分子免疫学研究による乳幼児腸内細菌叢とアレルギー罹患の関連性
九州大学の中山先生が、ノルウエーとエストニアの乳児を比較した「Lower population of lactobacilli and bifidobacteria in allergic infants(アレルギーのある乳児は乳酸菌、ビフィズス菌が少ない)」と研究を紹介され、日本ではなかなか同じような結果が得られないが、腸内細菌のバクテロイデスがアレルギー発症と関係がありそうだと話されたことが興味深かった。

3)アレルギー臨床におけるプロバイオティクスの応用と展望
千葉大学の下条先生が臨床面から腸内細菌とアレルギー発症には個人差や環境などの要因が絡むので一概には言えないと話されたが、その中でアトピー性皮膚炎とビフィズス菌数が逆の相関があり、ビフィズス菌が多いとアトピーが少ないと言う研究データと、弊社がケフィアプラスに使用しているビフィズス菌と同一菌株のビフィズス菌がスギ花粉症の改善効果があったと言う研究データが興味深かった。

4)最近の乳幼児アトピー性皮膚炎におけるプレバイオティクスの現状
福岡病院の柴田先生が、新しいオリゴ糖のプレバイオテックスの可能性について紹介されました。

5)総合討論
腸内細菌の生息の場である大腸と、消化吸収器官すなわち腸管免疫寛容の場である小腸の関連について質問をしましたが、上野川先生からマウスでは大腸にもパイエル板が存在することがわかっているが、人では未だ明快な説明が出来るところまで研究が進んでいないので、これからの研究課題であろうと説明されました。









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年金か、税金か

2007年04月09日 21時01分33秒 | Weblog
コーカサスの長寿村の発酵乳ケフィアの普及をライフワークと考えているので、私は高齢者問題には人一倍関心がありますが、先週こんな問答がありました。

顧問税理士がきて「これはだまし討ちではないか」というので、よく聞いてみると、「48万円以上の給与所得のある70歳以上の人には年金が支払われなくなった。いきなり制度を変えて支払いませんというのでは詐欺にかかったようなものだ」という。なるほどそんな話は今まで聞いたことがなかったので寝耳に水の話です。

「給料を今まで通りにして年金をあきらめるか、給料を下げて(あるいは引退をして)年金を貰い、税金を払うか決めてなければならない」という。なぜ年金か税金かの二者択一かというと、年金を貰うために役員報酬を支払わなければ会社は所得税を多く納めることになるというのです。

これでは「70歳以上の高齢者は働くな」と言っているに等しい。さらに65歳以上の給与所得者は所得に応じて年金が減額されることになったようです。高齢者が増えて社会福祉財政が逼迫していることはわかりますが、働ける高齢者には元気に働いてもらって給料を支払い、税金も納めてもらう方が財政も潤うし、高齢者も気分よく仕事をしている方が健康にも良いので、ひいては医療費の節約にもなるのではないだろうか。

厚生労働省は「所得のある高齢者には年金を支払わない」などとけちなことを考えないで、「年金を支払う」が「元気に働いて税金も納めてもらう」というように考え方を変えた方が、社会が活性化すると思いますがいかがですか。




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ケフィアの正しい普及のために!

2007年04月01日 18時40分00秒 | Weblog
弊社は3月決算ですから、この4月で第18期を迎えました。思えばコーカサスの発酵乳ケフィアを日本の消費者に紹介したいと志して、ホームメイド・ケフィアを発売して以来、早くも16年(第1期は2ヶ月の変則決算)が過ぎました。

ホームメイド・ケフィアの発売当時、ケフィアという発酵乳は知る人ぞ知るという発酵乳であって、一般の消費者には全く知られていませんでした。ケフィアを説明するためにヨーグルトを引き合いに出さなければ理解されないもどかしさがありました。しかし消費者にケフィアを理解していただくために、ヨーグルトとの違いを一生懸命説明してきたつもりです。

省みて16年の間にケフィアが一般消費者の間に正しく理解されるようになったかというと、ケフィアをケフィアヨーグルトといっている人が多いなど、まだまだ道半ばの感があります。後発の参入者が手間のかかる説明を放棄して、安易にケフィアすなわちヨーグルトであると宣伝していることが、ケフィアの正しい理解を妨げているように思います。

しかし、ケフィアとヨーグルトが同じであるなら、スーパーで買えるヨーグルトをわざわざ家庭で手作りすることはありません。スーパーで買えなくても手作りしてもケフィアを食べたいと思ってもらえるように、ケフィアの販売者はその違いを消費者に十分説明する責任があると思います。

ケフィアとヨーグルトの大きな違いは、次の3点です。
1)ケフィアには酵母が生きています。
ヨーグルトは牛乳を乳酸菌だけで発酵させますが、ケフィアは乳酸菌と酵母で発酵させます。ケフィアの中には酵母が生きているために炭酸ガスができ、容器が膨らむのでスーパーでは売っていないのです。
2)発酵温度が違います。
ヨーグルトの発酵温度は40℃~45℃、ケフィアの発酵温度は20℃~30℃です。ケフィアの発酵適温は人間の生活適温と同じですから、ケフィアは室温で発酵できます。ケフィアをケフィアヨーグルトと呼ぶ人がいるために、発酵温度の違いが曖昧になり、ケフィアの発酵に失敗する人がいて、そのことがケフィアの普及の妨げになっています。
3)風味が違います。
発酵乳には発酵に関わる菌の種類によって、それぞれ風味に違いが生じます。酵母の生きているケフィアはヨーグルトより酸味が少なくまろやかです。ケフィアをカスピ海ヨーグルトと間違えている人がいますが、ケフィアはカスピ海ヨーグルトのような粘りがなく、風味が爽やかです。

第18期を迎えるに当たり、初心にかえってケフィアの正しい知識の普及のために努めたいと思っています。
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